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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第42話 召喚院

前回のあらすじ

 ・召喚院に転移します

 ・やばいやつらばっかりです

 ・人間が濃い!



 「やめないか2人とも。客人の前だぞ。」


 ヒートアップする2人をレオンが宥める。この様子からすると召喚老の3人の間にはそれほど権力差みたいなのが感じられない。なんて言うか幼馴染のコントを見せられている感じがする。


 レオンの仲裁で渋々、本当に渋々(スタンに至っては舌打ちまでしていた。もちろんミーナも不服そうに、視線で人を射殺さんばかりにスタンを睨みつけていた。)矛を納めてくれた。


 「だいたいよ、なんで俺様が来訪者のクソザコ相手にわざわざ顔を見せなきゃなんねぇんだよ!俺はお前たちとは違って忙しいんだよ!おい!そこのお前!来訪者だろうが六英雄を召喚しようが雑魚には変わりねぇ!俺様の邪魔だけはするなよ!」


 言いたいことだけさっさと言うと荒々しくドアを開けて出て行ってしまった。


 「レオン様、私も失礼します。」


 俺がそのあまりの態度に呆気に取られていると、まだ紹介されていない幹部らしく人の1人。濃い紫色の髪をした忍者のような風貌をした男がすかさず立ち上がり出て行ったスタンのあとを追った。


 レオンもそのほかの幹部もみんなそれがわかっていたのかそれを咎めることは一切なかった。


 「身内のみっともないところを見せてすまなかったね。スタンの態度は昔からあぁだから心配してないでくれ。そして今スタンを追って出て行った男がスタン直属の部下のユライだ。まぁ、あんまり関わることはないかもしれないけどな。」


 うん、できれば俺もスタンとは関わりたくないな。


 「それじゃ紹介を続けよう。こちらにいらっしゃる方が俺たちアリーシャ召喚院の屋台骨、技術開発局局長のエルモだ。君も召喚騎士として生きて行くのならエルモの力は必要不可欠となる。」


 「やぁ、僕がエルモだ。君とは君が初めてこの世界に来た時に通信で少し見かけたよ。どうやら曲がらずにここまで来れたようで結構。あとで僕の研究室に来てくれ。データを取りたい。レオン、あとで誰か寄越してくれ。桃の戦闘力を測る。」


 エルモと呼ばれた青年はぱっと見は17歳ぐらいでレオンより年下に見えるが、まさかのレオンにタメ口。むしろレオンの方が下っぽいな。不思議な人だ。


 「わかりました。」


 「じゃあ僕は準備があるからお先にお暇させてもらうとするよ。それじゃあ桃、またあとで」


 そう言うとエルモは部屋を出て行った。俺の許可なく戦闘力のデータを取ることが確定したようだ。


 「エルモは極めて優秀な技術者なんだ。俺がまだ見習いだったころ召喚院にわずか5歳で入ってきて瞬く間に成果をあげ、10歳になる頃にはエルモのための部署ができた。エルモは天才なんだよ」


 ふむ、どうやらエルモもとんだ人外のようだ。っていうかまじで見たまんまの年齢かよ!恐ろしいなここは。


 「残りはカインと一緒で討伐隊の隊長をしているレセウスとウォレンだ。」


 「レセウスだ。」


 「ウォレンっす!」


 レセウスと呼ばれた方は無表情系イケメンで銀髪。ウォレンと呼ばれた方は黄色の髪によく日焼けした浅黒い肌。言葉遣いからして脳筋系スポーツマンタイプなんだろうなーと予想。


 「そして最後が」


 ここまでレオンが言った時、なんの前触れもなく最強の召喚騎士様が俺の目の前に現れた。嘘だろ!?最後にって言ったから俺は最強さんの方に注目してたんだぞ!?それなのに、全く反応できなかった。


 言うならば意識の合間をくぐり抜けて、いつの間にかそこにいたって感じだ。こればかりは体験してもらわなければわからないかもしれない。この時すでに俺の耳にレオンの言葉は入ってこなかった。


 最強さんは俺の目をじっと覗き込んだあと、満足そうに一回頷くと俺の頭にポンと一回手を起きニカッと微笑むとレオンの方を向いて一回頷いたかと思うとあの転移扉を開いてどこかへと転移してしてしまった。


 <特殊イベント【最強への第一歩】を開始します>


 <称号【最強の召喚騎士の弟子】を獲得しました>


 まさかのここにきて特殊イベントとやばすぎる称号をゲット。これでまた人に言えないことが増えた。


 「そうか、あいつとは最初に会っているんだったな。なら紹介はいいか。それにもう行っちまったからな。あいつのことはまたいずれ話す機会があるだろうからその時に改めてするとしよう。

 一通り紹介が終わったところで今度は君の今後について話をしよう。召喚騎士という職業は英霊と言う古の時代に生きていた神格化された英雄の魂の力を借りて戦う職業だ。君も知っての通り英霊の力は極めて強大。力の振るい方を誤ればいとも簡単に国を滅ぼすことができてしまう。ゆえに全ての召喚騎士はここアリーシャ召喚院に所属してもらうことになっている。」


 ふむ、これは仕方のない話だろう。単独で一国の武力に相当する人間を野放しにするのはいろんな意味で危険すぎる。こうして世界の統治機構の役割を担う召喚院に所属していれば少なくとも個人への攻撃は減ると考えて良さそうだ。変な貴族とか居そうだしな。この世界にも。


 「アリーシャ召喚院の役割は主にこの前のスタンピードのようにその地域の冒険者の手に負えない事案やダンジョンの攻略などがあげられる。もちろん来訪者である君に他の団員と同じように仕事をしろとは言わないが何かあればこちらで仕事を任せることは承諾してほしい。その代わりと言ってはなんだが、福利厚生としていくつか召喚院所属の団員にはサポートがある。転移門の割引やエルモの装備品とかだな。」


 福利厚生か。考えたことなかったけどこの組織と拠点の大きさから考えてもっと価値のあることもあるんだろうな。まぁ、入らない理由はないな。


 「これが君のカードだ。受け取ってくれるね?」


 レオンから渡されたのは銅でできたギルドカードの類似品。そこには既に俺の名前が刻まれていた。カードをアイテムボックスに収納するとステータスが更新された。


 「そのカード、今は銅だがこれはアリーシャ召喚院の階級を示すものだ。切磋琢磨を促す目的で導入したんだ。階級は鉄、銅、銀、金、白金、金剛、そして召喚老だ。この階級にはもちろん実力による基準はあるが最低限のレベルも求められる。明確な基準は言えないが日々研鑽に励んでほしい。」


 「はい、わかりました」


 「いい返事だ。それじゃあエルモのところに向かうとしよう。他のみんなはここで解散でいい。あとは自由に過ごしてくれ。あ、ミーナはついてきてくるか?」


 「わかったわ」


 「畏まりました」

 「はい!」


 レセウスとウォレンとはそこで別れレオン、ミーナ、カイン、サーシャと一緒に召喚院の区画を歩きながらエルモの研究所へ向かう。その道中で俺はレオンから召喚院の団員が利用できる施設の説明を受けた。


 1、図書館。世界最大級の図書館で様々な国の歴史や伝承、英霊に関する資料、魔物に関する資料などありとあらゆる蔵書が納められている。考察班垂涎の施設。

 2、闘技場。召喚騎士専用の闘技場。日々団員たちが腕を競いあっている。ランキングは毎週更新されるそうだ。ちなみに連続首位記録ランキングはミーナだそうだ。


 3、未開拓地・ダンジョン支援ショップ。その名の通り召喚騎士の主な任務地である危険領域に対応した道具や魔道具を売っている店。品揃えは他の追随を許さない

 

 4、専用工房。召喚騎士は英霊と共に戦うために召喚騎士本人の実力も他の冒険者に比べると格段に高い。その力に耐えられるだけの装備を作るのがここ。魔剣や特殊能力のついた装備品でもなんでも作れるバケモノ級の工房


 5、遊技場。そのまま!カジノやスロットなどの遊び場。バニーガールはいない。


 他にも細々したところだと割引のきく食堂とかレストランとか色々あったけど主な施設はこの5つだ。もちろん本部やエルモさんの研究所もその施設に該当する。


 「さぁ、ついた。」


 レオンが入り口に自身のカードをかざすと扉が開いた。まさかの認証システム。ここだけ文明が高度すぎやしませんかね?


 レオンの後に続いて研究所の中を進み、広い中庭にでた。よく見ると周囲にはよくわからない無数の機械が設置されており、その一つのところにエルモがいてなにやらキーボードを叩いていた。ってPC!?この世界観で!?


 「よくきたね。こっちの準備もちょうど終わったところだ。早速だけど始めようか」


 エルモがなにやらボタンをポチッと押すとフィールドが展開された。


 「ミーナ、頼めるか?」


 「初めからそのつもりよ!来訪者は殺しても死なないってきくからちょっと本気で行くわね!」


 こうして俺の意見は全く聞かれないままに俺の戦闘力を測る試験が開始された。


追加

 銅級召喚騎士


特殊イベント【最強への第一歩】:六英雄神の英霊を進化させよう


【最強の召喚騎士の弟子】

 最強の召喚騎士がそれまでの道のりと英霊との信頼関係を認め自らの弟子をした者の証

 効果:英霊の信頼度上昇補正:極大



称号効果が強すぎるのでは?との指摘を受けたのでかえまひた

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 光の導き手ルークと討伐隊長のルーク名前同じだけど大丈夫ですか?
[一言]  主人公がこれからどんな風に成長するか楽しみです( ^ω^ )  あと前に一回自分が考えたレインボーランダムオーブのスキル内容を載せた載せたのですが、話の部分指定をして無かったのでもう一度…
[一言] ただでさえ強い英霊の戦闘力無条件10%はぶっ壊れ
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