閑話・アード
私は、お姉ちゃんと森の中で暮らしていた。
今は、お姉ちゃんの目を盗んで、森の外に来ていた。
なぜ、目を盗まないといけないのかと言うと、お姉ちゃんには、1人で森の外に行かないように言われているからだ。
でも、前々から森の外に興味あった私は、お姉ちゃんが眠りについたタイミングでそれを実行した。
「これが、森の外…」
森の外は、私が思っていたよりも何もなかった。
強いて上げるなら、空に浮かぶ太陽が、良くみえるくらいだ。
「なんかガッカリ… 帰ろう…」
私は、来た道を引き返そうとした所で、すぐ近くの森から何が出てきた。
それを見て、私はお姉ちゃんが言っていた事を思い出してた。
「もしかして、あれが人族?」
人族は、欲が強いと言っていた。
私は、身の危険を感じすぐにその場を後にしようとした所で、その人族の1人と目があってしまった。
◆
俺たちは、ある調査依頼の為、この森に来ていた。
目的の物が見つからず、話しながら、1度森を出る事にした。
「こんな森なんかに、例の物は、本当にいるんですかねぇ?」
「さぁな。俺が知るわけねぇだろ?」
「ですよね… だけど、今日で、調査してから3日目ですから、そろそろ帰ってもいいんじゃないですか?」
「そうだな。だけど、手ぶらだと文句言われるから、何か持って帰らないとな。」
「そうです… ね…」
「ん? どうかしたか?」
「あれ見て下さい。」
「あれ?」
俺は、指差された方を見てみると、こんな場所にいるのが不自然なガキがいた。
「ほう…」
だけど、俺はそれを見て口角をあげていた。
「あれを代わりにするぞ。」
「分かってます。」
俺たちは、そのガキのもとへ足をむける。
◆
目があった人族が私を指差すと、もう1人の人族もこっちに、顔をむけてくる。その瞬間、背中がゾクゾクする。
人族は、私の方へと歩いて来たので、私は脇目も振らず森へと走り出した。
◆
「ちっ、逃げた。追うぞ!!」
「はい!!」
俺たちは、逃げたガキを追う。
追っている最中、なかなか距離が縮まらない。
ガキがやたらと、木が無駄に生い茂ってある場所ばかりに逃げるからだ。
「ちっ… おい、やれ!!」
「はい!!」
返事をした後に、少しして、風の刃が前を走るガキむけて、飛んでいく。
◆
「痛っ!!」
突然の痛みに、転んでしまい頭を打ったのか、気を失ってしまった。
次に目を覚ました時には、見知らぬ場所にいた。
「!?」
手には、何か冷たくて硬い物をつけられていた。
体が痛いけど、手に力を込めてみるも、それはびくともしない。それに、何故か、魔法も使う事が出来なくなっていた。
私は、隅の方で体を縮こませながら、お姉ちゃんの言いつけを守らなかった事を悔やんだ。
その後、私は頼れるお兄ちゃんに助けられたのだが、その時の私はまだ、知らなかった。
作者より(変更)
122話で、姉とはぐれたとの部分を1人で遊んでいたに変更しました。(また、アードは、遊んでいた訳ではないが、簡単に話を聞いたノーリが遊んでいたと解釈しただけです。)