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107話・実力 3

「君に期待しているからかな。それじゃあ、次行くよ。」


 そう言って、グラディウスさんは、木剣を構える。

 縮地法とやらを警戒しつつ僕も、木剣を構える。


「風よ纏え。」


 グラディウスさんが、そう言うと、手に持っている木剣に風が集まりだす。

 グラディウスさんが、その木剣を、真上に掲げ、そのまま振り下ろした。

 振り下ろす直前に、僕は、直感に従い、すぐにその場を離れる。すると、木剣から何かが飛び出し、僕が先程までいた訓練場の地面を斬り裂いた。


「なんだよ、今の…」


 自然と口からこぼれた言葉に、


「風刃っていうの。要は、飛ぶ斬撃みたいなものね!!」


 すぐ真横から、その返答があった。

 気づけば、すぐそこにグラディウスさんが来ていた。

 後ろに飛び退こうにも、飛んできた物を避けた時の態勢が悪く、飛び退けず、グラディウスさんの木剣は、僕の首に当てられていた。

 僕は、木剣を地面に置き、両手をあげる。


「…参りました。」


 僕がそう言うと、グラディウスさんは、首に当てていた木剣を下ろしてくれる。


「私の勝ちね。それにしても、戦闘中に、よそ見はダメだよ、ノーリ君?」


「そうですよね… つい飛ぶ斬撃?に気をとられてました…」


 グラディウスさんの言う通りだ。今のが本当の戦闘なら、僕は死んでいたかも知れない…


「そうなの? ノーリ君は、ああいうの見た事ないの?」


「確か、風刃でしたか? 見た事ないですね。あれも、スキルなんですか?」


「そうねぇ。本来のスキルの効果の1つかな。」


「本来のスキルの効果の1つですか?」


「そう。精霊剣っていうスキルで、風の精霊を剣に纏わせて、それを風の斬撃として飛ばしてるの。」


「そうなんですか…」


 そんなスキルがあるのか。


「風の精霊って事は、他の精霊も纏わせれるんですか?」


「一応出来るわよ。ただ、精霊と心を通わせれないといけないし、精霊が近くにいない時は使えないっていう制約みたいな物もあるけどね…」


「そうなんですね…」


 て事は、精霊と心を通わせれない僕は使えないか…


「ノーリ君の実力は、確かなものだよ。だから、そう落ち込まないで。」


 落ち込んでいると、勘違いしたグラディウスさんがそう励ましてくれる。


「…ありがとうございます、グラディウスさん。」


「いいっていいって。それじゃあ、ノーリ君。」


 グラディウスさんの顔つきが変わる。


「明日は、無理のない範囲で、お願いね。」


「はい。気を付けてます。」


 その後は、グラディウスさん、マリヤさんに挨拶して、冒険者ギルドを後にして、家へと戻った。

 家に帰ると、明日からしばらく会えなくなるかも知れないので、ソフィアと一緒に過ごし、次の日を迎える。

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