135話・報告
トヴィさんたちが、別の部屋に行くのを見送った後、
「それじゃあ、ノーリ君の報告を聞かせてくれる?」
「はい、分かりました。」
僕は、手短に報告を済ます。
アードちゃんの保護の件は、話がややこしくなりそうなので、心苦しいが、伝えていない。
「後、ついでにこれも。」
男から聞いて書いておいた情報を手渡す。
グラディウスさんは、それを手早く読む。
「なるほどね… 期待以上よ、ノーリ君。ここからは、私が対処するから、ゆっくり… 「グラディウスさん!!」 …どうしたの?」
「僕も、連れていって下さい!!」
一方的な約束だが、あいつを捕らえないと気がすまない。
「…分かったわ。」
彼女の事も一応報告しておいたからか、グラディウスさんは、了承してくれる。
「ありがとうございます、グラディウスさん!!」
「別に、いいわ。それじゃあ、すぐにむかうけど大丈夫?」
「はい、大丈夫です!!」
朝から、何も食べてないが、気持ちが昂っている為か、あまり気にならない。
「あ、でも先にちょっと、やりたい事が…」
「何をするの?」
「彼女をちゃんとした所で、休ませたいのですが…」
「そうね。なら、ここの職員に任せて、遺族を探して貰いましょうか。」
「はい!!」
グラディウスさんに、話を通して貰い彼女を預ける。
ついでに、グラディウスさんが、僕たちが捕らえられていた倉庫にある彼らの捕縛や街の衛兵への報告をお願いしていた。
「それじゃあ、行こうか、ノーリ君?」
「はい!!」
僕たちは、商会を目指してギルドを後にするが、出た所で、
「グラディウスさんは、商会の位置を知ってるんですか?」
「…ノーリ君は?」
「場所を聞くのを忘れてました…」
「そう… ギルドに戻ろうか?」
「はい…」
僕たちは、1度ギルドへ戻り、職員に場所を聞いた後、再びギルドを後にした。
◆
私は、ノーリ君の報告を聞く。
私が思っていた以上の成果だった。だけど、ノーリ君には、辛い思いをさせてしまった。
だから、ここからは、私たちのみで対応しようとしたが、
「僕も、連れていって下さい!!」
ノーリ君は、そう言ってきた。
私は、ノーリ君の気持ちを汲み取り了承する。
その後も、やる事を済まし、ノーリ君とギルドを後にするが、
「グラディウスさんは、商会の位置を知ってるんですか?」
ギルドを出た所で、ノーリ君がそう聞いてくる。
私は、商会の情報を思い返すが、場所は書いていなかったと思う。
だから、ノーリ君に逆に聞いたけど、ノーリ君も知らないみたいだ。
私たちは、ギルドへ戻って、商会の位置を聞いて出発した。