9話・デート? 2
2人の料理を注文してから、話をしながら、料理が運ばれてくるのを待った。少ししてから、料理が運ばれてきた。
「こちらが、注文されたカツ丼とテンプラ定食になります。」
「「ありがとうございます。」」
料理は2つとも湯気がたち、熱々でとても美味しそうだった。
「それじゃあ、食べようかソフィア?」
「はい!!」
あれ? スプーンと他に何かの木の棒らしき物が2本置いてあった。
「お兄ちゃん、この木の棒って何か知ってる?」
「ごめんな、ちょっと分からないな。」
店員さんを呼んで、聞こうかと思ったがメニューの後ろに使い方の説明と手書きのイラストが書かれていた。
これに従い、ソフィアと箸?の練習をする。説明と手書きイラストのおかげで何とか使えるようになった。
「それじゃあ、改めて食べようか?」
「はい!!」
僕は、カツと呼ばれものを、ソフィアは、野菜のテンプラをテンつゆ?という物につけてから口に運ぶ。
「うまい!!」 「美味しい!!」
第一声は、どちらも料理を誉める言葉だった。
僕は、そのまま、2口目を食べようとするが、
「お… お兄ちゃん!!」
ソフィアに話しかけられる。
「どうした、ソフィア?」
「て…テンプラも美味しいよ!!」
「? それは、良かったな。」
「ひ… 1口どう?」
「くれるのか?」
ソフィアは、高速で首を縦に振る。
確かに、テンプラも美味しそうだな。
「なら、貰おうかな?」
「うん!!」
何故か、テンプラを1口大に切り、つゆにつけた後、少し震える手で、口元まで運んでくる。まぁ、特に気にすること無く、口に入れてから咀嚼し、飲み込む。食べてる最中、何故か、ほんのりソフィアの顔が赤くなっていた。
「確かに、美味しいな。ありがとな、ソフィア。」
「い… いえ、喜んでくれて良かった…」
「ソフィアも、カツ丼食べるか?」
「!? いいの?」
「? まぁ、テンプラも貰ったしな。」
カツとご飯を一緒に箸で掴み、ソフィアがしてくれたように、口まで持っていく。
「!!」
ソフィアの顔はさっきよりも赤くなっていく。
「食べないのか?」
「た… 食べます…」
ソフィアは小さな口を開け、カツ丼を食べる。
「カツ丼も、美味しいだろ?」
顔を真っ赤にしたまま、首を縦に振る。
その後は、口数少なく、ご飯を食べ終え、お店を出る。
「それじゃあ、お腹も一杯になったし次は、市場の方に行こうか?」
「はい!!」
僕は、そっとソフィアの手を握る。
「え…」
「この先は、本当に人が多いかもしれないから、手を繋いでおこうな。」
「はい…」
ご飯を食べていた時より、顔を赤くしているソフィアと市場の方にむかった。
市場は、やはり人が多かった。2人で色々な露天を見て周り、あらかた見終わった頃には、日もだいぶ傾いていた。
「気づいたら、日も傾いてるな。そろそろ、帰ろうかソフィア。」
「はい!!」
結局、その後も人が多かったので、手を繋いで帰る。
帰り道に、ソフィア楽しめたか聞いてみる。
「今日は、楽しかったかソフィア?」
「はい!! とっても、楽しかったです!!」
「それは、良かった…」
最近は、冒険者の仕事ばっかりで、あまり構ってやれなかったからな… 喜んで貰えて良かった。
「また、今度一緒に来ような。」
「はい!!」
その時のソフィアは、とびきりまぶしい笑顔だった。