第40回『恋愛描写を書かずに書くには』
恋愛猫写は大の苦手です。ムズムズして逃げ出したくなっちゃいます。
敵前逃亡をしてたどり着いた結論は、恋愛描写が苦手なら書かずに書けば良いじゃない!、です。
まあ、真っ向勝負をしない奴は、いつまでたっても実力が上がらないので、皆さんは、私のようになっちゃダメですよ。
さて、最も簡単な方法は、登場人物を男女二人きりしか出さない、です。
非常に厳しい"縛り"が発生してしまいますが、その代わり、特に恋愛に関係するような猫写をしなくても、読者が想像してセルフで補完してくれます。
例えば、この話とか、恋愛物に見えますか?
https://ncode.syosetu.com/n6995ge/17/
登場人物を二人きりにする、それだけで、こういう効果があるわけです。
余談ですが、登場人物を二人きりにするというのは、応用が効きます。
例えば、小さな子供と二人きりにすると、責任感のようなものがセルフで補完されます。
あるいは、学校の先生と生徒が二人きりになることは、あまりありませんよね。この場合、自動で、補習か呼び出しというシチュエーションだと理解されます。
もう一つ、超簡単な描写方法、第二弾!
もうすでに夫婦として登場させます。
夫婦ならば、皮肉を言われようが、邪険にされようが、読者は、うふふ、ってなります。
若夫婦なら、読者にとっては恋愛物と大差ないですからね。
難易度はあがりますが、ダブルミーニングを利用する方法があります。
直接的に好意を伝えるセリフではないのに、恋愛描写に見える描写のひとつに、怒っているふりだけでもう許している、というのがあります(なんとなく、あーそれわかる、と思っていただけるかなと)。
それをふまえた上で、怒って言っているはずのセリフの中にダジャレを混ぜると、あーこれはもう怒ってはないな、って読者に伝わります。
例としてはちょっと弱いかもですが、↓こんな感じです。
https://ncode.syosetu.com/n6995ge/83/
他にも、たった一言で、恋愛描写に見えるセリフがあります。
「もー、情けないなあ」
けなしているセリフですけれど、あんまり赤の他人に向かっては言わないセリフです。主に身内に向かっていうことの多いセリフなので、他人を身内のように思っている → 異性に言う場合は恋愛描写に見える、というわけです。
同様のセリフには、
「だらしない」
や
「あぁ、見てらんない」
っていうのもあります。
ツッコミを利用する方法です。
「いや、なんで、あんたが嬉しそうなの?」
ベタです。
嬉しそうのところを変えて
「いや、なんで、あんたが怒るの?」
でも同じです。
同種のセリフには
「あいつ、志望校、私達と一緒だってさ」
「いや、なんで私に報告したの」
という感じのもあります。
ちょっと直接好意を口にしていますが、かばうパターンもあります。
「あれで良いところもあるんだけどさ」
突っ込みが入るパターンは他に
「あいつ、腹立つ!」
「はいはい、ごちそうさま」
みたいな。
ツッコミ系のバリエーションだと
「それ、あいつの好物だよね」
みたいなのを付け加えると、それまで全然関係ない話をしていても、いきなり恋愛物になります。
よくあるといえば、あせったり、どもったり、です。
「きょ、今日は、あ、暑いですね」
ただ、これは、根回しやフォローが必要です。
例えば、男女二人きりしか登場人物がいない、とか、「なんで、あんたが嬉しそうなの?」とツッコミがあった後など、他の方法とセットにして使う必要があります。
いつかは、月が綺麗ですね、みたいなのを書いてみたいものです。
ちょっと系統が違いますが、電話を使うパターンもあります。
「はい、その件に関しましては、お約束どおりに、はい、では後日」
「今のどこから?」
「彼女」
セリフ自体は書かずに済んでます。




