87話・従魔 1
僕は、上に戻ってレシピ検索で調べてみる事にした。
今までに、見てきた場所にそれらしきレシピはなかったので、後ろの方のページを見てみる。
パラパラと見ていくと、それらしきアイテムらがあった。今攻略中の階層で使うなら、これか?
クツナの実×穀物×魔石(小)
→餌付け玉
これを食べさせて、徐々にならせていけば…
「!? ダンジョン移動!!」
僕は、急いでダンジョンルームに移動する。
「アコ!!」
『どうしました、マスター? ずいぶん慌てているようですが?』
「ちょっと、聞きたいんだけど、ダンジョンのモンスターってダンジョンから出れるの?」
『ダンジョンのモンスターは、基本はそのダンジョンから出る事は出来ませんね』
「やっぱり!!」
さて、どうするか… 王都の外の森にもモンスターはいる。いるのはいるんだけど、スライムやゴブリンだけだしな… まぁ、作製するアイテムを変えればいけから、スライムで試してみるか… ついでに見つけたあれもあるし…
『マスター』
「ん、何アコ?」
『マスターならどうにか出来るかも知れません』
「どういう事?」
『先ほど言った通り、ダンジョンのモンスターは、基本はそのダンジョンから出る事は出来ません。ですが、マスターのダンジョン移動のスキルなら他のダンジョンからでも、そのままこのダンジョンに移動する事が出来るかも知れません』
「本当!!」
『確実ではありませんが、可能性はあります』
「ありがとう、アコ。やってみる価値はあるよ。でも、ここのダンジョンに連れて来て、そのモンスターは、ここのダンジョンから出れるの?」
『はい。それは、可能だと思います。連れてこられたモンスターは、普通にダンジョンに入った人と変わりませんので』
「確かに、僕たちがダンジョンに入っても普通に出れるもんね。」
『はい、その通りです』
なら、まずはアイテムから作製するか。
クツナの実を魔力交換で交換してと… あ、ついでに、アコにも取り込ませておく。
穀物と魔石はアイテムボックス内にある物を使い早速作製する。アイテムは、すぐに作製出来た。
宝箱から取り出してみると、一口大の玉のようなものが5つほど出来上がっていた。どうやら、1度で複数個出来上がるみたいだ。取り出した物をアイテム鑑定しておく。
アイテム名:餌付け玉
説明:食べた一部モンスターを高確率で懐かせる事が出来る。
希少度:★★★★☆☆☆☆☆☆
よし、大丈夫そうだね。
「それじゃあ、ちょっと行って… 来る前に、先にソフィアに一言伝えて来るよ。」
『はい、マスター』
僕は、餌付け玉をアイテムボックスにしまい、上に戻る。
作者より(捕捉)
レシピ検索→この世の全てのアイテムのレシピを検索する事ができる
魔力交換→基本は、素材系のアイテムのみ交換可能
アイテム名:クツナの実
説明:大抵のモンスターの好物である実。魔力の濃い場所のみに出来る為、希少な実である。
希少度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
餌付け玉→現代でいう濃厚飼料みたいな物
濃厚飼料
→ とうもろこしや大豆、麦やふすま(小麦を製麦したときに出る皮、糠)、糠(ぬか。米ぬかなど)などを粉末状にしたり圧ぺん加工(あっぺん。蒸気をかけて潰して外殻を割ること)したりしたものがあてはまります。




