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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第24話 極めて平和な日常回

前回のあらすじ

 領主と出会います

 この流れは・・・

 色々もらいます


※誤字の報告大変助かっております。ありがとうございます。

 いやー、まさかあの授業で課題が出てるとは。あのハゲジジイ、シラバスとは全くいってることが違ぇじゃねぇか!


 あ、はいどうも桃です。前回ね、ログアウトした時にせっかくもらった屋敷だし、次の日から探索するぞと意気込んだはいいものの、ハゲジジイの陰謀のせいでレポートに時間取られてまたしても2日間ログイン出来ないとは……!


 「さっきから君はいったい誰に向かって喋ってるんだい?」


 俺の隣に座るのは相変わらずのセンサーで俺を的確に見つけてくる玲。おかしい、今日はいつもの食堂ではなく移動販売の弁当をバカみたいに広いキャンパス内にある芝生で食っていると言うのに。


 (ははは、君のことはなんでもお見通しさ)


 こいつ!?脳内に直接!?


 「ところでこの前も聞いたけどまだ君はウノとかドスにいるんだって?そんなに攻略に難航してるのかい?もし詰まっているようなら僕が手伝ってあげるよ?」


 「うーん、玲の気持ちは嬉しいけど別に詰まってるわけじゃねぇんだ。NPCとフレンドになった関係でウノとドスで依頼を受けることが多くて先に進んでないだけだ。レベルもある程度上がってきてるし行こうと思えば行ける。」


 「へぇー、NPCからの依頼ね。僕たちは冒険者ギルドに貼り出されている依頼ぐらいしか知らないな。そもそもNPCとフレンドになれるプレイヤーは今の所少ないみたいだしね。」


 「そんなもんなのか」


 「まぁ、当たり前っていっちゃあ当たり前なんだよ。僕たちプレイヤーはよそ者で、しかもNPCにはない強い武力と異なった価値観、そして死なない体を持った異物だ。そんな存在がそう簡単に受け入れられるものではないだろ?君みたいな例外を除けば」


 「あぁ、なるほど。それは一理あるな。けど意外とNPCからの依頼の報酬はいいぞ。金銭面もそうだけど、俺、ウノに屋敷もらったぞ。細かいことは何も知らんが。」


 「は!?」


 おお!?いつぞや一緒にプレイした時並みに玲が興奮してるぞ!?って顔が近い近い!そう整った顔を近づけるな!キスするぞ!


 「いいから落ち着け。ほら、周りも見てる」


 このやりとりは前もした気がするよ……こいつゲームのことになると周りが見えなくなることがあるからなぁ。こんなにいい顔してるのにどうしてモテない理由はそこにある。俺の周りに憧れてる奴はかなりいるけどな!


 場所を大学から出て馴染みの喫茶店へ入る。いわゆる隠れ家的な店で店には俺たちと常連の爺さんしかいない。ここならIWOの話をしても大丈夫だろう。


 「一昨日の深夜にワールドアナウンスがあったんだ。<プレイヤーがこの世界で初めて拠点を手に入れました>ってそれによって情報が開示されて、拠点を持つことが出来たプレイヤーはクランが設立できるようになった。

 一応βテストでもクランの存在は示唆されていてね、僕を含めた攻略組は正規版開始からの目標をクラン開設にしてる人たちも多かった。で、王都に行けば拠点が解放されるんじゃないかって急いでたわけだけど、今の所王都にたどり着いたプレイヤーはいないのにワールドアナウンスが流れた。そりゃあもう掲示板も僕たち攻略組も大荒れさ。まさかその原因が君だったとはね。」


 「そりゃご苦労なこった。俺は別に狙ってやったわけじゃねぇからな。世話になったNPCが困ってるって言ってたから報酬と引き換えに受けたんだよ。そしたらそれが思いの外大ごとになって、領主が出てきて戦って認められて報酬をもらったんだ。」


 「君、領主と戦ったのかい?」


 「うん、決闘システムがNPCにも適用されただろ?あれ使ったガチの殺し合い。」


 「いや、僕が聞きたいのはどうやってじゃなくてなんでの方なんだよ?わかってるよね?」


 「あー、なんでもその領主は明らかに戦闘狂だったからな。街を救った来訪者の実力をその目で確かめたかったんだと。」


 「ウノの領主様ね。政治関連はあんまりみんな興味ないから全然情報が入ってこないや。でも言い方あれだけどうまく取り入ればこの段階でも拠点は手に入るんだね。これがわかっただけでも収穫だね」


 「なぁ、玲。お前冒険者ギルドのランクっていくつだ?」


 「え?Dだけど。先に進めるのを優先にしてるからね。レベリングに使える魔物は依頼に入ってないんだよ。きっと運営の仕掛けだと思うけど。」


 「なら収穫ついでにもう一つ情報持ってけ。冒険者ギルドのランクをC以上にすると転移門が使える。この転移門は金は払う必要はあるけど、一度行ったことのある街に転移できる優れものだ。」


 「なっ!?……はぁ、全く君は。本当に毎回爆弾を落としてくれるね。いつもとんでもない情報を聞かされる僕の身にもなってくれよ。」


 「ま、そこは腐れ縁ってことで我慢してくれや。」


 「むぅ……納得いかないなぁ。」


 そう言いつつも玲は笑っているので気分は害していないようだ。


 「そういや同じゲームをしてるのに別行動がこんなに長いのは久しぶりだな。悪いな、誘ってもらったのに一緒にいれなくて」


 「い、いや、謝らなくてもいいさ。別に君とそんな一緒に居たいってわけじゃないし・・・」


 何やら顔を赤らめている玲。体調でも悪いんだろうか?最近暑くなってきたからな。体調を崩しやすい時期だし少し心配だ。


 それから少しIWOとは関係のない他愛もない話をして大学に戻った。なんか久しぶりに玲とゆっくり話した気がするな。


 さて、今日はバイトがないので家に帰って早速IWOにログインする。目が覚めるとそこはこの前もらった屋敷のリビング。時刻は……深夜3時か。


 とりあえずこの2日の間のログを確認する。特に気になるものはないな。なんか〇〇の川の主が釣られたとか、新種の花を見つけたとかなんかそういう戦闘がメインじゃないアナウンスばっかりだな。


 唯一戦闘系だったのはクアトロのフィールドボスがパーティー攻略されたってことぐらいだ。クアトロまで行ったら狩りに行くか。


 そして玲が言ってたクランのアナウンス。要点はこんな感じだ

  ・拠点を持ったプレイヤーが初めて現れたことでクランシステムの解禁

  ・クラン設立条件は拠点を持っていること、冒険者ギルドから信任を得ること

  ・拠点をリスポーン場所に設定できる

  ・プレイヤーの拠点になった時点で他のプレイヤーは許可がないと侵入および外から見ることができないセーフティーエリアとなる。

  ・拠点では一部スキルの制限が解除される。例えば、召喚術のスキルレベルによる召喚数の制限など

  ・拠点の改造は自由


 クランの条件にある冒険者ギルドからの信任。これは結構難しいんじゃなかろうか。言及してないけどこれ多分Cランク以上が条件。そしてCランクに上がるためにはキザンレベルの猛者と戦うことだってある。俺はクランに興味ないので関係ないが、クランを作りたい諸君は頑張ってほしい。


 そして俺に一番関係があるのは間違いなくスキル制限の解除だろう。拠点ではルシファーを含めて英霊全員を召喚できる。思っても見ない特典だな。拠点を手に入れてよかったな。


 そうそう、アナウンスに気がつかなかったが称号が2つほど新しく登録された。1つが【ウノの救世主】という称号。これは住人からの好感度補正:大の効果だ。俺の好感度が留まることを知らないぜ!


 そしてもう一つが【拠点を手に入れた者】完全にそのままではある。そんでもって効果もいまいちよくわからん。格が上がるとの効果だった。格なんてステータスはないからマスクデータなのだろうか?検証のしようがないな。まぁ、悪い影響はなさそうだし良しとするか。


 今日の予定はトレスの街に向かうことだ。流石にそろそろ進めないとイベントに乗り遅れる可能性がある。それに転移でいつでも戻ってこれるので先に進むことになんのためらいもなくなった。


 しかし時間的に神殿に行っても迷惑になるだろうから屋敷の探検をして、残った時間でこの前買った本でも読もう。


 屋敷は結構シンプルな洋館だった。場所が場所なら密室殺人とか起きそうな洋館である。1階に食堂と厨房、リビング、使用人用と思われる小さめの部屋がいくつか。それからトイレと浴場。2階には貴族の部屋と思われる結構広めな部屋がいくつか、書斎、がらんと何もない大きめの部屋、お茶をするであろう談話室があった。もちろんトイレもあったぞ。それから用途不明の地下室。多分ワインセラーかなんかだと思う。棚がたくさんあったから。それと物置っぽい屋根裏。それから中庭とメインの庭か。


 一人で生活するには十分すぎる屋敷だな。多分使うのはリビングと浴室、そして2階にある一番いい部屋ぐらいだろうな。主寝室ってやつか。


 メニューから設定を弄れるみたいで、とりあえず俺以外のプレイヤーの侵入を完全拒否。住人も同様。俺に用がある住人はフレンド登録してるやつだけだろうから心配ないだろう。


 屋敷の探索をそこそこで引き上げて本を取り出してリビングで読む。一番気になった『獣王伝説』から読むとしようか。


 約2時間。休憩を挟んで読破した。なんてことはないよくある成り上がりの英雄譚だった。主人公の獣人(男)が冒険者から始まって紆余曲折あって獣人のための国を設立するっていうサクセスストーリー。ひと昔前なら、なろう系って言われてたかもしれないな。


 ただ気になったのは戦闘描写。その初代獣王様は戦う時間が長ければ長いほど強くなっていったらしい。そして何より、戦うことが大好きで体の丈夫な獣人族であるはずなのに避ける描写がやたらと多かった。


 もしかしなくてもスキル【戦場に立つ獣王の舞】はこの初代獣王様の戦い方がベースになっているようである。まぁ、それ以上のことはわからんのだが、とにかく情報が更新されただけでも良しとしよう。あとはこの獣王様が建国した国に行ってみてからだな。


 少し早いけど神殿ならこれぐらいが人がいなくていい頃合いだろう。さて、目指せトレスってことで早速神殿に向かうとしますかね。

称号追加

【ウノの救世主】【拠点を手に入れた者】


玲の性別はみなさんのご想像にお任せします(にっこり)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] すごく今更ながら疑問に思ったんですけど、玲って男ですか?女ですか?
[一言] どっちでもいけるように中性的なイメージを持ってます。
感想一覧
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