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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第56話 トレスのダンジョンー5

前回のあらすじ

 ・ミノタウロスの霜降り肉

 ・フレイウルフ襲撃

 ・レイの進化

 フレイムウルフとの戦闘を終えた俺たちは21階の探索を進める。どうやらこの階にでてくるのは属性を纏ったウルフ系の魔物のようだ。これまでにフレイウルフ以外にもアイスウルフやサンダーウルフ。変り種ではリーフウルフなんていうウルフまででてきた。


 レベル的にはこの辺がちょうどいいのだがどうしてもウルフがその身に纏っている属性によってレイがダメージを受けるのでどうしても数が稼げない。フレイウルフのブレスを無効化していたスキルはゲーム時間で1日が経過しないと使えないそうなのでどうしても一戦ごとに回復しなければならず効率が落ちてしまう。


 さらに2〜4体ほどの群れででてくるとはいえ、俺が【鬼】の称号を手に入れた時とは違って連続で出てこないためにどうしても時間がかかる。【鬼】の称号の獲得条件が1000体の連続討伐と結構ハードなためにこのままでは時間がかかりすぎるということで方針を変更。


 回復の手間を減らすために属性ウルフ系が出てくるであろう21階から25階を抜けて、その下の26階以降の魔物の様子を見に行くことにした。もし多少レベルが上でも攻撃ごとに受けるダメージがない方が効率がいいと判断したのだ。


 そうそう、21階以降は洞窟の広さが一回りほど広くなっている。さらに適正レベルが50以上とかなり高いため、プレイヤーの探索の手が十分に入っていない。そのために行き止まりや小部屋に宝箱をいくつか発見することができた。


 「ふんふーん、ふーん、ふふふーん。」


 俺の後ろを歩くレイの機嫌がすこぶる良い。その理由は今さっき説明したように発見した宝箱の中身にあった。


 その前に、俺が常時発動していた【探索魔法】、ここにきて罠の殺意と発見難易度が跳ね上がったせいでスキルレベルがガンガン上がっている。最初は罠感知だけだったが今では罠感知、罠作動、罠破壊、罠解除、宝箱察知、解錠が使えるようになっている。そして現在のスキルレベルは28。このまま行けば30でも何か覚えるかもしれないな。


 さて、前置きはこれぐらいにしよう。俺のこのスキルで宝箱を感知して、罠の有無を確認して、さらに仕掛けられていて解除不可能だったモンスターハウスをルシファーが一撃で粉砕してようやく宝箱を3つほど開けることができた。


 そこで得られたのが装備が3つ。1つが戦乙女のレイピア。もう1つが聖戦士の軽鎧。そして最後の1つが韋駄天靴。それぞれの性能がこれだ。


 戦乙女のレイピア レア度5

 物理攻撃力 100

 魔法攻撃力 100

 スキル 【刺突強化:中】【光属性強化:中】【闇属性弱体:中】

 歴戦の女戦士が好んで使ったレイピア。魔法との親和性も高く、その扱いには高い技術が求められる。


 聖戦士の軽鎧 レア度5

 物理防御力 100

 魔法防御力 100

 スキル 【物理耐性:中】【魔法耐性:中】

 神に仕えるとされた聖戦士が身につけていた軽鎧。時間の経過によって装備の職業制限は消えたがその性能は未だ健在。心の悪しきものが装備すると全ての数値が反転する。


 韋駄天靴 レア度5

 物理防御力 10

 魔法防御力 10

 AGI +50

 スキル 【コーナリング】

 履けば韋駄天のように駆けることができるようになる。コーナーで差をつけろ!


 若干韋駄天靴の最後に不穏なメッセージがあったが気にしないことにしょう。・・・そういえばIWOを運営している会社に某靴メーカーが出資してるって噂があったようななかったような。


 それはともかくとして、これらの装備は俺には合わない。韋駄天靴だけは迷ったけど急激にステータスが上がるのは俺には向いてないとうことでレイに全てを進呈することにした。


 レイいわく、ここで手にれた装備はプレイヤーメイドの最高峰よりも性能が上。さらにこのレベルの装備を購入するとなると結構な額が飛んでいくそうで、ポーションや手入れなどで散財する戦闘職のプレイヤーには手が出ない代物だそうな。


 それをこうしてダンジョンで獲得できたのだからレイのテンションも上がるってもんだ。それにステータスが上がったことで【鬼】の称号にかかる時間も短縮できるしな。いいことずくめなんだろうよ。


 上機嫌なレイが試し切りと言ってダークウルフに特攻を仕掛け、MPを吸収されてやられそうになるハプニングが起きながらも順調に進み、ついに25階のボスフロアにたどり着いた。


 「流石にここから先の情報はないよ。何が出てくるかわからないし、全力で行こう。」


 どうやらレイぺディアの情報も切れてしまったようだ。流石に召喚院の連中よりは弱いだろうが前情報がないのは流石に危険が伴う。ここはどんな状況にも対応できるようにするかね。


 「フェルド、クリスタ、ルーセント、ヴィクティム召喚。」


 俺は召喚していなかった残りの六英雄神を全て召喚。さらに自分自身に各属性のフォースを発動しておくことにする。


 「準備はいいかい?」


 「もちろんだ」


 「じゃあ扉を開けるよ」


 レイが扉に触れるとギーッと重たい音を立てて扉が開く。部屋の中に足を踏み入れるとバタンと扉が閉まり、魔法陣が出現。光を放つ魔法陣から召喚されたのは自分の周囲に6つの水晶を浮かべた巨大な狼だった。


 その狼が放っているプレッシャーはこれまで戦ってきた魔物の中でも上位に位置する。しかも強者の奢りなど一切見せずに、全身全霊をかけて俺とレイという侵入者を排除しようとしているのが伝わってくる。


 「っと、これは流石にやばそうだね。」


 レイがこめかみから冷や汗を垂らしている。うん、俺もこいつはやばいと思う。鬼ヶ島を除けば過去最悪な状況だな。


 俺は【百科事典】を発動して少しでも情報を読み取るとしよう。どうせ細かい内容なんてレベル差で弾かれるから見ようと思っても見れないしな。


 レインボーウルフ Lv68


 【百科事典】で見てみた結果がこれ。正直言ってこれじゃ何もわからないに等しい。強いてわかったことをあげるとしたら向こうが圧倒的に強者ってことぐらいだな。


 『とりあえず、これでも食らいやがれ!』


 俺とレイがレインボーウルフの放つプレッシャーに気圧されている間にフェルドが動いた。さすがは世界を救った六英雄の英霊。この程度の威圧だと怯むことすら無いようだ。まずは挨拶代わりと言わんばかりに炎を纏った斬撃を飛ばして先制攻撃を仕掛けた。


 『なに?』


 しかしフェルドの攻撃はレインボーウルフの周囲に浮かんでいる水晶の1つに吸い込まれ、レインボーウルフに届くことはなかった。


 『だらしないわねフェルド。攻撃はこうやってやるのよ』


 フェルドの攻撃が通用しないとわかると今度はクリスタが水の龍を生み出してレインボーウルフへと攻撃を仕掛けた、


 『はあ!?』


 しかしこれも通用せず。フェルドの攻撃を吸収したのとは別の水晶がいとも簡単にクリスタの放つ水の龍を飲み込んだ。


 「桃、まさかとは思うけど。」


 「あぁ、多分そのまさかだ。そうなるとこの手のギミックを破る方法は絞られるな。ヴォート、アルバセロ、ルーセント、ヴィクティム、一斉攻撃だ!」


 おそらくあのレインボーウルフの能力は魔法・・・いや、ここは最悪の場合で考えると属性攻撃の吸収。そしてその吸収を担うのが周囲を飛んでいる6つの水晶なはずだ。そして6つということは基本属性の6属性に対応していると考えるのが自然だ。


 この手の能力の敵を打ち破るには複数属性で同時に攻撃する、6属性以外の属性で攻撃する、それかあの水晶を破壊する、それから吸収限界まで攻撃を打ち込み続けるの4パターンがセオリーだろう。


 まぁ、MPという制限と英霊の攻撃をあっさり吸収したことから考えても吸収限界までぶち込むのは不可能。それに吸収した属性攻撃をどう使うかも不明なので打ち込み続けるのはリスクが高すぎる。なのでまず最初は複数属性での同時攻撃を試したってわけだ。


 風が、石が、光が、闇が一斉にレインボーウルフに襲いかかる。その一撃一撃はレベル50程度の魔物であれば一撃で致命傷を与えるぐらいには強力だ。


 しかし迷宮のボス、しかもレベル68の圧倒的な猛者。さらに魔法を吸収する水晶持ちのレインボーウルフには通用しなかったようだ。襲いかかった攻撃の全てが水晶に吸収されレインボーウルフに届くことはなかった。


 「やっぱり無理か。これは上位属性か水晶破壊、それか物理で倒すしかねぇな」


 「そうみたいだね」


 なんてことをレイと話しているとレインボーウルフの口が大きく開いた。【危機察知】がけたたましく警鐘を鳴らす。次の瞬間には水晶とレインボーウルフの口からおぞましいほどの魔力の塊が俺たち目掛けて放たれた。


あと1話か2話でダンジョン編が終わるかな〜と思います。



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