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110話・昇格試験 2

 問題が配られ、筆記試験が始まった。

 僕は、問題を解いていく。問題は、一般常識や冒険者の基礎などで、そこまで難しい問題では無かったので、全ての問題を埋め、2度ほど見直した所で、


「そこまで!! 問題を回収しますので、手を止めて下さい。」


 マリヤさんは、問題を回収してから部屋を出ていった。採点した後、筆記試験の合格者を発表するようなので、受験者は、部屋で待機しておく事になっている。

 僕も、座って待っていると、


「おい、空箱!!」


 ムエルトが、僕の方までやってきた。


「はぁ… 僕は、空箱じゃなくて、ノーリっていう名前があるんだけど?」


 意味ないだろうと思うけど、一応訂正しておく。


「お前の名前などどうでもいい!! 貴様、一体どうやった?」


「何が?」


「何がじゃない!! 何故貴様が、C級の昇格試験を受けている!!」


「何故も何も、僕が今、D級冒険者で試験を受ける資格があるからじゃないかな?」


 まぁ、ただ勧められたから受けてみたってのもあるな。そのせいで、おまけの特別依頼まであるんだけどね…


「チッ… まぁ、いい。ただ、俺の邪魔をするなよ!!」


 そう吐き捨てて、自分の席に戻って行った。

 僕がいつ邪魔をしたのやら…

 まぁ、いいか。僕は僕で、やれる事をやるだけだ。

 マリヤさんは、暫くしてから戻ってきた。


「それでは、筆記試験の合格者を発表します…」


 合格者の名前を呼んでいく。


「ノーリ君…」


 よし、ちゃんと合格したな。

 その後も、何名か呼ばれ、


「以上になります。名前を呼ばれなかった者は、部屋を退室して下さい。名前を呼ばれた者は、次の試験の説明をしますので、その場でお待ち下さ… 「ちょっと、待ってくれ!!」 何でしょうか?」


 マリヤさんの言葉を遮ったのは、僕に絡んできたムエルトだ。まぁ、遮ったのは理由は分かっている。


「どうして、俺の名前が呼ばれてないんだ!!」


 今、ムエルトが尋ねた通り、筆記試験に落ちていた。

 僕に、試験の邪魔をするなと言ったのに、落ちてたら世話ないよ…


「ムエルトさんは、合格点数を取れていないので、不合格になってます。」


「そんな、バカな!! 俺は、全部埋めたぞ!!」


 いや、埋めるだけじゃダメだろ…


「確かに、埋まってましたね…」


「そうだろ!! なら… 「ただ、殆んど間違えていました。」 !?」


 それなら、不合格でも仕方ない。


「お分かりになりましたら、説明に移りたいので、部屋を出て下さい!!」


「ま… 待ってくれ!! なら、あいつはどうなんだ!!」


 そう言い、ムエルトは、僕を指差してきて、僕に飛び火した。

 もう、諦めて部屋を出ていきなよ、ムエルトよ…

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