104話・試験前日
明日は、グラディウスさんの所に顔を出さないと行けないので、いつもより早めにやる事を切り上げ、休んだ。
◆
起きた僕は、朝御飯を済ませ、
「なら、ソフィア。僕は、昨日言った通り、冒険者ギルドに行ってくるな。」
「分かった。私は、家で待ってたらいいんだよね…」
「ごめんな、ソフィア。なるべく、早く帰ってくるから。」
特別依頼の件は、ソフィアに伝えてないので、ギルドではなく、家で待っているように伝えておいた。
「うん…」
僕は、ソフィアの頭を撫でてやる。
「それじゃあ、行ってくるな、ソフィア」
「うん。いってらっしゃい、お兄ちゃん」
僕は、冒険者ギルドにむかった。
◆
冒険者ギルドについた僕は、依頼を受けようとしている冒険者同様、受付の列に並ぶ。
少しして、僕の順番が来る。
「おはようございます、マリヤさん。今、グラディウスさんいますか?」
「あら、ノーリ君。ギルマス? えぇ、奥にいるわよ。」
「なら、悪いんですけど、僕が来た事を伝えて貰ってもいいですか?」
「分かったわ。ちょっと、待っててね。」
マリヤさんは、奥に入っていき、少しして戻ってきた。
「ノーリ君。ギルマスが会うそうだから、来てくれる?」
「分かりました。」
マリヤさんについて行き、いつもの部屋に通される。
僕は部屋に入り、マリヤさんは、受付へと戻っていく。
「…待ってたよ、ノーリ君。まさか、朝から来てくれるとは思わなかったよ。」
「すみません、ダメでしたか?」
「あ、いや、謝る事ではないよ。ただ、勝手に夕方に来ると思っていただけだから。それより、ちゃんと用意は出来てるしね。はいこれ。」
僕は、グラディウスさんから、書類を受けとる。
「それじゃあ、見させて貰います。」
貰った書類に、一通り目を通す。前の書類には、名前・人数・LV・ランクなど簡単な事しか書かれていなかったが、ここには、更にスキルやその冒険者の戦い方などまで書かれていた。
「どう、役に立ちそう?」
「はい。ありがとうございます。これは、持って帰ってもいいですか?」
「あぁ、大丈夫だよ。ただ、必要失くなったら、ちゃんと燃やしておいてね。」
「分かってます。なら、僕はこれで… 「ちょっと、待って、ノーリ君。」」
「どうかしましたか?」
「この後、時間ある?」
「…時間ですか? ソフィ… 妹を家で、待たせてあるので、少しだけなら…」
「それで、いいよ。なら、ちょっとついて来てくれる?」
「分かりました。」
僕は、グラディウスさんの後について行き、部屋を後にする。