136話・商会へ
僕たちは、1度ギルドへ戻り、職員に場所を聞いた後、再びギルドを後にした。
僕たちは、聞いたとおりに進んでいき、それらしき建物を発見する。
「あれですかね、グラディウスさ… ん!!」
振り返ると、グラディウスさんの後ろに、見知らぬ男が立っていた。
僕は、すぐに聖剣を抜こうとするが、
「大丈夫だよ、ノーリ君。」
グラディウスさんから、待ったがかかる。
「…もしかして、知り合いですか?」
「そうだよ。この全身真っ黒な奴は、私の部下のシャドーって言うんだよ。先に、あの商会の事を見張ってて貰ってたんだよ。」
「そんな事してたんですか?」
いったいいつの間に、そんな事をしてたんだろうか?
流石、グラディウスさんだ。
「そうだよ。それで、ちょっと話聞くから待っててね。」
グラディウスさんとシャドーさんは、話し出したので、何となく距離をとった。
少し話た後、何かをシャドーさんに手渡した。
それで、話しは終わったのか、シャドーさんは、忽然と姿を消した。
「!?」
それに驚いていると、グラディウスさんがやって来る。
「お待たせ、ノーリ君。目的の商会は、あそこの建物であっているそうだから行こうか?」
「はい!!」
僕たちは、商会へと入っていった。
◆
部下に驚いて、咄嗟に持っている剣を抜こうとしたノーリ君を止め、紹介する。
紹介後は、部下と話をしようとすると、ノーリ君は、そっと距離をとってくれたので、普通に話し始める。
「あの建物が、例の商会で間違いないね?」
「はい、そうです。」
「それで、逃げた者はいるか?」
「私たちが周りを見張ってから、何人か人の出入りはありましたが、ここに来られた客だと思いますので、いないと思います。また、商会長とタブの2人は、商会の2階にいると思われます。1階は、ごく普通の物品場所みたいなので、既に、何人か潜ませてます。」
「分かった。なら、1階の制圧は任せるとするか。」
「了解しました。では、私も中に移動を…」
「いや、シャドーには、別の事を頼みたい。」
「…別の事ですか?」
「あぁ、これを。」
私は、ノーリ君の書いた物を手渡す。
シャドーは、すぐそれに目を通す。
「なるほど。この者を調査し、調査後に関係のある者の捕縛をすればいいんですね。」
「流石、シャドー。話が早くて助かるよ。いけるか?」
「はい、大丈夫です。」
「なら、任せるよ。」
「分かりました。では、私はこれで。」
そう言って、いつものようにシャドーは目の前から消える。
さて、それじゃあ、捕まえに行きますか。
私は、驚いた顔をしているノーリ君のもとに行き、商会へと乗り込んだ。