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123話・マント

 会話の最中に、ここの牢屋部屋へと近づく気配を察知する。


「アードちゃん、人が来るかもしれないから隠れてて」


 僕は、小声で話しかける。


「分かった…」


 アードちゃんは、僕の指示通り牢屋の端に移動してくれる。

 僕も一緒に端に移動し、試験及び特別依頼の準備をしている際に、使えるかなと思って作製しておいたアイテムをアイテムボックスから取り出し、それに魔力を流しアードちゃんの頭の上から被せて上げるとアードちゃんの姿が消える。


「お兄ちゃん、このマントは何?」


 アードちゃんの姿が消えた場所から、アードちゃんの声がする。


「それはね、カモフラージュマントだよ」


「カモフラージュマント?」


「おっと、ごめんアードちゃん。そろそろ人が来そうだから、説明は後でね」


「分かった…」


 僕もやって来る人に備え、持っていた聖剣や斬った鉄の腕輪(アードちゃんの分も含め)をアイテムボックスに入れて、牢屋の外側を背に、横になっておく。外側から見られた時に、鉄の腕輪をしていない事を隠す為だ。

 少しして、やって来た人の気配は、僕たちのいる牢屋の前で止まった。



 ◆



「よし。後は、報酬を貰ってから、ギルドに報告しに行くぞ」


「「はい」」


 俺は、仲間を連れて、クレイさんのもとへむかい、今回の報酬を受け取り、商会を後にする。

 外に出た後、報酬を山分けする。2人には、ちゃんと多めに渡しておく。


「よし、山分けも終わったし、ギルドで報告した後、飲みに行くぞ!!」


「「はい」」


 俺たちは、さっさとギルドへむかう。

 ギルドへむかう途中にそれは起こった。


「リーダー!!」


 突然仲間の1人が叫びだす。


「急に叫んで、どうした?」


「どうしたじゃないっすよ!! 剣が光ってます!!」


「は? お前、何言って… !!」


 腰に差してある剣を見てみると、空箱の持っていた剣が微かにだが、光りだしていた。

 腰から剣をとり、間近で見るが、やっぱり剣が光っている。


「何だよこ… ぎゃぁぁ!!」


 見ていた剣がより強い光りを放った。


「目が… 目が…」


 剣を落とし、目を押さえる。


「回復薬を寄越せ!!」


「は… はい」


 俺は、手渡された回復薬をすぐに飲み干す。


「くそ!! 何だったんだ今の…」


 回復薬のおかげで、徐々に視界を取り戻す。

 完全に視界を取り戻し、落とした剣を軽く探してみるが、落とした筈の剣が無くなっていた。


「おい、俺が落とした剣はどうした?」


 近くは、仲間の2人しかいなかったので、聞いてみる。


「そ… それが、突然光が強くなったんで、俺たち2人とも顔を隠していて…」


「見てねぇと?」


「「はい…」」


「チッ… それじゃあ、辺りを探すぞ」


「「はい…」」


 少しの間、辺りを探すが剣は見つからなかった。

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