145話・起きたら…
「ふぁ~」
目が覚めると、見知らぬ部屋だった…
って、そういえば、昨日は、リーベさんの所に、泊めさせて貰ったんだった。
僕は、体を伸ばした後、部屋を出ると、リーベさんとばったり出くわす。
「おはよう、ノーリ君。よく休めたようね?」
「おはようございます、リーベさん。はい。ぐっすり、眠れました。」
「それは、良かったわ。なら、ご飯を用意してあるから、一緒に食べましょうか?」
「で… ですが…」
「ふふ… なら、作りすぎたから、一緒に食べてくれないかしら?」
「…分かりました。何から何まで、すみません…」
「別に、いいわよ。それじゃあ、顔を先に洗ってらっしゃい。場所は、あっちよ。」
「はい。お借りします。」
僕は、顔を洗った後、リーベさんと一緒にご飯を食べ始める。
◆
「え!! もう、お昼なんですか!!」
リーベさんの言葉に衝撃を受ける。
「えぇ、そうよ。余程疲れてたのね。」
「すみません…」
「謝らなくていいわよ。それで、グラディウスからの伝言だけど、帰る前に、1度ギルドに顔を出してって言ってたわよ。」
「グラディウスさんがですか?」
どちらにしろ、1度ギルドに寄ろうと思っていたから、丁度いい。
「分かりました。この後、顔を出そうと思います。」
「えぇ、そうしてあげて。」
その後、ご飯を食べ終え、自分の分の食器を洗い、身支度を整える。
「それじゃあ、リーベさん。色々ありがとうございました!!」
「ふふ… 別にいいわ。何かあったら、いつでもいらっしゃい。」
「はい。その時は、お願いします。では、失礼します。」
僕は、リーベさんと別れ、冒険者ギルドへむかった。
◆
冒険者ギルドへ来て、受付にグラディウスさんの場所を尋ねると、奥の部屋へと案内された。
「あ、いらっしゃい、ノーリ君。よく寝ていたようね。」
「すみません…」
「別にいいわよ。」
「それで、僕が呼ばれた理由は、なんでしょうか?」
「ノーリ君は、今日戻るんでしょ?」
「? はい、そのつもりです。」
「だから、今の時点で、分かっている事を伝えておこうと思ってね。」
「そうだったんですね。ありがとうございます。」
「いいわ。それじゃあ、教えるわね。」
「お願いします。」
グラディウスさんは、色々教えてくれる。
「こんな所ね。他に、聞きたい事はある?」
僕は、受付に尋ねようと思っていた事をついでに、尋ねてみる。
「彼女は、どうなりましたか?」
「…ギルドで調べてみたけど、どうやら彼女は、独り身だったようで、引き取り手はいなかったわ。だから、ギルドの方で、供養させて貰ったわ。」
「そうですか… ありがとうございます。」
「いいのよ。他に、聞きたい事はある?」
「テットさんたちにも、挨拶しておきたいんですが、居場所は分かりますか?」
「彼らの事ね。ごめんなさい、そこまでは、把握してないわね。」
「そうですか…」
「他に、聞きたい事はある?」
「いえ、特にないですね。」
「そう。それじゃあ、帰るのなら気を付けてね。私も、数日中には、帰れると思うから、報酬は楽しみにしていてね。」
「わ… 分かりました。では、失礼して貰います。」
僕は、ギルドを後にした。
作者より(補足)
ソルダは、グラディウスから貰った情報を精査する為、不眠で頑張ってます。
商会長らは、捕縛後、情報を搾り取られてから、奴隷落ちです。
奴隷になった人らの行方もソルダが頑張って調べますが、貴族に売却された人もいるので、国に話がいき、対処されます。(本編では、出てくる予定なし)