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第27回『列挙する』

 小説の書評などで、”目が滑る”という言葉を目にしたことはありませんか?


 一言で言えば、つい流し読みになったり、読み飛ばしたくなる文章、でしょうか。


 普通は、悪い事のように思えるかもしれませんけれど、ショートショートでは、これを積極的に利用したりするんですね。


 現時点では、まだ気づかれたくはないけれど、あらかじめ、伏線として書いてはおきたい、というような場合に、わざと目が滑るように書くことで、目を通しているはずなのに、強く意識には残らない、というギミックを仕込むことがあります。



 若干、例文としては不十分かもしれませんけれど。



『もしもマッチ売りの少女が転生者だったら』

 https://ncode.syosetu.com/n6995ge/43/



 この話の中の




 これは、前世の記憶。実家は町の八百屋さんで、そう、どこにでもいるような普通の娘だった。


 彼に会いたくて、切ない恋心にこがれちゃったりもした、年ごろの娘さんでもある。




 この部分などがそうですね。




 書き方自体は、それほど難しくはありません。


 目が滑るというのは、繰り返されている割に重要度が低い文章の時に起こりやすくなります。


 まあ、小難しい単語の多用とか、漢字の開きが足りない、など、他にも原因になることはありますが、それは、置いておいて。


 わざと目が滑るようにするには、ダミーとして、似た意味の言葉を用意して、いくつか列挙して並べて書けば良いわけです。


 ここで、似た意味の言葉、と言うところが重要になります。


 列挙されている言葉の共通点こそが重要で、個々の細かい内容は重要ではないと思わせるためです。


 あるいは、ゆりかごから墓場までのように、範囲を示すものであったり、繰り返すことで強調している、というようなことでも構いません。


 列挙されている個々の内容ではなく、集合としての特徴に目が行くように出来ると良いということですね。


 また、意図して読み飛ばしてもらうのですから、当然、読み飛ばされたとしても、問題なく意味が通るようにしておく必要があり、例えば、三つ並べたうちのどれか一つを読んでくれてさえいれば良い、という状況を作るために、似た言葉を選びます。


 このギミックを使用する際には、注意点があります。


 あえて読みづらく書いているわけですから、読者に、そこまでして読む価値はないと思われないようにしなければなりません。


 まず、このギミックは、必要最小限にとどめてください。


 多用は厳禁です。


 似た内容の事を繰り返し書く場合は、同じようなことでも、繰り返すたびに徐々に情報が足されていく形にしたり、少しずつズレていくなどの工夫があると良いです。


 Aの事を書く → Bの事を書く → B+Cの事を書く → C+Dの事を書く


 みたいな感じですね。


 その上で、引っかかりを覚えずに、スムーズにテンポ良く読めるようにすることが大切です。


 小説は、教科書ではないので、必ずしも細かい内容を覚えずともよく、むしろ、リズムよく読めることの方が重要だったりします。


 逆に言えば、リズムよく読めてさえいれば、多少、目が滑っていても気にはなりません。


 さらにいえば、ギミックのためなどではなく、普通に、列挙した文を書くこともあるでしょう。


 それこそ、共通点に気がついてもらうためであったり、何かを強調するために、例示して並べるというようなことは、ありえることです。


 そう言ったときにも、目が滑るなどと感じさせないために、リズムやテンポを意識して書くことが大切になってきますね。



「とうきび、わたがし、りんごアメ・・・」



 上記の文は、私が書いた『夏祭り』という話の冒頭部分なのですけれど。



『夏祭り』

  https://ncode.syosetu.com/n6995ge/4/



 リズムを良くするために、大事なのは、文字数とイントネーションです。


 とうもろこし、ではなく、とうきび、にしてあるのは、4文字にしたかったからです。


 小学生の頃に教わった、童謡の楽譜を思い起こしてほしいのですけれど、3小節に、音符は4つずつ、最後の4小節目に1つというのが、オーソドックスですよね。



 どんぐり ころころ どんぶりこ

 とうきび わたがし りんごアメ


 じんせい らくありゃ くもあるさ

 とうきび わたがし  りんごアメ



 これに合わせたいのです。日本人にとって馴染みやすいリズムで読めるようになります。



 文字数で言うと、3、3、と続くリズムも良いです。


 トマト、レタス、みたいな並びですね。



  並べるものの選択肢が割と自由で、特に何でもよいようなときには、文字数で選ぶのも良いかもしれません。



 イントネーションですが、単語の前半にアクセントがあり、発音が徐々に高くなり、最後の文字は、下がって終わる、というのがベストです。


 これも、楽譜と同じですね。



 とう↑きび↓、わたが↑し↓、りんごア↑メ↓



 こんな感じになってます。


 まあ、こんなところを工夫しているなんて、絶対に誰も気がついてはくれませんけどね。 

読み上げてみて、リズムが悪いと感じないか確かめることは、やっておられると思いますので、感覚的な経験値を積まれていれば、それで大丈夫だとは思います。


これは、消極的なミスリードですね。


積極的に騙すのではなく、気づかれないように隠す、です。

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