101話・準備 3
僕たちは、一緒に下のダンジョンへ下りていく。
ダンジョンルームに行く前に、日課になりつつあるレイの散歩をする為だ。まぁ、散歩といってもダンジョンを少し歩く程度なのだが。
何故そんな事をしているのかと言うと、あいつ外敵がいない事を良い事に、草を食べては眠るを繰り返す堕落な生活を送っている。もともと、レインボーシープじたい強いモンスターじゃないので、今では、完全にペット化している。
ダンジョンに下りると、外同様に、ダンジョン内も、暗くなり始めている。暗くなっても、空に浮かぶ月のような物で、完全に真っ暗になる事はないが、念のため、アイテムボックスから、灯り(魔法のランタン[自作])を取り出そうとする前に、
「任せて、お兄ちゃん!!」
ソフィアもそう言って、予備の杖(ワンド型)を取り出し、詠唱する。
「■■ ライト!!」
すると、杖の先端が光だし、辺りを照らしてくれる。
「ありがとう、ソフィア。」
そう言い、頭を撫でてやる。
「えへへ~」
頭から手を離し、そのままレイを探し出す。
少しして、
「お兄ちゃん。レイ、いたよ。」
「お、本当だ。」
レイは、最近お気に入りの場所になりつつある森林の入り口にある木の下で寝ていた。
『レイ。運動するから、起きろ!!』
僕は、念話で話しかけ、レイを起こす。
散歩じたい嫌いという訳ではないようで、レイはすぐに立ち上がり、トコトコと僕たちの元に来る。
その後は、2人と1匹で、ダンジョン内を軽く散歩をしてから、僕たちは、ダンジョン移動で、ダンジョンルームに移動する。
「あれ、お兄ちゃん、ここにも用があるの?」
「…ちょっと、良いアイテムを貰ったからそれを増やそう思ってな。」
特別依頼の事を伏せて、そう言う。
「そうなんだ。」
僕は、アイテムボックスから転移結晶を取り出す。
"アコ、これを取り込んでくれる"
『畏まりました、マスター』
転移結晶は、そのまま取り込まれ消える。
僕は、製作可能なアイテムに、転移結晶が追加されたのを確認する。
「ちゃんと、製作出来そうだね。」
ダンジョンポイントを消費して、転移結晶を複数個製作した。
作者より(捕捉)
杖について(たぶん…)
杖は、補助具的な物です。
だから、無くても魔法は使えます。
杖の種類
ロッド → 伸縮・折り畳みが可能な杖。基本的に長い。
スタッフ → 飾り気の無い質素な杖。主に実用向けで棒や棍などに近い。
ワンド → 片手持ちの短い杖。祭祀・式典の際には豪華な装飾が成されたものが使われる。