141話・後は任せた
僕は、ボコボコにしたタブをグラディウスさんに手渡す。
「あ… ありがとう、ノーリ君。それにしても、かなりボコボコにしたわね。」
グラディウスさんは、タブを受け取りながら、そう言ってくる。
「すみません。抵抗してきたから、仕方なくですね。まぁ、それがなくても、ボコボコにしたとは思いますけどね。」
「まぁ、生きてるから大丈夫よ。それに、たぶん私もボコボコにしたと思うしね。それで、ソルダ。話は聞いてると思うけど、こいつは、私が貰っていくよ。」
「あぁ、分かった。俺は、こいつらを連れて行くとするよ。」
「あ、僕も手伝います、ソルダさん。」
「ありがとう、ノーリ君。それじゃあ、そいつを頼めるかな?」
「分かりました。」
商会長を背負い、僕らは、下へと降りる。
1階に下りると既に、商会員の引き渡しは、終わっているのか、グラディウスさんの部下は、もういなくなっていた。僕も、背負っていた商会長を近くにいた衛兵の人に渡す。
「それじゃあ、ソルダ。私たちは、帰るから後は任せたよ。」
「はぁ… 分かったよ。」
「あ、これはもう私には必要ないから、ソルダにあげるよ。」
「何だこれは?」
「私の部下が、調べてくれた物よ。」
「そうか。なら、有り難く貰っておくよ。」
「じゃあ、私たちは、もう行くよ。」
「分かった。」
「それじゃあ、ノーリ君も行くよ。」
僕は、チラッとソルダさんを見ると、頷いてくれたので、
「分かりました。ソルダさん、後は、よろしくお願いします。」
「おう、任せとけ。」
僕たちは、ソルダさんに後を任せ、商会を後にした。
外に出ると、日も傾き出そうとしていた。
全て終わったせいか、
ぐー
お腹が、悲鳴を上げた。
そういえば、今日まだ何も食べてなかったっけ。
「こいつを1度ギルドに預けた後、ご飯に行こうか、ノーリ君?」
どうやら、お腹の音は、聞こえていたらしい。
「…はい」
ちょっと、恥ずかしくなりながらも、返事をし歩き出した。
◆
ギルドにつくと、
「ノーリ君。ちょっと、こいつを預けてから、少し用を済ませてくるから、待っててくれる?」
「分かりました。」
私は、ギルドへ入り、ここのギルマスに頼み、地下の部屋を貸して貰う。
私の後ろには、部下数人が控えている。
「あいつの知っている情報を全て吐かせてから、報告をお願い。手段は問わない。」
「「「はっ!!」」」
「それじゃあ、後はお願いね。」
私は、部下に任せ、上へと戻り、彼らがどこにいるか近くにいた局員に尋ねると、まだあの部屋にいるとの事で、すぐに部屋にむかった。
扉をノックし、部屋へと入り、彼らの目の前のソファに座る。
「その顔は、どうやら決まったみたいね。それで、どうするの?」
ノーリ君を待たせてあるから、すぐに本題に入る。