第60話 魔物廃棄場
前回のあらすじ
・イベントの告知だぜ!
・超次元野球だぜ!
ログインしました。イベントの告知が出た翌日、エントリーはもうできるようで俺の拠点があるウノの街の冒険者ギルドはプレイヤーの姿を多く見かけることができた。俺も早速登録してイベントに備えよう。
「冒険者ギルドへようこそ」
「どうも、第2回イベントの参加登録をお願いしたいんだけど頼めるか?」
「はい!もちろんです!こちらの用紙、またはメニューの専用ページから参加するチーム名と参加する選手の名前を登録してください。今回のイベントは従魔やテイムモンスター、それから英霊の参加も可能となります。また、一度に出場できる選手は9人ですが、1チームの最大人数は20人となります。参加締め切り後の選手の変更は本戦まで出来ませんのでご注意ください。」
へぇ、英霊も参加できるのか。俺が召喚できる英霊は全部で9人。俺を含めて10人なので余裕で参加できるな。レイはどうするんだろうか?レイのパーティーで参加できればいいけど方向性が違ったら俺の方に来るかな?まだまだ参加申請の時間はあるから一応保留しておこうかな。
参加申請用紙をもらった俺はギルドを後にする。メッセージを見てみても誰からも連絡なし。ランザもルビー君も俺の依頼した装備の作成に勤しんでくれているのだろう。ここは急かさずゆっくり待つかな。
さて、やることもないのでひとまず鬼ヶ島に直行。出てくる鬼とひたすらに殴り合う。この鬼ヶ島ではゴーレム相手に無双した【手品】のスイッチは残念ながら通用しなかった。スキルの発動自体は出来たけど、奴らの持っている装備品、とんでもなくレアリティが高いみたいでそれに見合うものが用意できなかった。
要するにここはプレイヤースキルを磨く場所だからズルしないで戦えってことなんだろうな。今日も今日とて鬼どもと戦い、ボコボコにされて死に戻る。うーん、やっぱり高レベルの鬼はステータスが全然違うな。俺より高いステータスのやつが技術まで身につけ始めたら勝ち目がねぇな。結局いつものようにレベル60前後相手に苦戦してその次で死ぬな。
「やっぱりレベリングするかねぇ」
今の所【鬼】の称号をこれ以上保有する気は無いけどこの前の【天下無敵】みたいに適正レベルより上を倒さなきゃ手に入らない称号がまだまだあると考えるとレベルをあげていいものかと悩む。
でも結局、レベルをあげないことにはここから先、トッププレイヤーから没落してしまうのでいよいよレベリングに励むとしますかね。ちなみに俺のレベルは現在47。ここ連日のトレスのダンジョンの攻略で適正レベルは英霊に任せて経験値がほとんど入らないエリアで戦ったけどそれでも累積があったんだろうな。
やっぱりレベリングにはトレスのダンジョンだろうと思い、転移で向かう。そして俺の眼に映る超絶人混みのトレスのダンジョン。あー、イベントの告知があったからここでみんなレベリングするのか。はてさてどうしたもんかね。
結局、あまりの人混みに嫌気がさした俺は一旦ウノの拠点に戻る。さらにそこから神殿の転移陣を使ってブレイバー帝国に転移する。
もちろん目指すはアリーシャ召喚院。一度訪れてからレベル不足を痛感したためどうも足が遠のいてしまっていたのだ。しかし現状、レベリングポイントが人でごった返してる以上、ここに頼るのが一番いいはずだ。
そんな訳でアリーシャ召喚院の本部にやってきた。ここだけ文明がぶっ飛んでるような場所なので自動ドアを潜って本部の中に入る。
「本部へようこそ桃さん。本日はどうなさいました?」
「あれ?俺名乗りましたっけ?」
総合カウンターと書かれていた受付に進むとオペレーターっぽいマイクを装着した女性が名乗ってもいない俺の名前を呼んで要件を聞いてきた。
「いえ、ですが私たちサポート科は召喚騎士の職業に付いている方のバックアップが主な業務になりますので召喚院に所属している召喚騎士の方は一通り把握しております。それに桃さんは来訪者で唯一の召喚騎士に着いた方です。当然、こちらとしても注目しておりましたゆえ。」
「あ、そうなんですか。それはありがとうございます?」
どうやら俺は注目の的みたいだな。こんなに強大な組織で注目の的とか正直やめてくれーって感じよ。だって俺、弱いもん。
「いえ、業務ですから。それで、本日のご用件は?」
「えーっと、トレスのダンジョンが来訪者でごった返してて経験を積むのに支障をきたすようになってきたのでどこかいい場所の情報が無いかな?って思ってきました。」
変にごまかして目的が伝わらないといけないのでここは素直にレベリングがしたいですーって伝えることにする。
「失礼ですが桃さんのレベルはおいくつですか?」
「47です」
「47ですか・・・えーっとそれだと当召喚院が管理、把握しているダンジョンはおすすめできません。適正レベルがもっとも低くてもレベル80は必要ですから。」
「うーん、そうですか」
どうやら俺には召喚院のコンテンツで遊ぶにはまだレベルが足りなかったようだ。仕方ない。あの激混みのダンジョンに並ぶか、王都のギルマスでも締め上げて手頃な魔物がいる場所でも聞くか。
「ですが、経験を積む以外の素材等の副次要素を全て無視するのであればご紹介ができますがいかがなさいますか?」
お、朗報。要するに素材は手に入らないけど経験値だけは手に入る場所を教えてくれるのか?鬼ヶ島の逆バージョンみたいな感じだな。今の俺からして見ればもってこいの状況だ。断る理由は存在しない!
「よろしくおねがします!」
「ではこちらの書類をどうぞ。」
カウンターのお姉さんから渡された書類に目を通す。
「廃棄魔物の処理?」
「はい、そうです。当召喚院では人類の恒久的な平和を目標とする一環として魔物の生態調査を行っております。例えばゴブリン等のランクの低い魔物が高レベルとなった場合、ステータスはどのように変化するのか、と言った内容です。その研究の中には突然変異種の研究や魔物の進化を調査している部門もあり、そこでは日々魔物の処理に追われております。」
「なるほど、俺の仕事はその廃棄される予定の魔物の処理ってことですね?」
「その通りです。ただ、先ほども申し上げました通り魔物ランクそのものは低いために大した素材を手に入れることができません。それでもよろしいですか?」
「はい、大丈夫です。」
「わかりました。ではそちらに記載の建物に向かってください。担当者にはこちらから連絡しておきます。」
「よろしくお願いします。」
本部から出て街の中心部から離れたところにある研究棟に足を運ぶ。さっきの話の内容からしてなんとなく獣臭のする衛生環境の悪いところと野外、言うなら牧場みたいなところを想像していたのだが当てが外れたな。ここは言うなら大学の研究室みたいだな。
自動ドアを通る。目の前に警備員らしきガタイのいいおっさん2人と受付があった。その受付でさっき本部でもらった紙を見せるとVISITORの入棟許可書をもらいどこからともなく出てきた別の警備員らしきおっさんに案内されて廃棄場にたどり着いた。
「おお!待っていたよ。君が連絡にあった来訪者で召喚騎士になった異端児くんだね?」
俺を出迎えたのは白衣をきたテンション高めなおっさん。初対面でいきなり異端児とか失礼なことを言いやがる。それに女性キャラじゃ無いのかよ。興味ないな!
「私はここ魔物廃棄場の責任者のラルラルだ。いやー、最近はこの仕事を引き受けてくれる人がめっきりいなくなってね、私が魔物の処理をしなければならなかったのだよ。研究の時間も取られるし疲れるしでずっと前から代役を探していたんだよ!ほんと助かるよ!」
なんだと?このおっさんが1人で魔物の廃棄を担当していた?このおっさん、見かけによらず強いのか?
「話によると君のレベル47だと言うことだ。ならば研究員の手に負えなくなってくるレベル30ぐらいから任せたいのだがいいかね?」
「あぁそれは構わないが・・・」
「よしそれじゃあ早速始めよう!さぁ、入って入って」
ちょ!このおっさん人の話を全く聞かねぇ!それに力が強い!背中をグイグイ押されて踏ん張っているのに全然抵抗できない!
「あ、そうだ、言い忘れたけど、ここの施設の壁と床は特殊な素材で出来ていてね魔物が暴れても大丈夫なように武技と初級以上の魔法を拡散させる力場が発生しているんだ。強力な魔物はいないけど、それだけは注意してね。」
「おい、待てこら!そう言うのは早「はい、それじゃあ魔物投入開始ー」く言えよ!」
俺の叫びを一切無視しておっさんが何かのスイッチをおす。すると天井が開いて急に魔物の気配を察することが出来た。ちくしょう!あのおっさん、いつか絶対にぶちのめす!
「でも、条件は鬼ヶ島と一緒か。あっちでは1対多なんて出来なかったからいい訓練になるか。よっしゃ!いっちょやってやら!」
俺が武器を構えると同時に、穴の開いた天井から大量の魔物が降ってきた。
えー、前回の感想で超次元野球の漫画やアニメをたくさんの方が書き込んでくれました。でも、一個も知りませんでした!!!(世代がバレますね!)
みなさん、一度ぐらいは魔球とか魔振(の類)は考えたことあるでしょうか?僕の考えたさいきょうの魔球・魔振募集します。過去の黒い思い出を今こそ解禁してください!!!作者も魔球はいくつか持っておりますゆえ。




