93話・名付け
レインボーシープの名前を決める事にする。
僕は、レインボーシープの毛をモフモフしながら、レインボーシープの名前を考え始める。
「ん~、お前の名前何がいいかな…」
「メェ… メェ…」
レインボーシープは、目を細目、気持ち良さそうな声をあげている。僕は、またしても、ほっこりしつつ良さげな名前を思い付いた。
「レイとかどう?」
通じているか、分からないがそう聞いてみる。
レインボーシープの頭文字の2文字をとってレイだ。
「メェ!!」
声音が何となく、喜んでいるように感じる。
「なら、今日からお前の名前はレイだ。僕の名前は、ノーリ。改めて宜しくな。」
僕は、レイの前の片足を軽く持ち上げ、上下に降る。
「メェ!!」
こうして、レインボーシープの名前がレイに決まった。
◆
名付けも終わったので、作製の終えていたとあるアイテムを取り出す。
取り出した物は、黄金色に輝く果実だ。
「メェ?」
「ん、どうしたレイ? あぁ、これが何か気になるのかい? これはね、進化の果実という物だよ。」
僕は、レイに進化の果実について説明する。
「メェ?」
長々と説明したけど、分かっていないようだ。まぁ、それもそうか。僕は、先にこれをアコに取り込ませる為、ダンジョンルームに移動する。別にその場でも、取り込みは出来るのだが、結構創るのが大変な物の為、直接の方がいいと考えたからだ。
「アコ、取り込んでくれるか?」
『了解しました』
進化の果実をアコに取り込ませる。
取り込ませ後、ダンジョンポイントで進化の果実を出そうとするが、
「やっぱり、高いか…」
消費ポイントは、思った通りかなり高かった。今あるポイントでは、出す事が出来ない。これを創る為の素材を出すのにもかなりのポイントを使う為、今後の事を考えて、魔力回復薬をポイントで出す。
魔力回復薬をがぶ飲みしながら、魔力交換で素材の交換を行い、再び作製する。
「うっぷ… それじゃあ、レイの所に戻るよ。」
『了解しました』
僕は、レイの所に戻りそれを食べさせようとした所で、手を止める。
「…本当に、大丈夫なんだろうか。」
直前で、不安になってきたので、鑑定してみる。
アイテム名:進化の果実
説明:特別なやり方でのみしか創り出す事の出来ない果実。食べる事によって、強制的に進化をもたらす。
希少度:★★★★★★★★★☆
レシピ検索で見た通りの説明だ。
説明を読んでも、不安は拭えない。だから、
「いけるか…」
魔力回復薬で、お腹はたぷたぷだけど、僕はレイに食べさせる前に、自分で進化の果実を食べる。
作者より(ちょいと長い捕捉)
進化の果実について
必要な素材
10種類の特殊な果実のエキス&無の果実
特殊な果実
(生命力、魔力、力、器用、防御、敏捷、知力、精神、運、魅力)
→ 世界のどこかに存在すると言われている木に、ごく稀にランダムでなる果実。食べる事によって、一時的に、食べた果実の能力を上げる事が出来る。
無の果実
→ 特殊な果実と同じく、どこかに存在する木に、ごく稀になる果実。食べる事によって、一時的に、全ての能力を下げる事が出来る。
進化の果実を創り出す方法
まず、10種類の特殊な果実のエキスを作る。
作ったエキスに無の果実を1年間密閉した空間で、浸けておく事によって、そのエキスを取り込み創り出す事が出来る。1年間で1度でも外気に触れると、創り出す事は出来ない。