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160話・ドリさんからの頼みごと

 僕は今、1人で、家へと帰ってきていた。

 ソフィアとアードちゃんが夕食の用意をしてくれるとの事で、調理器具を取りに来たからだ。

 一通りの器具を回収しアイテムボックスにいれた後、一度アコの様子を見に行こうかと、そのままダンジョンルームへと移動する。


「アコ、僕にやって欲しい事は…」


 決まったかどうか尋ねようかと思ったが、いまだにぶつぶつと考えている最中だったので、僕はそっと、転移結晶を取り出して、先ほどまでいた森へと転移する。



 ◆



「おかえりなさい、ノーリさん。」


 森へと帰ってきたが、ドリさんの姿しかなかった。


「ただいま戻りました、ドリさん。それで、2人はどこに行きました?」


 いない2人について尋ねてみる。


「結界内には、モンスターは入って来れないので、2人で、森に実っている果物やキノコなどの採取に行かれてます。すぐ近くにその場所がありますから、少ししたら戻ってくると思いますよ。」


「そうですか。ありがとうございます。」


 ドリさんに、お礼を言った後、僕は、取ってきた調理器具などを取り出し、準備しておく。ドリさんが興味ありげに見ていた為、軽く説明しながらも準備を終えた所で、2人が戻ってきた。


「あ、おかえり、お兄ちゃん!!」


「おかえりなさい…」


 2人が戻ってきた。


「2人とも、ただいま。それより、ずいぶん採ってきたんだね。」


 2人の手には、木の籠から溢れるほどの果物やキノコがあった。


「うん!! アードちゃんに籠を作って貰って、頑張って採ったんだよ!!」


「そっか。ありがとう、2人とも。器具はもう用意してあるよ。他に、必要な食材はあるかい?」


 そう聞いて、お肉や調味料を取り出し、渡しておく。


「それじゃあ、手伝いがいる時は、言ってね。」


「うん!!」 「はい…」


 僕は、2人から離れ、同じ待機組であるドリさんの横に移動する。


「ノーリさん。良かったら、どうぞ。」


 ドリさんがそういうと、僕の後ろに木の椅子が現れる。


「ありがとうございます、ドリさん。」


 僕は、お礼を言いながら、椅子に腰掛け、2人の様子を見守る。

 ドリさんも同じく、椅子に腰掛け2人の様子を見守る。少し眺めた後、ドリさんから話しかけてくる。


「ノーリさん。折り入って頼みがあるんですが、聞いて頂いても、宜しいですか?」


「僕に、頼みですか?」


 僕は、2人からドリさんの方へと体をむけ、そう聞き返す。


「はい、そうです。」


「僕に出来る事なら、構いませんよ。まず、内容を聞かせて貰っても宜しいですか?」


「分かりました… アード… 妹を連れていってくれませんか?」


 ドリさんは、神妙な面持ちのまま、そう言ってきた。

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