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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第3話 ギルドに登録

前回のあらすじ

 チュートリアルを開始します

 JKっぽい子にdisられます

 最初からやらかします

 広場に面したひと際でかい建物が冒険者ギルドだったようだ。ギルドに来る際にそれはもうあちらこちらでさっきのワールドアナウンスについての会話が聞こえてくる。


 流石にEX職が俺であることはバレてはいないが、バレたら絶対に大変なことになるのでなるべく早く玲と合流すべくギルドへ向かう足を早めた。


 ギルドの前は三が日の明治神宮みたいにプレイヤーと思われる人たちで溢れていたが、冒険者ギルドに近づくと周りからふっと他の人たちが消えた。どうやら冒険者登録までがチュートリアルのようでプライベート空間に転移したようだ。


 西部劇のような木で出来た観音開きの扉をくぐるとそこはいかにも冒険者ギルドといったような景色が広がっていた。入ってすぐの正面にあるカウンターには受付と書いてあり、その左側には納品と書かれた札が掛かっている。


 ギルドの右側のスペースは食堂兼居酒屋みたいな感じで木の丸テーブルとカウンターがあり何人かのNPCが酒を飲んでいるのが見えた。


 ギルド全体は街の風景を壊さないようになのか木材の柱と白い漆喰の壁になっているがカウンターだけは丈夫そうな別の黒っぽい木材で出来ている。やはり受付を守るためなのだろうか。


 納品と書かれたカウンターのさらに左側には2階に続く階段があり、壁には『資料室はこちら』と書かれた木札が掛かっている。これは後で行ってみよう。受付カウンターと食堂の間には掲示板らしきものがあり今も剣を背負った男が眺めている。


 俺も掲示板を覗いてみるとやはり依頼が張り出されてあった。そうそう、掲示板の近くに行くとメニューが開き、そこからも依頼を確認できるようになっていた。


 この手のゲームだと最初に受けることのできる依頼は常設があればそれと最低ランク、そしてその一個上ぐらいが限度だろう。


 常設

 依頼名 ゴブリンの討伐

 依頼者 冒険者ギルド

 報告  冒険者ギルド

 報奨金 1匹につき50G

 契約金 ー

 

 常設

 依頼名 薬草の納品

 依頼者 薬師ギルド

 報告  冒険者ギルド

 報奨金 5本1束として 1束100G

 契約金 ー

 

 Fランク

 依頼名 ウサギ肉の納品 期間2日

 依頼者 ゴーム

 報告  冒険者ギルド

 報奨金 1個60G 

 契約金 ー


 一通り確認を終えた俺は受付と書いてるカウンターに並んだ。受付カウンターは全部で4か所窓口がありプレイヤーがいないからか、並んでいる人はほんの数人でほとんど待つことなく俺の番が来た。


 俺の隣の窓口ではオレンジ色の短髪にこれまた同じくオレンジを基調とした鎧に身を包んだ体格の良い男と腰まで伸ばした深い緑色をした長髪をポニーテールで結び身の丈ほどある刀を持ち肌を結構露出した軽装の若い…それこそ女子高生と呼んでもおかしくないような年齢の女の子が何やら受付と話していた。


 「いらっしゃいませ。ご登録ですか?」


 「はい」


 「かしこまりました。冒険者登録についてのご説明は必要ですか?」


 よく小説やゲームであるようにギルドの受付というのは若い綺麗目な女性を配置しているのかウルフカットのよく似合うギルドの制服らしい服装を身に纏ったお姉さんが聞いてくる。


 「そうだな。俺は来訪者プレイヤーだからその辺は疎いからな。しっかり頼む」


 「まぁ、来訪者の方だったのですね。かしこまりました。ではまずこちらが冒険者ギルドの案内でございます。後ほど説明いたしますが、その後何かわからないことがあればそちらの冊子を参考にしてください。」

 

 このIWOの世界ではプレイヤー=来訪者、NPC=住人と変換されてNPCには聞こえるらしい。なんで来訪者が受け入れられているかとか細かい設定は取扱説明書に書いてあったが読むのが面倒でスルーした。


 閑話休題


 受付のお姉さんは窓口の内側から冊子のようなものを手渡してくれた。それを受け取るのと同時にメニューが開き貰った冊子が登録された。これでいつでもメニューから読むことが可能になったようだ。


 「まず、冒険者には犯罪歴が無ければどなたでも無料でご登録いただくことが可能です。来訪者の皆様はこの世界に来て最初に冒険者ギルドにご登録される方がほとんどですのでそこは問題ないと思います。」


 「登録完了後にお渡しする冒険者カードは身分証を兼ねておりますので冒険者ギルド以外でも…そうですね例えば商業ギルドなんかに行くときでも提示を求められる場合がございますのでなくさないようにしてください。」


 「ランクはG~A、その上のSランクまであり、Gランクを除けばソロの場合は同ランクの依頼まで、パーティーの場合は全員のランクの平均の一つ上のランクの依頼まで受けることが可能です。基本的に成人の方はFランクからの登録になります。」

 

 「ん?掲示板にはFランクからしかなかった気がするんだが。」


 「Gランクはまだ成人しておらず孤児院などの身寄りのない子供たちが安全に少しでもお金を稼げるように領主様が出した街中での依頼を受けるためのランクになります。例えば街中の掃除やゴミ拾い、領主の館の草むしりなどがその代表例です。それと同時に冒険者としての基礎を身に着けさせ成人してから冒険者になっても少しでも死ぬことのないようにとここ最近作られたランクになります。なので、もともと何かしらの戦闘能力があり死亡しても神殿で復活する来訪者の皆様はFランクからの登録となります。」


 「なるほど、そういうことか。あ、話の腰を折ったな。申し訳ない。」


 「いえいえ、では続けさせていただきますね。ランクアップにつきましては依頼達成回数が一定以上になりますとランクアップが可能になります。その際一部のランクでは試験がありますので予めご了承ください。」


 「冒険者ギルドの業務としては冒険者への依頼の斡旋が主な業務です。基本的には依頼はそこの掲示板に貼り出されているので受注したい依頼を選びこちらのカウンターまでお持ちください。依頼書と引き換えに依頼票をお渡しします。常設依頼の方は納品と同時に達成ということになりますので事前の登録は不要です。期限のある依頼は一度に3つまで受けることが可能ですが依頼の内容上達成できないとこちらが判断した場合は依頼を受けることができなくなる場合がありますのでご了承ください。」


 「それから常設依頼に関しては料金はかかりませんが、期限が限られた依頼になりますと契約金という名の保証金が最大で報酬額の30%が必要になります。契約金は依頼を達成すれば勿論全額お戻しいたしますが、万が一期限に間に合わない場合や失敗してしまった場合は依頼主に支払われ戻ってきませんのでご注意ください。また、Eランクまでは受託金はギルドが負担いたします。」


 「最後に冒険者登録後に犯罪を犯した場合ですが、まず冒険者カードが黒く変色しギルドのサービス全ての利用が出来なくなります。軽犯罪ですと罰金や強制労働で解除されますが重罪の場合はギルドからの追放及びBランク以上のギルドの精鋭並びに衛兵たちが総力を挙げて地の果てまで追いかけますので大丈夫だとは思いますが気を付けてください。」


 この犯罪はおそらくPK行為に対する警告かな?ギルドが総力を挙げて追い詰めるとか怖すぎだろ。絶対に犯罪者なんかならないわ。


 「以上で説明は終わりますが何か質問は御座いますか?」


 「そうだな…あ、そうだ。冒険者がギルドに依頼って出せるのか?」


 「はい、勿論可能でございます。何か依頼を出したい場合はこちらのカウンターにいらっしゃっていただければご相談に乗りますので是非活用してください。その他の詳しい説明に関しましてはそちらの冊子の方に記載されていますので暇な時にでも読んでおいてください。」


 そこまで言うと受付のお姉さんは背後にある棚から一枚のカードを取り出した。 


 「それではこちらのカードに手をかざしてください。」


 木でできたトレーのようなものの中に入っているクレジットカードほどの大きさの透明な水晶のようなもので出来たカードに言われたとおりに手をかざす。


 するとカードに幾何学模様のエフェクトが現れ一瞬パッと輝くと無色透明だったカードが淡い赤色に変わった。


 「お受け取りください。カードには表示されている情報の他に各種魔物の討伐記録なども記載されていきます。称号やスキルなどの公開範囲の設定もできますのでご自由に設定してください。以上で登録説明は終わりです。」


 「ありがとうございました。」


 受付のお姉さんに礼を言って窓口を離れる。これでチュートリアルは完了かな?でアナウンスがないからきっとギルドを出るまではチュートリアルの扱いなのだろう。


 プレイヤーで溢れかえってるオープンエリアに行く前に、近くにあったテーブルに腰かけてギルドカードの情報を確認する。


 桃

 Rank F

 職業 召喚騎士

 称号 


 冒険者カードに記載されていたのはこの4行だけだった。念の為に称号の公開設定をオフにしておく。序盤で祝福系の称号なんてトラブルの匂いしかしないからな。


 冒険者カードをインベントリにしまうと枠が1つ増えたので冒険者カードはアイテム所持数を圧迫しないらしい。これは助かる。初期装備のインベントリには20個しかアイテム枠が無いので序盤のやりくりは大変だろう。


 ステータス画面を確認するとFランクのところにNEWの表示が出ているだけでそれ以外は何も変わっていなかった。


 さて、玲と合流したいのは山々だけど先に称号の確認をしなければ。あやふやなことを言うと玲が間違いなく追求してくるしな。


 えーっと、確か称号には持っているだけで効果を及ぼすものとスキルを得る効果があるものの2パターンあるんだったな。


 ログで確認する限りでは【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】でスキルを得てるみたいだ。あとでスキルの内容も確認するか。


 【来訪者の召喚騎士】来訪者の中で最初に召喚騎士に至ったもの

 効果:ランダム召喚の際に常時ランクが1つ上がる。


 【最強の召喚騎士の祝福】最強の召喚騎士からの祝福

 効果:ランダム召喚の際に常時ランクが1つ上がり、ユニーク個体が出やすくなる。

    英霊の親密度上昇補正:極大

    英霊の成長補正:極大

 

 【ノルンの祝福】運命と時空を司るノルンからの祝福

  効果:予期せぬ出会いに遭遇する確率上昇:中 


 【ノルンの期待】   

  効果:スキル成長補正:微

     スキル取得補正:微


 うわぁ、チート臭がひでぇ。絶対にこれ序盤で手に入れていい称号じゃねぇだろ。運営側では今や大パニックだろうな。特にえげつない効果なのはやっぱり【最強の召喚騎士の祝福】だな。英霊って言うのはよくわからんがチートって言うことはよくわかった。


 よし、これも玲に丸投げ案件だな。ひょっとしたらこの程度全然チートじゃないって笑われるかもしれないし。IWOの基準全然よくわかってないからね……。


 気は進まないけど次は称号で得たスキルの確認だな。スキルは初めて獲得するとボーナスで効果が上がるらしい。新しいスキルは【☆限界突破】【☆瞬歩】【☆逆境】【☆覚醒】

の4つか


 【☆限界突破】

 効果:MPまたはHPを消費し発動。全ステータスが上昇する。

    上昇率は消費したMPまたはHPによって変化。

    最大値は全MPまたはHPの半分で1.2倍

  ☆:上昇率が1.5倍になる


 【☆瞬歩】

 効果:相手との距離を一瞬で詰める歩法

  ☆:移動可能距離の上昇


 【☆逆境】

 効果:相手よりレベルが低い、またはHPが1割を切ると発動。全ステータスが1.5倍になる

  ☆:残りHPが2割でも発動


 【☆覚醒】

 効果:全MPまたはHPの半分を消費し発動。全ステータスが2倍になる。

    持続時間は1分。

  ☆:持続時間が1分30秒になる


 おぉ!結構すごいスキルを手に入れたな。今でこそそれほど役には立たないけど本来EX職にたどり着くぐらいプレイ時間を重ねたら結構なステータスになってるだろうし、そこまで進んだ人が使うならかなりえげつないスキルになるだろうな。


 これは玲に言わなくてもいいかな?PvPイベントは絶対あるだろうし、手の内を晒す必要もあるまい。祝福系の称号の価値とEX職の価値だけなんとなく聞けばいいかな?玲に丸投げする気満々だったけど獲得したスキルが全部切り札足り得るスキルだ。ここでバラしてしまうのは惜しい。


 方針を決めてメニューを閉じたところで時間を確認する。ゲーム開始からこっちの時間でそろそろ1時間が経過しようとしていた。約束もあるし、レイと合流したいんだがどうやって連絡を取ろうか。


 そう思っていた矢先、いきなり声を掛けられ間抜けな声を出して飛び上がることになる。


桃 Lv.1

Fランク ◎

職業 召喚騎士

 HP  80

 MP  160

 STR 15

 VIT 12

 INT 15

 MID 12

 DEX 12

 AGI 11

 LUK 15


称号

□一般

 【来訪者の召喚騎士】【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】


□祝福

 【最強の召喚騎士の祝福】【ノルンの祝福】


□神々からの称号

 【ノルンの期待】


スキル(0SP)

□武術系

 【剣術Lv1】【槍術Lv1】【杖術Lv1】【鎧Lv1】【武術の心得】

 

□魔術系

 【火魔術Lv1】【水魔術Lv1】【風魔術Lv1】【土魔術Lv1】【召喚術Lv5】

 【魔術の心得】


□その他

 【鑑定Lv1】【☆限界突破】【☆瞬歩】【☆逆境】【☆覚醒】


◎は今話で追加されたもの

☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの


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[気になる点] 廃ゲーマと呼ばれてる主人公がオンラインゲームにおける情報の大事さを理解しきってないのに違和感がある。
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