表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/48

第2回『ショートショートのラストシーン』

 どこから話をするべきか悩みます。


 もしも、小説を書くコツを、ひとつだけ挙げるとしたら、迷わずに、物語のラストを一番最初に作ること、と答えます。


 ゴールさえ決まっていれば、きっと小説は書き上げることが出来ますから。


 でもね、ショートショートに限ってということならば、話は違います。


 ショートショートの場合、”書き上げる”ことに対するハードルは、そこまであがりません。


 ショートショートでの最難関は、落ちを用意することです。


 落ちのアイディアがなければ始まらないけれど、物語のラストがあれば小説は書きあげられます、どちらも大切、うーむ。


 やっぱり、先に、物語のラストについて、ほんのり軽く触れることにします。


 終わらせるのは、始めるよりも難しいですから、その方がいくらか安心です。


 とはいえ、あまり得意分野ではないんですよ。


 説明できることは、ほんのちょっとです。




 ショートショートは、他の小説とは、大きく違う点があります。


 文字数です。


 その分、ストーリーに、重きを置きません。


 重視されるのは、シチュエーションです。


 突飛な落ちを成立させるために、シチュエーションを整えることが、優先課題となります。


 必要な伏線を洗い出し、それを成立させるシチュエーションが決まると、だいたいの話しの流れはできています。


 この時点で、「落ち」が、「物語のラスト」を兼ねることが出来そうならば、それでOKです。


 ところが、それだけでは、なんかいまいち物足りないな、と思ったとき、どうするのかで、面白いショートショートになるか、ならないかが決まります。


 もうひとつ、アイディアを付け足してください。


 ひとつのアイディアに固執せずに、潔く、もうひとつアイディアを付け足す、それがショートショートを面白くするための鉄則のひとつです。


 付け足すアイディアには、色々なパターンがあります。


 例えば、構成をいじって、物語の前半と後半を入れ替え、先に結果を書いてから、その理由をあきらかにする、それで急に面白くなることもあります。


 そうした、付け足すアイディアのひとつが、「物語のラスト」です。


 すでに「落ち」がひとつ存在していますので、「物語のラスト」は、そこまで高いハードルを求められはしません。


 ぶっちゃけ、無難な終わり方でも、全然かまわないこともあります。


 ただし、「落ち」のために張った伏線とは別に、あらためて「物語のラスト」のための伏線をしっかり張るのを忘れないで下さい。


 ちなみに、うまくアイディアを付け足すことが出来なかったときには、お蔵入りさせて、ネタ帳で寝かせておきます。


 いつか、シナジーの合うアイディアが生まれるまで。


 そういう、お蔵入りしているアイディアを、たくさんストックしておくことが、ショートショートを書くためには必要不可欠なことです。




 では、「物語のラスト」の書き方について、説明したいと思います。


 小説には、いくつか、カッコイイ終わり方があります。


 といっても、私の場合は、よく使うパターンがいくつかあって、それを使いまわしているだけなので、あまり多くは説明できないのですけれど。




 ①セリフで終わる。


 物語の中で返事のないセリフは、読者への語りかけとなり、強く印象に残ります。




 ②答えの分かる疑問形で終わる。


 質問の形で終わると、読者がその答えを考えてくれるので、余韻の残る終わり方にすることができます。




 ③含みのある終わり方をする。


 はっきりとは言わないけれど、意味は分かるという終わり方で、②と同じ効果を持ちます。




 ④物語が終わった後の行動を宣言して終わる。


 この先は、書かないけれど、次の始まりを書いておくと、これも余韻が残ります。




 ⑤読者の意識をひとつに向けて終わる。


 そこまで、複数の可能性があったけれど、ひとつが選ばれたことを伝えて終わります。


 これは、一人称の心の中で感想を述べたり、何かに注目が集まったりということで伝えます。




 ⑥繰り返してパターン化されている。


 伏線として、あらかじめ何度か繰り返されている行為で終わります。




 ⑦固定されている。


 登場人物が共通のシリーズ物などで、最後は、これ、と決まっています。




 ⑧ループする。


 話が元に戻って終わります。


 


 ⑨種明かしをして終わる。


 定番です。




 ⑩悲鳴で終わる。


「きゃあああ」というセリフで終わります。これは、本当にひどい目あっているわけではなくて、仲良く喧嘩している時の一種のポーズとして、コミカルな話の時につかいます。


 直接的な描写はないのに、何が起ころうとしているのかと、登場人物の関係性が伝わります。




 ここから先は、私自身は、あまり使いません。




 ⑪感情を表す仕草で終わる。


 足を踏んづける、背中をつねる、凄みのある笑顔をみせる、などです。


 私の場合、だいたい「きゃあああ」です。


 腕を組むとか、好意を示すパターンもありますけどね。




 ⑫答えの分からない質問で終わる。


 もやもやします。




 ⑬他の可能性がある事を示して終わる。


 もやもやします。




 ⑭何か、象徴するものの描写で終わる。


 立ち去った後に残された花束とか、ちょっと、おされ、です。




 ⑮第三者からの視点で終わる。


 主人公がいなくなった後、残った人の視点になって終わるとかです。




 他にもあれば、私にも教えてください。

 読んだら、ちゃんとお代は、払ってくださいね。

 お気に入りユーザーの登録、感想、お待ちしてます。


 普段は、ショートショートでほのぼのコメディ集を連載しています。

 ショートショートの実例がいっぱいありますので、良かったら見てください。


 『月の音色』、『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』、『みどりの竜』です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『HAKO NIWA シークレット!』
 みんな、宝箱には目がないよね?、実はノドも無いから喋れないし、手も出ない、それどころか動けないんだよ、箱だから。異世界に転生したら、私、宝箱になってた。現在、ダンジョンに閉じ込められているので脱出しようと思うのだけれど、一ミリたりとも動けない。でも、動けないなりに頑張って、なんとかレベルを上げる方法を見つけたりして。ただまあ進化先の候補が、寄木細工に、びっくり箱、魔法瓶・・・って、動けないよ!。あれっ、もしかして幸運値が低いとかない?。とりあえず、スキル【ガチャ】は、お願い息をして。これは、箱になってしまった娘の冒険譚。まあ、最初の小部屋から微動だにしていないのだけれど。どうにか工夫して生き残るよ!。追伸、どうも脱出の鍵はロボットが握っているらしいです。

『このヒロイン、実は・・・』
 SF?、ミステリー?、コメディ?、そんな感じの短編です。

『月の音色』

『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』

『みどりの竜』

『いくとちゃんとおじいちゃん』

『誰でもショートショートが書けるという『田丸式メソッド』を改良しました』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ