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「良かろうて、では次じゃ」


当然のように(のたま)う親方を思わず怒鳴る俺。

「次じゃねぇわっ!」

「んっ?どないした?」


だぁ~らぁっ(だから)!当然のように手伝わそうとすんじゃねぇ!

 これからゼリン師の所へ行くっつぅーてっだろーがぁっ!」


すると親方がキョトンとした顔でな。

「そうであったかのぅ?」などと。

いや、絶対に確信して惚けてるよな、をいっ!


「なら、これは明日にするわぇ」などと。

「をいっ!」

「なんじゃ?」

「来た時に言ったが、明日からしばらくは街を離れっからなっ!

 手伝えんぞっ!」

「ほうじゃったかぇ?」っと、方耳を穿(ほじ)りながら…

「まぁなんじゃ、行商の付き添いじゃったかえ?

 そがなん、放って手伝いに()んか」


「そう言う訳に行くかぁぁっ!」

まったく、このオヤジは…


朝から他所でも同じような遣り取りばかりで疲れてしまうぜっ!


朝一で教会へ向かいミサの手伝いと礼拝、隣接の治癒院で患者を癒した後に聖水を作った。

まぁ、朝の日課だな。


で、司祭様に引き止められ…1回目だ。


次に、おババの所へ。

調薬と錬成をな。

それを終えたら、おババにな…2回目。


そして製錬所へと向かい、鉱石から貴金属を錬金。

所長のガルグさんから…3回目。


そして鍛冶屋にて鍛冶を手伝い終えた所だな。

んで、鍛冶師のドルツ親方に…4回目


いい(いー)加減疲れるつぅーのっ!


これも成人前の適正入門騒ぎのせいなのだが…


成人になる前には己の適正を調べるため、様々な職種へ短期入門するのが、この国の慣わしなんだが…

たまに複数の職種へ適正を持つ者が現れるんだ。


うん、俺だな。

特に霊力系、魔力系、気力系の3系統あり、系統別に複数というのが普通なんだが…全系統へ適正が有ってだな。

まぁオールマイティーと言えば聞こえは良いが、器用貧乏とも言える。


だが、周りは器用貧乏とは取らなかったようで勧誘がなぁ…

一応は話し合いで、教会、薬師、製錬所、鍛冶屋、魔術院、兵舎の6ヶ所へ入門扱いへと。


毎日ではなくローテーションにて通うことになったのだが、今日みたいに5ヶ所が重なることもな。


っと言うのも俺に空間魔術適正があり、馬車2台程度の荷物を持ち運べるからでもある。

いや、これは最近に魔術院の蔵書を調べ面白半分に試したら可能だった訳で…

それを知られてしまった訳だ。


いやな、調薬に聖水や魔力水を使用する場合があり、教会から聖水をおババへと。

おババの所で俺が作っても良いんだが、なにかと取り決めでな。

魔力水は、おババも作れるので、おババの所で作っても問題はないんだ、でも聖水はダメな訳で…


そして、鍛冶で使う薬液を受け取り製錬所へな。

様々な鉱石から、それぞれの金属を錬金にて抽出。

適切な割合にて混ぜ合わせた合金をな。


できたインゴットを持って鍛冶屋へと。

んで、親方と鍛冶を行い魔導具の部品もな。


その部品を収納したので、次は魔術院へだな。

魔術院へ着いたら魔導具作りだろう。

たまに導師の手伝いをさせられるが…ふぅ。


まぁ、これも俺が1つに絞ってしまわないのが悪いんだが…それぞれに学べることがあって絞れねぇ~んだよっ!


知ろうと思っても適正が無ければ無理なことが多いんでね。

いや、適正が無くてもなれる職種はある。

僧侶や薬師に鍛冶師、それに兵士だな。


だが僧侶は聖霊力が無ければ病や怪我を癒したり聖水を作り出すことも、ましてや不浄な者を祓うことも出来ないであろう。


この霊力には精霊力もあるそうだ。

精霊力があれば精霊を感じられるのだとか…あ~、うん、火や水、風などからとか、草木から、なんとなく…な。

これって、ヤッパリ精霊力なんだろうか?


魔力は魔術を行使したりする力だな。

地水火風の四大元素もだが、他にも世の(ことわり)に干渉して事象を捻じ曲げる力だ。

俺の空間魔術などだな。


魔導具や魔力水などにも魔力が必要で、事象へと干渉する錬成や錬金にも用いられる。


ちなみに動植物より成分を抽出し精製や合成などを行うのを錬成、それを金属に対し行うのを錬金と言うらしい。

これは別々の才能であり、両立できる者は希有なんだとさ。

つまり…俺って凄い!?


そして気力なんだが…これは生命力と言い替えても良いのかもしれないな。

肉体を強化する内気、体や武器を強化する鋼気、体外へ放出する放気の3系統がある。

全てを行えるのは珍しいそうなんだが…全部できましたが、なにか?


まぁ、ことが発覚して大騒ぎってな。

数十ヶ所から入門のオファーがさ。

いやいや、まだ学徒の身なんだから、無理さね。


親父が街の第12警備隊の隊長だから兵士と決め付けるのは如何なものかと。

そんなん言ったらアータ、兄貴は騎士見習いだから俺も騎士見習いかね?ったら黙ったよ。

兄貴、あんがと。


で、すったもんだ有ったが、今の形に落ち着いたのが1ヶ月前ね。

入門は卒業の半年前からだが、入門先を選ぶのは最終学年になって直ぐ。

で、特例で学園へ通いつつ入門してる訳だな、うん。

今は夏休みと言うヤツで、入門先に呼ばれまくってる感じだな。

いや、少しは遊ばせろっ!

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