俺のために金をくれ
家を飛び出したツヨシは図書館に向かった
ここで何をするかって、それは勉強だ
ただ受験勉強ではない。まず食べていかないといけない。何をするか、そう、面接必勝本をよみあさることだ。ここなら、無料でおいしい水が飲めるし、公園だってあるから寝床もある
あと、自分への募金箱も設置した(飢えた人のための募金箱としか書かずに)。ウソはついていない。世界の子どものためとか飢餓で苦しむ発展途上国の人のためと非難されるかもしれないが、今、目の前の人が今日生きるのも必死になっているのに、そんなことを言われる筋合いはない
世界平和を実現するために何をすればいいかと言われた、あの有名なマザー・テレサも言っている目にみえない人のためではなくて目の前で困っている人を救いなさいってね
意外とプライドをすてれば結構集まるもんだな
ツヨシ募金箱の中をあさり集まったお金を懐に入れた
これで何を買うかって、それはスーツ一式だ。面接をするにはスーツが必要不可欠だからだ。日々集まったお金を持って格安のスーツ一式を買い面接当日を迎えた。皮肉なことに面接するところは辞めさせられたことを思い出させるコンビニエンスストアだ。なぜかって、それは売れ残った商品を格安で売ってもらったり無料でもらったりできるからだ。
もう金はスーツ一式で残っていない。面接に受かるしか道はない
そう決意して面接を受けた
そう面接本を読んで知っている…面接は戦争だ……
自分のことを嘘がバレない程度にすごくみせるかだ。相手には40代の人もいる、負けられない!
いざ尋常に勝負!
そう、こうして死んだのだ
合格は、その日に伝えられた。一言だけで一刀両断されたのだ。しかも40代に負けたのだ。顔面を殴られたかのような敗北感をあじわった。
隣で合格を喜ぶ40代のヤツが憎い
隣で合格を当たり前だ顔から、だだもれのヤツは顔をぶん殴りたい