124話・やって来たのは
リーダーの指示で、俺たちは、少しの間、辺りを探すが剣は見つからなかった。
「くそっ!! 何でねぇんだよ」
リーダーは、怒りに任せ、近くにあった物にあたりだす。
「リーダー… そろそろ、ギルドに報告しに行かないとヤバイですよ…」
あまり声をかけたくはなかったが、商会を出て少し時間がたっていた為、声をかける。
「チッ… そうだな… おい、ライ。俺とレフは、このままギルドに報告しに行くから、お前は、ちょっと商会に戻って、空箱にあの剣について聞いてこい!!」
俺は、リーダーに、そう指示される。
「…分かりました」
何言っても聞きそうになさそうなので、俺は、了承する。
「それじゃあ、聞き終わったらいつもの酒場で合流だ」
「はい。それじゃあ、行ってきます」
内心にため息をつきながら、俺は、来た道を引き返す。
先ほどまでいた場所についた俺は、いつも外で用心棒をしてある2人組に忘れ物をしたと伝え、1人で地下にある牢屋へむかう。
地下の牢屋来た俺は、空箱のいる牢屋の前で立ち止まる。
「チッ… おい、起きろ空箱!!」
俺は、まだ目覚めていない様子の空箱にイラつきながら、鉄格子を蹴りつける。
◆
やって来た人の気配は、僕たちのいる牢屋の前で止まった。
「チッ… おい、起きろ空箱!!」
やって来た人物は、そう言いながら、鉄格子を蹴る。
この声… 僕の聖剣をあいつに見せていた男か?
でも、何で戻ってきたんだ? 考えても、分からないので、僕はじっと待っておく。
「くそ!! まだ、薬が効いてるのか…」
男は、そう言った後、牢屋の前から遠ざかっていくのを気配察知で感じる。帰るのかと思ったけど、男はすぐに戻ってきた。
ガチャン
牢屋の鍵が開く音がする。どうやら、鍵を取りに行っただけみたいだ。
男が牢屋の中に入ってきたのを感じ、その方向へ跳ね起きぶつかりに行く。
「なっ!!」
完全に油断していたようで、ぶつかった瞬間抵抗無く、男は倒れる。僕は、倒れた男をひっくり返し、両腕を後ろに回し抑える。
「くそっ!! 離せ!!」
男は、ジタバタと暴れるが、LV差もある為か、微動だにしない。
それでも、男は、暴れるのをやめる様子はなく、更に暴れだしながら、
「くそっ!! 動かねぇ!! おい、空箱お前、こんな事して、ただで済むと思ってるんだろうな!!」
そう言ってくる。
男の言動に、少しあきれながらも、抑えてあるので、何も出来ない事を伝えようとする前に、
「そうだ!! 空箱お前、確か妹がいたな。すぐに俺を離さないと、妹もお前と同じ奴隷にするぞ!!」
男は、そう言ってきた。