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そんなに難しいもんかね?


「ま、余りまくってからさ、別けるのは構わんが」

そんなん言いつつ狩ったウサギを空間魔術にて格納ね。


これって無生物なら認識範囲内の物を瞬時に出し入れ出来るから便利なんだわぁ~

魔導具の拡張袋の場合、格納する物に触れている必要があるからなぁ。

空間魔術は動かんで良いから便利ですたい。


俺が狩ったウサギが瞬時に消えて、皆が驚いとるな。

ドヨドヨ、ザワ、ザワザワってね。


ま、それは置いておいてだね。

「で、おっちゃんさぁ。

 幾ら出してくれるのかな?」ってね。


血抜きと解体が終わった肉をね。

内臓も不浄な部位は全て取り去ったクリーンな状態ね。

寄生生物は空間魔術内へ入った際に死滅してます。

菌類は生きてんだが、空間内で分離済み。

生でも食べれる仕上がりですよ、ええ。


「解体が終わったウサギを別けてくれるのかね?

 今狩ったウサギで良いんだが…」

「ん?今狩ったウサギだよ、これ」

「はぁ?」


「だからぁ、空間内で血抜き、解体した肉なの!

 内臓も不浄な部位は除去済みね。

 寄生生物や雑菌も除去してっから生でもイケるぞ、これ」


したらな。

「ま、マジだ…(すげ)ぇ」っう人がさ。

うや、鑑定できる方が居たみたいだね、羨ましい。


魔力持ちの商人にはアカシック・レコードと言う世界の記憶図書館へアクセスできるそうな。

そのライブラリーより得た知識を元に物を鑑定できるんだと。

これは俺には出来ないんだよねぇ~

実に、実にぃ~羨ましい。


その内、身に付けてやっからなっ!けっ!


「この肉は、それほどの物だと?」

「間違いありませんな。

 私が鑑定しても同様でしたので」


あや、鑑定持ちが、更に居たようだね、珍しい。

鑑定できる商人は少なく持て囃される人材。

大概は街や村から出ないんだけどねぇ。


でぇ、ダムラが狩ったウサギも含め肉にして提示。

ナバトが商人たちと交渉して売り捌きましたよ、ええ。

分け前は、俺、ダムラ、ナバトの3人でね。

ルージュ?なにもしてないのに分け前はねぇ…


「なんかさぁ、ダリルの分け前が多くね?」

ダムラが不服気にさ。


「それは仕方ないよね。

 ダリルが持ち運んで、血抜きして、解体したんだよ。

 しかも、あんなに清浄な肉なんて、普通は有り得ないからね。

 僕の交渉も品物の品質に助けられてたしさ」


ナバトが告げると、ダムラも納得したのか黙ったな。

っかルージュ?

今からウサギを狩っても売れないから止めなさいね。


3人でルージュを宥めてから馬を馬小屋へとね。

その後で荷馬車を空間魔術で格納し、小屋へ。

入ったらさ、3人が固まるんですけど…どったの?


「ねぇ、ダリルさぁ」

「ん?どうした?」

「この小屋って…魔導具?」

そんなことをね。


「ん~っ、空間拡張してあるから、魔導具だとも言えるかもな。

 ゼリン導師のお下がりだから、そうかもしれん」


そったらな、ナバトが呆れたようにな。

「ダリルさぁ、この小屋の価値知ってんの?」って尋ねてくっからさぁ。

「知らん!」って答えたら呆れられたよ。


「いやいや、ゼリン導師が最新型を買って処分に金掛かるからって押し付けられたんだからなっ!

 最新型は魔石併用型だから魔力持ちでなくても魔導具を使用できるんだとさ。

 空間も、こちらより広いそうだぞ」

「へ~っ、そうなんだ…って、ん?

 それって変じゃない?

 魔石可動式の魔導具なんて普通に普及してるよね?」


言われてみれば確かに…どゆこと?

この野営地で屋台を開いているおっちゃんも、魔石を使用した魔導具である魔導コンロや魔導シンクを使用している。

この調理具の普及で屋台を開くのも容易くなっている訳だな、うん。


このように一般化された魔導具が小屋へ付けれるからといって買い替えるか?

なんか釈然としないかも。


昨日はお下がりで貰えるってことで、深くは考えなかったんだが…言われてみると変だぞ、これ。


「小屋を貰う時の状況って覚えてる?」

ナバトに訊かれて昨日のことを思い出してみる。


「確か…最初は空間容量が足りないって断ったんだよ。

 したらさ、変な魔導具で測定されたんだ。

 その後で、大きめで赤い魔石を空間へ入れろって言われて入れたぞ。


 その後、暫くして魔導具測定されたな、うん。

 でぇ、ゼリン導師が譲渡可能だって言うからさ、空間魔術越しに譲渡されたって訳だ…って、ん?

 もしかして…あの石が原因?」ったらな、ナバトが溜め息をさ。

幸せ逃げるぞ?


「ダリルさぁ、魔石で空間拡張可能って知ってる?」

そんなことをな。


「へ~っ、知らんかった。

 なら、空間拡張し放題?」


「絶対に遣ったらダメだからねっ!」

ナバトが咎めるように。


「おおぅ、なんか知らんが、分かったよ。

 っか、ゼリン導師にも魔石や魔晶石、魔結晶を空間へ入れないように言われてっからさ、遣らんよ。

 っか、なんかあんのか?」


「僕が拡張袋を欲しがってるの知ってるよね?」

「ああ、何回も聞いてっからな」

「その拡張袋なんだけど、魔石で拡張可能なんだよ」

「へぇ~っ、そうなんだぁ~」

「でね」

「ん?」

「拡張限界を超えると拡張袋が崩壊するそうなんだよ。

 魔術師の空間魔術かどうか知らないけどさぁ…魔石を使った拡張って…危険じゃない?」


言われて、ぞぉ~っとしました。

あの検査って拡張可能か測ってたのか?

知らずに魔石系統を空間に仕舞ったら…恐ろしいっす!

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