表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
42/143

第38話 イベント終了と結果発表

みなさまお久しぶりです。

少々体調崩しておりました。時期が時期なので休養にあて、執筆が一切できていませんでした!

あと、めちゃくちゃ長くなりました!すみませんorz


前回のあらすじ

 ・イベント最終戦!

 ・桃無双

 ・宣誓からの六天幻衝!

 イベント終了したあとは、むしろイベント中よりも疲れたかもしれない。まずはじめにイベントが無事、しかも門の耐久度を100%の状態でクリアしたことでの純粋な喜び。もう北区全体を巻き込んでお祭り騒ぎだった。


 北区は冒険者ギルドのギルマスが重要NPCであることが関係していたのか、冒険者向けの居酒屋とかが非常に多く、最後の禁獣との戦いを見ていた人たちが酒と料理を提供し、飲めや歌えやの大騒ぎだった。


 次に面倒だったのが俺の実力を知ってフレンドになろうとかスキルを聞き出そうとか、職業について聞き出そうとしてくる輩。これが一番面倒だった。なので酒の肴ついでに決闘で俺に勝ったら教えてやるってことにしてみた。


 その結果、俺の戦いを見てもなお立ち向かってきた勇気ある50人ほどと対戦することになった。面倒なので10人ずつぐらいで相手にしたけど。


 結果は向こうの全滅。だってスキル頼りの攻撃ばっかりなので読みやすすぎるのだ。中には協力して前衛後衛で別れて戦った組みもあったけど正直転移を使える俺からしてみれば前衛後衛なんて関係ない。あっさりと首を刎ねさせてもらった。


 魔法もいちいち詠唱しているので時間はたっぷりもらえた。これならPvPの大会が開かれるようなら楽勝だと思う。


 あまりの実力の低さに面倒になった俺は全てをウロボロスで消滅させて、話はしないが動画の公開はOKにしてあとは勝手に検証してくれと言い捨てて転移で逃げた。


 そして最後がレイだ。途中で抜けた理由をあの時は説明してなかったが全てが終わった今は説明せねばなるまい。


 そんなわけでどんちゃん騒ぎの街を抜け、プレイヤーの追求を躱し、王都の冒険者ギルドのギルマスの執務室でレイとギルマスと俺の3人で話をする。


 「今回はなんとか王都を守護することができてよかった。住民を代表して礼を言わせてくれ、ありがとう。」


 「あぁ、無事俺たちの方角は王都を守ることができてよかった。」


 「そうですね。」


 「それでだ、いざ王都が危機から守られて見りゃあ今度は他の街でも同じようなことがあったらしいじゃねぇか。幸いドス以外の街はあらかじめ準備が出来ていたらしく被害はほとんどなかったらしいけどな。桃、お前さんが言ってたことが当たったな。」


 「最悪の事態を想定して動いてたのが功を奏したな。」


 「あの、僕何も知らないんだけど?一体どういうこと?桃が途中で抜けたのとなんの関係があるのかな?」


 「ギルマス、ちょっと俺たち来訪者にしかわからない言葉が出てくるかもしれないが気にしないでくれ。そっちの方がレイに説明するには早い。」


 そうギルマスに断っておいてレイに説明する。


 「簡単に言えば、俺は今回のイベントがブラフだと思ったんだ。いや、ブラフっていうより大掛かりな陽動。もちろんレジナルドからすればこの陽動でも成功させる気満々だっただろうけどな。今回のイベントが発表されたことで王都にはほぼ全てのプレイヤーが集結した。そうすると王都以外の各街の戦力は一気にダウンする。そこを王都のように魔物で襲来したらどうだ?」


 「そんなことがありえるのかい?これは公式のイベントだぞ?」


 「だからこそなんだよ。ワールドクエストが発表された直後の大規模イベント。そして「胎動する悪意」というクエスト名。悪意とつく以上は単純な暴力だけじゃなくて何かしらの策を巡らせていたと考えるのが妥当だ。現にその証拠があった。俺はAランク昇格試験をきっかけにその可能性に気が付いた。」


 「桃の考えは正直突拍子もなかったけどよ、実際にこの魔物の少ない王都でどうやって英雄神様が警戒するほどの魔物の侵攻が起きるんだって言われた時には背筋が凍りついたぜ。今回は幸いにしてウノの街では二つ名が3人とも防衛に参加したし、トレスとクアトロにはなんとアリーシャ召喚院から召喚騎士の派遣があったそうだ。桃、どれもお前が噛んでるな?」


 「その通り。俺はギルマスから俺の仮説の可能性がゼロじゃないと聞いた時からウノの領主とアリーシャ召喚院の召喚騎士に連絡を取り、防衛への助力をお願いしていた。ただ、ドスだけはどうしても伝手がなく、同じAランクのキザンしか戦力を知らなかった。」


 「それも聞いたぜ。全く、レイドボスが目の前に現れてるってのによ、いきなり消えるんだ、肝を冷やしたぜ。」


 「それは悪かったな。あのタイミングで他の街からは防衛成功の一報が入ってたんだが、ドスだけなくてな。それで万が一と思ってレイにその場を託してドスへ向かったんだ。まぁ、思った通り流石に戦力不足だったんだろうよ。キザンが死にかけになりながらかろうじて街を守っていた。」


 「まさか君は、それを全て知った上で一人でドスの防衛に向かったのかい?」

 

 「あぁ、その通りだレイ。あの状況で余力があり、かつたった一人でレイドボスに挑める実力者に心当たりがなかった。それにお前を引き抜くわけにも行かなかったからな」


 「それは・・・そうだけどさ、もっと僕に言ってくれてもよかったんじゃないかな?」


 「言ったらお前ついてきただろが。」


 「ぐっ、その可能性は否定できない。」


 「それにお前にしか俺が抜けた穴は託せなかったんだよ」


 「ーーっ!そ、そんなはっきり言わないでよ、恥ずかしくなるじゃないかぁ。」


 「痴話喧嘩はそれぐらいにしてくれ。今重要なのは今後の話だ。冒険者ギルドは今回の襲撃者レジナルドを国際指名手配とすることを決めた。それとメライス六魔将とやらもだな。その際、ギルドだけじゃ戦力に不足することは間違いない。また、人類への敵対を明言した以上はギルドの上位組織が動くことになる。できれば来訪者でもその上位組織への所属を目指して欲しいんだ。それで圧倒的な戦闘力を持つ桃と今回来訪者をまとめてくれたレイ殿をここに呼んだんだ。」


 「ギルマス、その上位組織にはアリーシャ召喚院も含まれるのか?」

 

 「もちろん、というよりアリーシャ召喚院は最上位の組織だぞ。」


 「だったら俺は平気だ。近々そこへ行く」


 「そうか、桃は召喚騎士だったな。レイ殿は?」


 「僕はまだ魔法剣士さ。特にどこかに所属してるってこともないね」


 「よし、ならば今回の功績を鑑みてレイ殿にはBランク冒険者の資格とAランク冒険者の昇格試験を受ける権利をささやかな礼として贈ろう。上位組織に加入するには最低でもAランクじゃなきゃ本部に行けないからな。」


 「それは・・・ありがとうございます」


 <お知らせします。東門にて禁獣フィルシーコープスが討伐されました。ただいまを持ちまして東門でのイベントを終了いたします。お疲れ様でした。> 


 <お知らせします。イベントの終了時刻となりました。これにて第一回公式イベント『王都防衛戦』を終了いたします。今から30分後に結果発表となりますのでセーフティーエリアに移動をお願い致します。>


 突然アナウンスが鳴った。どうやら話し込んでいるうちにイベントが終了したようである。しかし、どうやら残念ながら西門と南門の防衛は失敗したようだ。


 「どうやら儀式魔法の準備が整ったようだな。」


 ギルマスが時計をみてポツリと呟いた。


 「儀式魔法?」


 「あぁ。神殿の司祭たちが全てのMPを注ぎ込んでようやく放てる広範囲浄化魔法だ。この魔法は対魔物の最終兵器でな、この3日間はこの儀式魔法の準備の最終段階だったんだ。その準備の間、無防備になる門を来訪者には守ってもらってたってわけだ。これが放てりゃあのボスだってどうにかなるんだ。」


 「なるほどね。僕たち来訪者が失敗しても王都だけは防衛できるわけだ。それにしても運営は性格が悪すぎるね。このイベントの裏で各街を壊滅させるような事態を侵攻させるなんてさ。」


 <お知らせします。隠しイベント『街に迫る悪夢』をプレイヤー桃がクリアしました。今後もプレイヤーの皆さんには通常通り各街をご利用いただけます。>


 「・・・」


 「やっぱり隠しイベントみたいだったね〜。それに今のアナウンスだともし桃が気が付いてなければ各街の重要施設とか使えなくなってたね。それを未然に防ぐとは、やるじゃないか。」


 「そりゃどうも」


 「さて、もっと話したいのも山々だが国王陛下に報告せにゃならん。指名手配の件や桃の活躍の件もな。お前さんたちもこの後そっちの神様からなんかあるんだろう?」


 そういえばここはギルマスの執務室だったな。あんまり長居するのは申し訳ないので執務室を出る。


 「レイ、良ければ俺の拠点に来るか?そこなら落ち着いてイベントの結果発表が見れるぞ。」


 「僕を連れ込んでナニする気かな?」

 

 「馬鹿野郎、何もねぇだろうが。で、マジでどうするんだよ。俺は今のアナウンスもあるからこれ以上王都にいるつもりはない。ほとぼりが冷めるまでウノにある俺の拠点に引っ込むぞ。」


 「そうだねぇ、僕も桃とリアフレってことは今回のイベントで大いに宣伝したし、何かと絡まれそうだしお言葉に甘えてお邪魔させてもらうよ。」


 そんな訳でレイを連れて転移を使う。ウノの街を歩いてもいいけど衛兵に見つかったらそのまま領主の館までの直行コースが目に見えていたので普通に魔法で自分の拠点に帰ってきた。


 「こりゃまた随分と大きな屋敷をもらったもんだね。」


 「まぁな、ただの思いつきが予想以上に大事になった結果がこれだ。まぁ、その辺も含めて結果発表が終わったら少しゆっくり話そうや。今回の件の埋め合わせってことで」


 「うん、それでいいよ」


 屋敷のリビングにアイテムボックスに入れてあった食料を適当に並べて結果発表を待つ。レイに聞けばIWOのイベント結果発表は公式放送で行うそうだ。


 ギルマスと話していたせいかすぐに時間が来た。


 <お知らせします。ただいまより、第一回IWO公式イベント「王都防衛戦」の結果発表を行います。つきましては公式放送をご覧ください>


 ポップしたウィンドウに映るのは第一回の放送にも出てきた室長と今度は横に秘書らしくスーツ姿のアバターの女性が映っていた。


 『それでは今回のイベントの結果発表を行います。まずは参加いただいた皆様には参加報酬として10万G、スキルポイント5、そして今回のイベントポイント1000Pをお送りいたします。あとで詳しく申し上げますが、今回獲得いただいたイベントポイントを用いて様々なアイテムと交換できる特別ショップをこの放送が終了した後に行われるアップデート終了後に実装されますのでぜひ、ご利用ください。


 次にイベントに伴う隠しミッションを公開します。これはプレイヤー個人で達成できたものがある場合はその報酬が受け取れるようになっておりますのでご確認ください。達成したミッションの報酬をメールにて送らせていただいております。』


 ふむ、言われたのでメールを確認してみる。+99件来ているので一つ一つの確認は面倒なのでしないが、例えば魔物討伐数100の報酬として1万Gを送るとかそんな内容だった。


 『それではいよいよ本題に入りましてランキングの発表に移りたいと思います。まず始めに東西南北それぞれの門の累計ポイントのランキングです。』


 『このランキングのポイント評価は各門のプレイヤーが稼いだポイントとそれから門の耐久度、レイドボスの討伐が含まれるよ〜。具体的にいえば門の耐久度×1万ポイントとレイドボスの討伐成功で+50万ポイントが入るよ〜。ま、そんな訳でサクッと順位を発表すると、1位が北門、2位が東門、3位が南門、4位が西門だね。正直人数比的に北門は不利かな?って思ったけどプレイヤーが団結して見事門の耐久度100%でレイドボスを討伐したからね。それが東門に勝った理由だね。』


 よし!俺たちが1位だ!やっぱり門の耐久度を気にしてマジックシールドは張っておいて正解だったな。

 総ポイントはこんな感じ。

  1位:北門 365万5789P

  2位:東門 347万0987P

  3位:南門 289万6726P

  4位:西門 286万3457P


 やっぱり門の耐久度とイベントクリアの差は大きく開いたな。人数比だけでイベントが不利にならないように調整するの大変だったろうに。


 『続いて各門のランキングに移りたいと思います。その際、全体での累計ランキングに関わってくる都合上、現段階でのポイント公開は差し控えさせていただきます。』


 『こればっかりは人数が多いから名前の読み上げは無しね。一覧で表示するよー。はいドーン』


 確かに部門が別れていたから読み上げでの発表は難しいだろうな。えーっと、確か、個人討伐部門、パーティー討伐部門、納品部門、貢献部門だったかな。貢献部門は全部個人扱いになるそうだ。もしパーティーで受けてたのならそのポイントを頭数で割って算出するそうな。


 「僕たちが入ってるとしたら討伐部門だよね」


 「あぁ、そうだな。」


 そんな訳でレイと討伐部門をチェックする。ちなみにサモナーやテイマーの従魔が倒した分は全てプレイヤーに還元される代わりにパーティー単位という扱いになるそうだ。ただし、従魔を召喚しないでプレイヤー個人が討伐した分はそのプレイヤーの個人ポイントに反映されるそうだ。


 ついでにいえば、俺の場合は召喚騎士という特異性から英霊を召喚している場合でも俺が倒した魔物は俺の個人ランキングのポイント加算対象になるそうだ。


 北門の討伐部門の結果はこうなった

 個人討伐部門        パーティー討伐部門

 1位 レイ          1位 桃

 2位 桃           2位以下 価値のないモブ

 3位以下モブ

 

 「くそ!レイに負けたか!」


 「ふふふ、君がポイントは大丈夫だからって呑気に街を回っている間にコツコツと積み重ねてきた僕の勝ちだね。」


 「むぅ、あんまり俺ばかり獲物を取るのはどうかと思って遠慮したのがアダになったか」


 『まさか個人でもパーティーでもとんでもない成果をあげる人がいるとは思わなかったね〜。』


 『それではいよいよ全体でのランキングを発表して行きたいと思います。』


 主任の戯言を一切無視して淡々と進める女性。うむ、これで良い。主任が誰のことを言っているのかはまるで見当がつかないなー(棒)


 レイのジト目が俺に突き刺さっているような気がしたので画面に集中する。


 『はぁ〜、美玲ちゃんもう少し付き合ってくれてもいいのにさー』


 『主・任?』


 『ひっ!?はいはい、ちゃんとやりますよー。まずは個人討伐ポイントランキング!作者が名前を思いつかなかったから1位から5位を紹介するよ!

  1位 白(東門)2万5789P

  2位 アカツキ(南門)2万3789P

  3位 レイ(北門)2万0988P

  4位 空丸(西門)1万8907P

  5位 桃(北門)1万7892P』


 おぉ、なんとか全体でも5位以内に入れたか。レイは全体でも3位か。結構差が開いてるな。


 「やっぱり1位はあの人か」


 「知っているのか?レイ。」

 

 「まぁね。プレイヤー名、白。β最強のソロプレイヤーさ。その名前の通り全身を白色の装備で固めてる。職業は槍使い。王都への最後の敵がワイバーンで対空手段が乏しかったから僕たちが先にクリアできたけど次に王都に到達した人はこの人だよ。」


 「ふーん、まだまだ強い奴らが居そうだな。」


 レイの話しぶりからするとこの人も俺と同じく【槍鬼】の称号ぐらいは持ってそうだな。もしPvPで当たることがあれば気をつけよう。


 『次はパーティー討伐ポイントランキング!こっちは1位から10位まで!一部を除いてパーティー名で発表するよ!

  1位 桃(北門)5万5678P

  2位 円卓の騎士(西門)3万4378P

  3位 光の導き手(東門)3万2409P

  4位 筋肉塾♂(南門)2万6783P

  5位 氷狼(東門)2万4578P

  6位 黒薔薇騎士団(東門)2万2109P

  7位 †漆黒の堕天使†(西門)2万3798P

  8位 聖戦士の集い(南門)1万9012P

  9位 剣豪推参(西門)1万7898P

  10位 NINJA’s(東門)1万6499P

 あー、うん、予想通りバンバン問い合わせが来てるね〜。わからなくはないけど運営が公式で発表してるんだよ?間違いはないよ。みんなの疑問に答える前に先に他の発表に進むよ。その間にみんなの問い合わせに答えられると思うから。』


 「桃、やっぱり君はぶっ壊れてたね!」


 「笑顔でいうんじゃねぇよ!確実にあれは俺のことだろうな。まぁ、ソロで5位入賞してる奴がパーティーでも圧倒的差で1位ってなったら文句の1つや2つ言いたくなっても仕方ねぇか。」


 そこまでレイと話してる時だった。運営からメッセージが届いた。内容にざっと目を通してみると今回のイベントを使ったCMを作るからその公開の是非か。横を見るとレイにも届いているみたいだし、俺だけということはないだろう。


 あの主任の話し方からするとこの中に俺の戦い方が映ってるとみて良さそうだ。それに報酬として10SPと10万Gとポーションが手に入る。ここは面倒ごとを避けるためにもYESを選択するか。


 その選択をしている間に発表は進んでいた。


 『それでは、最後の発表に移る前に、公開していなかった特別ランキングの発表に参りたいと思います。対象は現在までのランキングに入っていなかった方が対象となります。また、パーティー単位で入賞されている方につきましても今回は対象外とさせていただきます。』


 『まずは討伐数部門だね〜』


 以下モブのランキングがいくつか続く。


 『それでは改めまして最終成績の発表です。』


 『これは個人を対象として行うよ。もちろん獲得ポイントも大きな査定対象ではあるけどそれだけが全てじゃない。一番の見るポイントはこの国の防衛にどれだけ尽くしたかってところだね。』


 『この最終成績は最優秀賞、優秀賞、敢闘賞、GM賞の4つの部門があります。』


 『まずはGM賞。これは全体の順位としては残念ながら表彰レベルではなかったけど、その献身が僕たちGMと管理AIの心に響いた人に贈られる賞だよ。今回はプレイヤー名、ケルに贈らせてもらうよ。彼は自分のポイントを犠牲にしてまで他のプレイヤーにポーションを提供したり、街の人に無償でポーションを配布したりしていた。まさにプレイヤーの鑑だね。これからも頑張ってほしい。詳しい賞品はメールで送ったからあとで確認してね〜』


 続く敢闘賞は知らないプレイヤーだったのでパス!


 『次に優秀賞。これはきっとみんなが認めると思うよ。これは数人いるからね。まずはプレイヤー名、レイ。あの北門のプレイヤー代表としてよくみんなをまとめ上げていた。次はプレイヤー名、アーサー。文句なしの統率力だったね。プレイヤー名、ルーク。これぞ勇者って感じ。プレイヤー名、フェンリル。ランキング結果で他のプレイヤーの士気が低下する中、よくぞ最後まで戦い抜いた。以上4名が受賞だよ。おめでとう』


 『そして最後は最優秀賞の発表です。』


 『もちろんみんな気になるよね?これだけのメンツを差し置いてその上に君臨するのは誰かって。まぁ、発表の前にこの動画をどうぞ。』


 主任に変わって映し出されたのは魔物の軍勢がウノからクアトロまでの街を襲う映像。しかし、それに立ち向かうのは各街の戦士たち。ウノではエリック筆頭に強力無比な衛兵たちが、ドスではキザンを筆頭に冒険者たちが、トレスではサーシャを筆頭にダンジョン攻略を目指す強者たちが、そしてクアトロでは燃える男カインと、海の男たちが。それぞれの街を守るために戦う映像だ。


 『これ、みんなが王都に釘付けになっているときに各街で起こったことなんだよね。この映像ではきちんと防衛体制が整っているように見えるけど、僕たちの予測ではもっとあっけなく蹂躙されるはずだったんだよね。それをたった一人のプレイヤーがこの世界の住民と心を繋ぎ、信頼関係を構築したからこそこの防衛体制が取られてたんだよ。気が付いたよね?イベントの最後の方にあったアナウンス。あれはウノからクアトロまでの各街を魔物が襲来するっていう隠しイベントだったんだ。それを住民と協力して、そして最後の最後にはこのイベントを投げ打ってまで現地に駆けつけたたった一人のプレイヤーがいたんだ。それを踏まえて続きをどうぞ』


 シーンは変わってドスの街の危機の場面が映し出される。ドスを襲っているのは大量のオーガたち。それをたった一人で抑える1体の鬼。しかし抵抗虚しく拘束される。そしてその命の危機に颯爽と現れる人影・・・つまり俺。


 自分のしたことを自分で語るのは恥ずかしいな!まぁ、そのあとの戦闘の様子とキザンの懺悔、それから勝った後の街の様子とが映し出されていたね。全く、どこから撮っていたのやら。


 「桃、まさか君が裏でこんなことをしてたなんて・・・」


 レイが映像を見て絶句してる。まぁ、無理もないか。この量を一人で捌くのは普通に考えて無理だからな。


 『どうかな?これで少しはわかったんじゃないかな?それじゃ改めて、今回のイベントの最優秀賞は北門の防衛の際にプレイヤーとギルドを繋ぐ架け橋となり、その戦力で門の防衛に尽力し、その紡いだ絆でこの国を救ったプレイヤー名、桃!』


 主任の発表と同時に俺にメッセージが届く。どうやら最優秀賞の賞品らしい。確認するのはまた今度でいいや。


 『これにて第一回イベントの結果発表を終了いたします。そして運営よりお知らせです。先ほど該当者にはメッセージをお送りいたしましたが、IWO第2陣獲得に向けたCMの制作が決定されました。完成次第ホームページにアップロードしますのでぜひご覧ください。

 それから本日23時より翌日午前1時までメンテナンスおよびアップデートを行います影響でログインができなくなります。ご注意ください。アップデート内容はこの放送が終わり次第お知らせまたはホームページよりご確認ください。以上です』


 『次のイベントは現実世界で一月後ぐらいにイロモノイベントをやるよ。そのあとは第2陣が入ってきて夏休みイベントやってPvPかな?って感じで動いているから乞うご期待ってことで。それじゃあ、またね〜』

 

 なんか後ろで「主任!喋りすぎです!」って聞こえたような気がしないでもない。


 「桃、このあとどうする?」


 「んー、イベント終わったばっかりで結構疲れているから今日はもうログアウトするわ。レイは?」


 「僕もそうしようかな?ここ使っていいだろ?」


 「もちのろん」


 「そうだ、せっかくだからこのあと打ち上げでもしないかい?」


 「お、いいじゃんか」


 「もちろん君のおごりでね」


 「なっ!?てめ!俺の財布事情知ってて言ってんだろ・・・」


 俺の反論も虚しくレイはログアウトしてしまった。くそっ!俺はぜってーおごらねぇからな!固く決意をしつつ財布の中身を考えながら俺はログアウトした。

次回から数回は掲示板回です〜それぞれイベントの日数ごとになると予想。

それから、モブキャラの名前大募集します!まじで名前考えるの苦手なんですよ。かっこいいの期待してます。一応、今回のランキング、個人10位までと各パーティーの構成員の名前を募集します。

 ただし、円卓の騎士団、光の導き手のルーク、氷狼のフェンリルは決まってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] +99件 99件を超えるって意味だと思うけど わかんない人もいると思いますよ
[気になる点] 38話のランキングについてです。 個人討伐ランキングで桃以上のポイントを稼いでいる4人のプレイヤーですが、パーティ討伐ランキングの10位のパーティよりも獲得ポイントが高いにもかかわらず…
[一言] 【剣豪推参】  ムサシ  小次郎  十兵衛  弁慶  呂奉  辻斬り同心  重牙(かさねきば)  風林火山 【NINJA’s】  自来也(もしくはジライヤ)  猿飛佐助(もしくはSASUKE…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ