表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/48

第13回『見立て』

 第1回で、ショートショートの基本的な落ちとして紹介したものの他にも、落ちはあります。


 例えば、「見立て落ち」です。


 分かりやすく書くと、まるで○○のようだ、と何かを何かに見立てる落ちの事です。


 これも、共通点を見つけて、くっつけるというタイプの落ちです。


 色、形、音、香りなど、機能や本質に関係しない部分を、かなりアバウトにつなげることが出来るので、発想次第で、全く別のものどうしの意外な組み合わせを作ることもできます。


 若干、弱い落ちに分類されるので、読者から強い共感を得られるように、伏線は入念に張ります。




『夏祭り』

 https://ncode.syosetu.com/n6995ge/4/




 見立ては、落ちとしてだけではなく、伏線としても使えます。




『ドライブ』


「夜間走行モード・オン!」


「あ、うん、ライトが点いたね。」


「アイハブコントロール。」


「いや、助手席って、名ばかりだから。」


「これより、サイレントモードに移行する。」


「えっ、なにそれ?」


「黙ってろ、舌を噛むぞ!」


「きゃぁぁぁぁ!」




 落ちとしては弱いですが、冒頭のつかみとしては、興味を引きやすく、向いています。

 

 見えているものや、傍にあるものが題材になっていることが多いので、状況を読者に伝えるのに使えます。


 ひとつでは弱いので、繰り返しています。繰り返すことで、パターンが見えてきて、上記の話だと、何かを何かに見立てて、ごっこ遊びをしているんだな、という状況が伝わります。


 見立てだけではなく、繰り返しの効果もありますが、話題の方向性を誘導しておいて、最後でパターンを変えているのは、一種のミスリードにもなっています。


 伏線としての見立ては、ミスリードや叙述トリックとしても使われます。何か別のものに見立てておいて、見立てているだけということを読者には隠して、勘違いさせるわけですね。




『偉い人にはわからない』

 https://ncode.syosetu.com/n6995ge/5/




 前にも言いましたけれど、この話は、友人に叙述トリックの説明をするために書いた物なので、色々と詰め込んであります。




 話題の転換や、逆に、話を元に戻すときに、見立てを使うこともあります。


 まず準備として、本来の落ちに関わるものを、何かに見立てます。その見立てたものの話題からスタートして、見立てを使って話題を転換し、落ちに持っていく、という書き方ですね。


 二段落ちのようにできれば、少しグレードがアップします。


 普段は、ショートショートでほのぼのコメディ集を連載しています。

 『月の音色』、『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』、『みどりの竜』です。

 ショートショートの実例がいっぱいありますので、良かったら見てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『HAKO NIWA シークレット!』
 みんな、宝箱には目がないよね?、実はノドも無いから喋れないし、手も出ない、それどころか動けないんだよ、箱だから。異世界に転生したら、私、宝箱になってた。現在、ダンジョンに閉じ込められているので脱出しようと思うのだけれど、一ミリたりとも動けない。でも、動けないなりに頑張って、なんとかレベルを上げる方法を見つけたりして。ただまあ進化先の候補が、寄木細工に、びっくり箱、魔法瓶・・・って、動けないよ!。あれっ、もしかして幸運値が低いとかない?。とりあえず、スキル【ガチャ】は、お願い息をして。これは、箱になってしまった娘の冒険譚。まあ、最初の小部屋から微動だにしていないのだけれど。どうにか工夫して生き残るよ!。追伸、どうも脱出の鍵はロボットが握っているらしいです。

『このヒロイン、実は・・・』
 SF?、ミステリー?、コメディ?、そんな感じの短編です。

『月の音色』

『ほんのり、ほのぼのしてもらえたら嬉しいです』

『みどりの竜』

『いくとちゃんとおじいちゃん』

『誰でもショートショートが書けるという『田丸式メソッド』を改良しました』
― 新着の感想 ―
[良い点] ショートショート。 オチへもっていくためのミスリード。 これが上手に作るコツのひとつですね。 私など、いかにして読者さんの予想を裏切るかを楽しみにしているようなものです。 言葉の組み合わ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ