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空間拡張が成された原因が判明した所で小屋の中へな。


実は小屋は譲渡されたばかりでな、設備のことを簡単にしか知らないんだわ。


小屋へ入るとホールになっている。

奥に続くドアを開けると続いてリビングだな。

リビングとの仕切りなしでダイニングへと続き、その奥へは隣接した感じでキッチンとなる。


ホール右へトイレと物置。

ダイニングの右へ洗面所と脱衣所に風呂だな。

トイレ以外の水回りを、奥へと集めた感じかな?


ホールとリビングにダイニングの左側へは部屋が2つづつ。

リビングの右側へ2部屋が儲けられているぞ。

計8部屋なんだが、此処が寝室になるんだろう。


家族で暮らすにも耐えられそうなんですが…これがテント代わりって、おかしくね?


「魔術師は非常識だと聞くけれど…納得だよね」っとナバトがさ。


「いやいや。

 これは、お下がりであり、俺が(あつら)えた訳じゃないんだが?

 一緒くたにしないでくんない?」ったらさ。


「いやいや。

 この小屋と馬屋を空間魔術で格納できる時点で十分非常識だからね!」だと。

失敬なっ!


その後は部屋割りをしてから野営地広場へと。


ナバトが此処で野営を行う商人たちと商売をな。

これも経験であり、ナバトの裁量にて行って良いことになってんだよ。


物は…おババん所で俺が作ったポーションだな。

俺作の聖水もあるぞ。


此処では武具や魔導具は売らないようだ。

まぁ、街で売った方が良い値で売れるだろうからな。

ポーションや聖水の(たぐ)いは街や村の外でこそ欲しい品となる。

特に夜間は昼間に現れない魔獣などが徘徊するからなぁ。


野営地とは言え、街や村のように外壁で隔離された空間ではないんだ。

だから襲われないという保証などない。

ポーションには魔獣避けも有るし、聖水もアンデット系には有用だ。


むろん商人たちも、それらの用意は予め行ってはいるんだけどさ、それでも手に入れておきたいのが人情てものらしい。


んでな、鑑定持ちの商人が居たせいで…


「この品質の物を、本当に売ってくれるのかね?」っと。

「ええ、そのために提示している訳ですから」

ナバトがニコヤカに。


「良し、全て…」

「待ったぁ!

 なに、独り占めしようとしてんねんやっ!

 わいも買うぞっ!」

もう1人の鑑定持ち商人から鑑定内容を聞いた商人がね。


そうなるとさぁ、他の商人たちも黙ってない訳で…

収拾が付かなくなったので、急遽オークション形式でな。


いやな、薬の元となる薬草は、種や根から俺が魔術にて生やした薬草なんだわ。

魔力水や聖水も、俺の作ね。


むろん、錬成したのも俺だし、調合したのもな。

つまり、元手は只だよ。

えっ?種や根はって?


そんなん、近場の森で採取して来たわさ。

調合を行う薬師が薬草を見分け出来んなんぞ有り得んかんな!


そんな元手只の商品が高値で落札される訳で…ナバトが唖然ってね。

いやいや、こういう時こそポーカーフェイスだよ、ナバト君。

修行が足りんねぇ~

などと思いながら傍観してますが、なにか?


用意した品がさ、瞬く間に捌けてしまった訳で…売り切れご免ってね。

ポーション類は完売なので、その在庫はゼロ。

初日からかよ、をいっ!


まぁ、俺が調合して補充すれば良いんだけどな。

俺が植え木鉢の土へ魔力、霊力、気力を注ぎ土壌改善を行った上で薬草を生やす訳だ。

種や根を取る鉢と収穫用の鉢の薬草を魔術にて超促成栽培し、数分後には収穫ってね。


収穫した薬草を錬成し薬効成分を抽出、適切な薬液を適切な量にて調合ってか。

調合時の温度管理も怠りませんよ、ええ。


オークション修了後に小屋でポーションを作った訳だが、流石に此処での販売は行いません。


調合を終えると晩飯時となってたよ。

欠食童子の如く腹を空かせた3人がダイニングでヘバッてたよ。


いや、今が飯時だよね?

なんで、そがぁに腹空かしとんの、あんたらはさぁ?


仕方がないから豪勢にステーキとしますかね。

ラッシュル・ブルの良いとこが手に入ったらんだわ。


これだけ良い肉だとさ、小細工は不要ってね。

両面を含む肉の表面を強火で焼き、後は弱火で肉へ火を通す。


焼き上がりにフランベし、それへ塩胡椒とセユを少々。

牛肉にはセユ、これは鉄板ね。


後はフライパンに残った肉汁へフレッシュバターなどを加えてソースにし、それを熱々のステーキへと。


口直しのフレッシュサラダも忘れずに。

ここでライスと言う穀物と大蒜(にんにく)をステーキを焼いたフライパンで炒めたガーリックライスもさ。

こいつが、意外と泣かせやす。


その出来上がりが…なんと言うことでしょう!

出来立てが空間内に有るではありませんか!


ってことで、それらの品を食卓へと。

いやね、3人とも貪るようにさ。

ちと、落ち着いて食わんかぁいっ!


喉詰まらせ掛けて、添えたコンソメスープを慌てて飲んで、火傷して…

阿呆か?


まぁ、治癒してやったけどさぁ。

困ったヤツらだよ、本当にさ。


飯を食った後は茶を飲みつつ寛ぐことに。

小屋と馬屋には結界が施されているため、魔獣だろうが、盗賊だろうが、踏み入ることは出来ない。


なにせ、ゼリン導師が深山や密林へ素材を集めに向かう際に使用していた代物だ。

あそこへ現れる魔獣は獰猛かつ強烈なヤツばかりらしい。

そんな生き物を寄せ付けない代物だから、此処ら辺ではオーバースペックにも程があるとも言えるな。


だから夜警を行う必要もない訳で…グンナイってか!

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