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99話・準備 1

「…バックアップはさせて貰うつもりだよ。」


 グラディウスさんは、そう言いながら、懐から何かを取り出し、机の上に置く。

 僕は、机の上に置かれたアイテム?を、鑑定する。


 アイテム名:転移結晶

 説明:結晶に魔力を流す事によって、使用者の思い浮かべた場所へ転移する。正し、使用者が訪れた場所限定。また、使用者に触れている人物なども転移可能。

 希少度:★★★★★★★☆☆☆


「!?」


「その顔、これがどういった物か、知ってるようだね。」


 知ってるというか、今知ったというか…

 まぁ、ある事じたいは知ってたけど、実物は初めて見た。


「一応…」


「なら、話が早い。何か起こった際は、これで逃走しギルドに報告してくれればいい。どうだろうか?」


 実物を見たのは初めてでも、転移結晶が、高い事は知っている。

 既に、決意は決まっている。だけど、まだ答えて貰っていない事を尋ねる。


「…改めて、聞きますが、何故僕何でしょうか?」


「おっと、そう言えば答えてなかったね。今回の特別依頼は、昇格試験を受けれて、なおかつ実力のある冒険者じゃないといけない。それを私は、君だと判断した。それが、理由だね。」


「…理由は分かりましたけど、どうして僕が実力者だと思うんですか?」


 バレッタさんから、聞いたにしては何だか確信があるように思える。


「…それについては、先に謝るよ。ごめんね。」


「?」


「前回、君に会った時に悪いけど鑑定を使わせて貰ったの。」


「…そうだったんですね。」


 だから、あんなに確信を持ってたのか…

 今回は、グラディウスさんだったから良かったけど、鑑定の対策も考えないといけないな…


「それで、どう? 特別依頼、受けてくれるかい?」


「…分かりました。その特別依頼受けさせて貰います。」


「そう言ってくれると思ったよ。」


 グラディウスさんは、そう言いながら立ち上がり、書類を持って戻ってくる。


「それは?」


「これは、昇格試験時の護衛依頼に同行する予定の冒険者の情報よ。簡単にだけど、調べさせた物よ。」


 僕は手渡された、書類を受け取る。

 軽く目を通すと、名前から大まかなLVやスキルなどが書かれていた。


「…渡していいんですか、これ?」


「本来なら、ダメだね。」


 やっぱり…


「だから覚えたら、すぐに破棄してくれると助かるよ。」


「…分かりました。」


 僕は書類をアイテムボックスに入れる。


「それじゃあ、改めてノーリ君。こんな危ない事を頼んでしまってあれだけど、宜しくね。何かあったら、躊躇わず転移結晶使うんだよ。」


「はい。」


「あぁ、後それと、昇格試験前にも顔を出して頂戴。」


「何かあるんですか?」


「それまでに、新たな情報が入るかもしれないからね。入っていたら、教えようと思ってね。」


「分かりました。それじゃあ、妹を待たせてあるので、僕はこれで失礼しますね。」


 僕は、そう言った後立ち上がり、最後に挨拶をして、部屋を出ていく。

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