小学生だってツライ
向かいながら車の中で剣道着に着替える
「はぁ〜、面倒くさいな、休みたいな」
弱音をはきながらも着替える
『ヒカルがやりたいって言ったのよ
責任もって続けなさい』
「わかってるよ……そんなこと」
道着に着替えて体育館に入り始まった
母は、その間他の親御さんとママ会をしている
そして、親たちがいない中ここにいるのは下平だ
八木と同じくらい嫌いなやつだ
虐待だよ、まったく……
ここの先生は全員がボランティアで教えてくれている。ありがたい気持ちはどこかにあるが、下平に関していえばまったくない。というが、辞めてほしいくらいだ
そんな願いと裏腹に下平が暴れている。暴れているっていっても実際にパンチしてくるのではなくて、気に入った子だけを褒めて、下平の嫌いな子をけなしたり面越しに竹刀をぶっ叩くといった具合のことをする。
それって暴力じゃないのって言いたくなるくらいの強さでくる。これをくらうと目がまわり倒れそうになる。もちろん、俺も嫌われている一人だ。理由は顔がウザいらしい。相手が小学生ってこともふまえてほしいと思いながらも、ご指導というかたちで対戦にかかっていかないといけないのだ。もしも、対戦していないだとか対戦回数が少ないだとか思われると、後のご指導というかたちで痛い目にあわされる。もう懲り懲りだ。
下平にボコボコに倒されながらも耐える…
足にマメができたり血がでても耐える…
下平にボコボコに暴言をはかれても耐える…
これこそが剣道なのだ……
野球で3時間、剣道で3時間
計6時間の習い事
さらに野球の夜練がある…
1時間半だ…
小学生はたいへんなのだ…




