131話・待ち伏せ
質問の途中に、地下の牢屋へから、誰かが上がってくる気配を感じとる。
鍵は僕が持ってるし、2人ではないと言う事は、先程降りていった片割れだろう。警戒しつつ質問を続けるが、何故か部屋に入ってこず扉の裏側で待機する。
「どうした? 質問はもう終わりか?」
「あ、いや少し考えていただけだ…」
質問をしつつ外の奴を警戒するも、やはり扉の裏側から動こうとしない。もしかして、中の状態に気づいてるのか? いや、それなら、すぐ助けに来る筈じゃあ… はっ!! まさか、連絡を取り合う事の出来るスキルでも持っているのか。それなら、何となく外で待機している理由は分かる。
「質問は、以上だ」
「そうか。なら、解放してくれないか?」
「分かった。…ただ、これをつけてさせて貰うよ。」
暗闇に目がなれた為か、落ちていた事に気づいた手枷だ。
「…それはいいが、無事に部屋から出してくれよ。」
男は、少し迷った挙げ句そう答えた。
「分かった。」
僕は、手枷を拾い、装着させる。
◆
『おい、部屋の前に来たぞ』
『そうか、なら悪いがさっき言った通り扉の影で待っていてくれ』
『了解』
少しして、やっと見えない奴からの質問が終わった。
解放するよう伝えると、余計なおまけがついてきた。
ちっ!! 手枷か… まぁ、外に出させる事に成功しそうだし、後で外して貰えばいいか。
『おい、いつになったら出てくるんだ?』
タイミングよく念話が届く。
『もう出るから、準備してくれ』
『準備はもう出来てるよ。念話は繋いだままにするなら、タイミングは任せるぞ』
『了解』
俺は、後ろ手で手枷をつけられ、立たせられる。
手枷をしているのに、俺の腕を押さえて部屋の外に連れ出そうとする。俺は、心の中でニヤリと笑いながら、繋がったままの念話で連絡する。
『そろそろ出るぞ。俺の後ろにいるから、おもいっきりやれ!!』
『了解』
俺は、そのまま部屋の外に連れられ、なので攻撃しやすいように、移動し立ち止まる。
『やれ!!』
『おう!!』
俺は、合図を出す。
◆
僕は、連絡を取り合っていると仮定し、次の行動に移る。
組伏せていた男に、手枷をつけたまま立ち上がらせ、手を押さえたまま部屋の外へ連れ出す。手を押さえたままの理由は、僕の姿は見えないままなので、扉の影で待っている奴にこの男経由で、どこに攻撃するのか教える為だったりする。
部屋の外に出ると、男はそれとなく、僕を扉の影が死角になるように移動するので、気づかないふりをしつつ、後ろの気配を気にする。
男が立ち止まった所で、後ろの奴が動き出したので、僕もそれの対処をする。




