隠された現実
2週間が過ぎたが人をひいた犯人は捕まっていなくて、車にひかれた人の家族がテレビに出ていた。なぜ、捕まえないのか、裁判をしないのか、と言っていた。マスコミがそれをながし感化された人がSNSでもながしバズっているらしい。
たしかに、なかなか裁判をしないのはおかしいし、人をひいておいて殺しておして捕まらないのはおかしい
でも、思うことがあるんだ。いくらSNSで騒ごうが意味ないって…
この事件を知っていて入院しているおっちゃんが、この事件の被害者の俺に言ってきた
『これ、ほんとうにひどい話だ!人権をなんだと思っているんだ!差別だ!そう思うだろ、あんちゃん』
「そうですね…」
『なんで元気ないんだ。ひどい話だと思うだろう。実際に体験したんだから。他の連中は、ぜんぜん興味がねぇがな』
そう多くの人は、この事件に興味がなくなっている。もうすぐ3週間が過ぎようとしていたんだ。自分ごとじゃないと、人は興味を失う。今頃は芸人の浮気報道でにぎわせている。人が車にひかれるより浮気の方が親しみやすく日常で体験しているのだろう。それはそれでひどいと思うが…
おっちゃんが、この事件に興味があるかといえば、おっちゃんが結婚もしたことがなく付き合ったこともなく縁のない話だからだろう……自分に親しみやすい報道が新たに出ると今も興奮じみた状態もなくなるだろう。
俺が興味があるのは被害者だからというのが大きいが、被害者か関係する人でない限り本当に心配している人、怒っている人、悲しんでいる人はいないのだろう。もちろん、被害者や被害者に関係する人でない人も心配している人、怒っている人、悲しんでいる人はいるだろうけど経験していないとしているでは雲泥の差があると思う。
犯人が高齢であるということで裁判を延ばし、そのまま死んで、犯人や他のお偉いさんがこの事件自体を終わらせようとしているのは、まる分かりだ。
おっちゃんが、この事件で調べた情報なら、今までもこうしたお偉いさんが捕まらないのは結構あるらしい。今までマスコミが隠してきたが、相手がお偉いさんときづかずにミスで流してしまい取り返しがつかなくなったのもまる分かりだ。
貴族
↑
商人
↑
百姓
昔で言うと貴族、商人、百姓
百姓を殺しても貴族が捕まらないのと同じなんだろう。もしも万が一危なくなったらフィリピンに行けば一生捕まらない。まぁ、これができるのは、ある程度の権力者だけなんだけど。これも実際にあったって、おっちゃん言ってたしなぁ…
『ツヨシさん、今日退院ですねぇ』
「そうですね、ありがとうございました」
『はい、戻ってこないよう気をつけてくださいねぇ』
「はい…」
『階段を降りてつきあたり右に行くと出口なので、支度を終えたら来てくださいね』
「はい、ありがとうございます」
支度を整えるものもこれといってないのだが、支度を整えて部屋を出た
階段を下りようとしたとき頭がくらついた。そして、そのまま手すりをつかもうとしたとき、手を滑ってしまった。
身体は、そのまま下に向かう
宙を舞ったのだ
「あ、また、このパターンか…」
俺は、この言葉を最後にまだ落ちていないのに死んだ
ドテッ、鈍い音が鳴った。
ナースが、すぐ来たが俺は意識はない。
それもそのはず、もう死んでいるのだ
『どうするんですか! ツヨシさんの件
事故であたった後頭部が時間がたって効いて死んでしまったなんて、診断ミスですよ!』
『そんなことを言われても、君の責任でもあるのだからね。君がちゃんとナースの仕事していればこんなことにならなかったんだ!』
『そんな横暴な』
『うるさい!』
『で、でも、どうするんですか』
『ふん、なんとかなるだろう。一般的には転落死にみてとれる。』
『でも、鑑識でわかるんじゃないですか』
『なに、問題ない。警察は、お偉いさんには逆らえられない。そもそもは、あの事件が問題だろと言えば表立ったことにはならんだろう。医師のメンツもたもたれて、お互いに悪くないわ』
『そうですけど、良心が痛みます……』
『なにが良心だ。君、この仕事やめたくないだろう』
『はい、もちろんです』
『だったら、黙っておくんだ、わかったな』
『はい』