表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
5/143

第5話 初戦闘

前回のあらすじ

 NPCと出会います

 またやらかします

 玲と合流します

 「草原を抜けた先にある森まで行こう。南の森なら今の所βテスター以外のプレイヤーで到達している人は少ないはずだ。」


 ギルドを出たレイが行き先を決めた。本当はその手前にある平原でゆっくりレベリングしてから先に進みたかったのだがレイが言うのならば付いて行くしか選択肢はない。


 早速南門を出て平原に出た。他にも門はあることにはあるらしいが冒険者ギルドから一番近いのは南門だ。なんていったって噴水の広場から南に向かって真っすぐ歩けばすぐに門に突き当たるからな!


 さて、レイと一緒に平原に来てみると、そこら中にプレイヤーの姿が見える。みんな考えることは同じなのかあちらこちらで獲物の奪い合いが発生している。こうなってしまえば少々難易度は高くても人の少ない少し先の森に進んだ方が効率はいいだろう。


 「桃君、せっかくだから戦闘してみたらどうだい?」


 ぼんやりと周りを見ながらレイの後ろを着いて行くと不意にレイの声が聞こえた。レイの視線の先を見てみるとそこにはギルドの依頼で見た角ウサギの姿があった。


 「いくら人が沢山いてもエンカウントするときはするんだな。」


 「まぁ、そこはゲームだからね。配信されたばかりだしある程度バランス調整はされているんじゃないか?それよりもどうするんだい?ボクがやってもいいんだけど?」


 「いや、ここはやらせて貰おうか。きっと森の中じゃ寄生になるだろうしな」


 レイのお言葉に甘えてここは譲って貰うとしよう。俺は腰に差していた剣を抜き上段に構えた。やはり力も弱く動きも遅い初期の初期だと変に自ら突っ込むのではなくカウンター狙いの方が効率はいいと思う。


 角ウサギの方はすでにターゲットを俺に向けたみたいで普通のウサギが跳ねるよりは早くこちらに向かってきた。だからといって初心者用のエリア、そんなとんでもなく早いわけではないので、慌てず避けることも受けることもせずに剣を振り下ろして迎撃を選択。


 この程度なら初見でもカウンターのタイミングは掴めるので首筋にキレイにカウンターが決まり角ウサギはポリゴンとなって消えていった。


 <角ウサギの肉×2を獲得しました>

 <角ウサギの皮×1を獲得しました>


 ふむ、十分余裕をもって倒すことは出来そうだ。残念ながらさすがにウサギ一匹ではレベルは上がらないらしい。


 「初戦闘にしては上出来じゃないか。」


 「まぁ、所詮は初心者用のエリアの敵だからな。ゲーマーの端くれとしてさすがにこのレベルでは初見でも楽勝だろ。」


 「それもそうかな。桃が平原でも十分やっていけそうだからここからは先を急ごう。流石にそんなことないとは思うけど、森までプレイヤーがやってきたらまた場所を移さなきゃならないしね。」


 レイの言う通りなので先を急ぐことにする。レイが何かのスキルでも使っているのか先ほど角ウサギを倒した以外では森に入るまで魔物に遭遇することはなかった。


 「さて、ようやく森についたね。さすがにまだプレイヤーの姿はないか。よし、ここからはレベル上げも兼ねて私も戦闘に参加しながら進もうじゃないか。レベル2になるぐらいまで進めばちょうど人気のない隠れ家的スポットに辿り着けるはずだ。」

 

 この辺りはβテスターのレイの方が今日から始めた俺なんかより何十倍も詳しいだろう。おとなしく後に着いて行くことにする。


 森の中は人がまだまだいないだけあってなんていうか生き物の気配が濃いような気がする。察知系のスキルは後回しでいいやと思ったが取っておくべきだったか?


 「桃、そこ。獲物だ。」

 急にレイが立ち止まり奥のほうを指し示す。その先を見てみるとオオカミが3頭、エサでも探しているかのように徘徊していた。


 鑑定結果にはウルフと名前だけ出ている。むぅ、まだ鑑定のスキルレベルが低いせいか名前しか分からんか。


 「さすがにあれを3頭同時には桃にはまだ荷が重いかな。ここは私に任せてもらおうか。」


 「そうするのが一番無難だな。βテスター様のお手並み拝見ってところだな。」


 「まぁ、見てなよ。『エンチャントウィンド』【加速】!」


 レイは魔法とスキルらしきものを唱えると俺の前から消えるようにしていなくなった。そして消えたと思った次の瞬間には腰に差した刺突剣ですでに3頭いたウルフの内、一頭が頭を貫かれポリゴンとなって消え始めていた。


 「『ウィンドボール』!」


 突然仲間を仕留められたウルフたちは全く反応が出来ていなかった。その一瞬の隙をついてレイは続けざまに魔法を放ち残った2頭のうち1頭を吹き飛ばした。


 残った1頭はそこで初めて目の前の人物が襲撃者だと気づき飛び掛かろうとした。


 「【加速】!」


 しかし、再びスキルを発動させ凄まじい速さを得たレイを捉えることは出来ずレイを見失った。この時レイはすでにウルフの後ろに回り込み魔法を発動させようとしていた。


 「『ウィンドボール』からの【一閃突き】!」


 背後に回ったのは最初に吹き飛ばしたウルフにもう1頭をぶつけて再び体勢を崩させて一撃で仕留めるためか。それで最後の技が刺突剣から派生した武技っぽいな。さすがはβテスター、無傷で完封しやがった。


 <ウルフの毛皮×2を獲得しました>

 <ウルフの牙×1を獲得しました>


 お、どうやら戦闘に直接参加していなくてもパーティーを組んでいればアイテムが手に入るっぽいな。

 

 さらに都合のいいことにウルフは初心者にはおいしい経験値なようでどうやらレベルが上がったようだ。ステータスも上昇してる。


桃 Lv.2

Fランク

職業 召喚騎士

 HP  85(+5)

 MP  170(+10)

 STR 16(+1)

 VIT 13(+1)

 INT 16(+1)

 MID 13(+1)

 DEX 13(+1)

 AGI 12(+1)

 LUK 16(+1)


  後、レベルアップでスキルポイントが2増えた。今の所は放置だけど時間があったら何か新しいスキルでも獲得してみよう。ステータスを確認しているとレイが戻ってきた。手には数本草が握られている。鑑定してみると薬草だった。抜け目ないやつめ。


 「どうだい?中々出来るだろう?」


 若干ドヤ顔をしつつ得意げな表情でレイが戻ってきた。確かにβテスタートッププレイヤーの名にふさわしい戦闘力とプレイヤースキルを見せてもらった。


 「そうだな。そのドヤ顔が無ければもっと良かったんだけどな。」


 「ま、まぁ、いいじゃないかそれぐらい。ところでレベルは上がったかい?私の方は上がったが。」


 「露骨に話を逸らしやがって…まぁ、俺も上がったな。これで二人そろってめでたくレベル2って訳だ。」


 「ふむふむ、やはりこの辺は低レベルのレベリングには都合が良いみたいだ。」


 「それで、どうするんだ?レベル2になった辺りで話そうと言っていたけど。」


 「さすがにここじゃあ浅すぎる。もう少し敵を倒しつつ最初の目的地を目指そう。時間は大丈夫かい?」


 「心配するな、明日は全休でバイトもない。」

 「なら気にせず出発しようか。」


 それからちょくちょく出てくる敵を倒しつつ進む。そうしてゲーム時間で一時間ばかり進んだところで川に出た。出てきた敵は全てウルフで大体2頭から5頭のごく小規模な群れだけだった。


 初めはレイに1頭だけ残してもらい行動パターンを覚えつつカウンターで倒すことだけに専念した。それでも3頭ほど倒せば行動パターンも予備動作もある程度覚えたので複数が相手でも十分立ち回れるようになった。さすがにカウンターで一撃とはいかなくなってしまったが。


 この一時間の間に俺とレイはレベル5にまで上がり、俺は剣術レベルが上がり武技として【スラッシュ】というのを覚えた。武技は魔力を消費して放つ技で最初に覚える武技を使い込んで成長させていくとめちゃくちゃ強力な武技に進化するので前衛にとっては重要なスキルになるそうだ。


 俺としては魔法もメインで使いたいし召喚術もあるので今後の方針としては魔力を使うスキルに頼るのではなく、プレイヤースキルを鍛えた方がよさそうだ。


 「さてと、ここはβテスターの間では始まりの川なんていう名称が付けられていてね。職業釣り師や釣りのスキルを持った人たちが最初に釣りを出来るスポットなんだよ。運営側もそれを意図しているのかここは基本的に魔物は出ない。出たとしてもノンアクティブなスライムか水を飲みに来るウルフぐらいでレベルが低くて戦闘職じゃない人たちでも安心して釣りを楽しめるスポットというわけだ。さすがにまだこの辺には人が居ないようだしそろそろ君の話を聞こうか。」


 そう言うとレイはその辺に転がっていた比較的大きめな石に腰を掛けた。まぁ、レイの言う通りなら人も来ないしここでいいか。


 「そうだな…まず何から話せばいいやら。」


 「じゃあ、ステータスを見せてくれないか?それで疑問に思ったことを聞くってことでどうだい?あんまり他人にステータスを見せるもんじゃないけどまだまだ初めの段階だしいいだろう?」


 「別に構わんがスキルは伏せさせてもらうぞ、えーっとスクリーンショットを取ってと。送信完了。」


 「むっ、この段階で警戒するってことは結構強力なスキルを手に入れたのかね?」


 「さぁな。それは今後のお楽しみってことで。」


 ついでなので俺もステータスをチェックしてみよう。コマンドワードを唱えると目の前のログウィンドウが出現してそこにステータスが表示された。


桃 Lv,5

Fランク

職業 召喚騎士

 HP  100(+15)

 MP  200(+30)

 STR 19(+3)

 VIT 16(+3)

 INT 19(+3)

 MID 16(+3)

 DEX 16(+3)

 AGI 15(+3)

 LUK 19(+3)


NPCF【カイン】【サーシャ】


称号

□一般

 【来訪者の召喚騎士】【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】【絆を紡ぐもの】


□祝福

 【最強の召喚騎士の祝福】【ノルンの祝福】


□神々からの称号

 【ノルンの期待】


スキル(11SP)

□武術系

 【剣術Lv2】【スラッシュ】

 【槍術Lv1】【杖術Lv1】【鎧Lv1】【武術の心得】

 

□魔術系

 【火魔術Lv1】【水魔術Lv1】【風魔術Lv1】【土魔術Lv1】

 【召喚術Lv5】【魔術の心得】


□その他

 【鑑定Lv3】

 【☆限界突破】【☆瞬歩】【☆逆境】【☆覚醒】


☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの




 ここまで使ってきた【剣術】と【鑑定】のレベルが上がってる。それからスキルポイントが11になってるな。ログを確認するとレベルアップのたびに2ポイントもらえて、レベル5になった時に5ポイントもらえたらしい。五の倍数の時は5ポイントもらえるのだろうか。


 まあまあ順調に育ってるなと思いつつレイの横顔を窺うと何やら難しい顔してぶつぶつ独り言を吐きながら考え込んでいた。


 あー、これはアカン奴だな。このモードになったレイを正気に戻すのは相当な覚悟がいる。こうなったレイは気が済むまで放っておくのが吉というのを俺は大分前に知った。レイはそのままにして俺は邪魔しないように一旦パーティーを抜けて一人でこの辺を散策してみようか。

 

時刻は23時になろうとしている。あの様子だと1時間もすれば元に戻ると思うのでそれまで時間を潰して待っているとしよう。


桃 Lv,5

Fランク

職業 召喚騎士

 HP  100

 MP  200

 STR 19

 VIT 16

 INT 19

 MID 16

 DEX 16

 AGI 15

 LUK 19


NPCF【カイン】【サーシャ】


称号

□一般

 【来訪者の召喚騎士】【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】【絆を紡ぐもの】


□祝福

 【最強の召喚騎士の祝福】【ノルンの祝福】


□神々からの称号

 【ノルンの期待】


スキル(11SP)

□武術系

 【剣術Lv2】【スラッシュ】

 【槍術Lv1】【杖術Lv1】【鎧Lv1】【武術の心得】

 

□魔術系

 【火魔術Lv1】【水魔術Lv1】【風魔術Lv1】【土魔術Lv1】

 【召喚術Lv5】【魔術の心得】


□その他

 【鑑定Lv3】

 【☆限界突破】【☆瞬歩】【☆逆境】【☆覚醒】


☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] レイの一人称は「私」なのか「ボク」なのか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ