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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第22話 レッツダンス!!!

前回のあらすじ

 ランザからのクエストです

 装備がぶっ壊れです

 狩りのスタートです

 地面が揺れ始めたのに合わせて装備を整えて待つ。俺は右手に初心者用の杖(+99)を左手に幻創霊器ヴェルガンドで出した杖を持って集中力を高める。


 先に広場に駆け込んできたのはフェルドだった。その後ろからすぐに1匹のロックリザードが怒りを露わにして追いかけて広場に飛び込んでくる。


 「シッ!」


 その1匹をフェルドとすれ違うように前に出て頭頂部にある弱点を叩けばたちまちポリゴンと化す。俺とすれ違う時フェルドは「うまくやれよ」とばかりにニヤッと笑ったのでサムズアップで返事をする。


 それからフェルドが入ってきた通路の入り口で待っていると、地響きが次第に大きくなりついに通路の向こう側から怒り狂った大量のロックリザードが俺目掛けて一斉になだれ込んできた。


 「よっ!ほっ!はっ!ふっ!ほい!せい!やぁ!とう!」


 体長が3メートルほどのロックリザード。いくら数が居ても通路がそれほど大きく無いので一度に俺の元に到達できるのは大体が1匹〜2匹。たまに壁やら天井やらを伝ってくるやつがいれば3匹。けどどうやったって4匹以上は無理だ。


 俺はそんな通路を縦横無尽に渡ってやってくるロックリザードたちを次から次へと叩き落としていく。弱点が頭頂部なので、上から来ようが横から来ようが大して差はない。両手に持った杖を振り回し次から次へと叩き潰していく。


 「久々にこんなことしてるけどやっぱり楽しいなぁ!」


 俺の考えた作戦はこうだ。まず、ロックリザードを一撃で倒せること、坑道がロックリザードの体長に対していささか狭いこと、そして弱点以外だと倒しにくいことが判明したので狭い通路に誘導して1対1ないしは1対2の状況を作り出すことにした。


 しかし、それだけだとあまりに時間がかかるし何より俺がつまらないのでちょっとここでアクセントを加える。英霊たちを召喚してロックリザードを挑発してもらい、俺が指定した通路にある程度のまとまりごと誘導してもらい、そこで俺が全てまとめて討伐することにした。


 たった一発でも空振ったりすれば一瞬で戦況が崩れて大惨事になるこの挑戦。英霊たちは戦闘狂が多いので笑顔で囮の役を引き受けてくれた。


 「まぁこれくらいVR初期に流行った剣で箱を切る音ゲーに比べりゃ緩いもんだよな!」


 次から次へと襲いかかってくるロックリザードを片っ端から叩いて叩いて叩き潰す。時に3匹同時に来れば体を捻って躱す。後ろに逃れたロックリザードは反転する前に俺の後ろで控えていたフェルドに一撃で倒される。


 「うーん、全然足りないな。」


 そういった途端にまた遠くから地響きが聞こえてきて、フェルドの倍は引き連れてこようかというアルバセロが俺の横を猛スピードで駆け抜けていった。


 後ろからせっつかれたのか急に勢いを増すロックリザードたち。もはや様子はロックリザードの波。その波を俺はたった2本の杖だけで、叩いて潰してねじ伏せる。アルバセロがかなりうまく誘導してくれたのか、わずか15分ほど無心でロックリザードを叩き潰していると突如波が途切れた。


 俺の察知系スキルには近くて引っかかる気配はなし。一応フェルドとアルバセロに聞いてみても2人は首を横に振った。どうやらこのあたりにいるロックリザードは殲滅できたようだ。


 それから場所を移しつつ、3曲ほどロックリザードの断末魔と共に踊り狂うといつの間にか坑道の最深部に来てしまったようだ。


 「うーん、やっぱり大量発生の原因がいるよな、そりゃ。これは流石に頭殴ってはい終了ってわけにはいかなそうだな。」


 坑道の最深部。新しく坑道を掘りすすめるために広げられていた拠点にこれまでのロックリザードとは違った結構強めな反応があるのがわかった。ここまで来たら確実にボスだろう。気を引き締めて行かなきゃな。


 しかも坑道の最深部。むやみに魔法をぶっ放して崩壊させるわけにもいかない。ここは火力特化のフェルドとアルバセロよりは他の英霊の方がいいだろう。


 囮を引き受けてくれた2人に礼を言って送還する。そして召喚するのはレオーネとヴィクティム。レオーネには俺とヴィクティムのバフと回復を、ヴィクティムにはメインタンクとして足止めを頼む。


 作戦を決めヴィクティムを先頭に広場に入った途端にいきなり岩の砲弾が飛んできた。レオーネを守るように俺とヴィクティムでその岩を迎撃。俺はマジックシールドで受け止め、ヴィクティムはその手に持っている巨大な槍で粉砕していた。


 やはりと言うべきかボスは巨大なロックリザードだった。もはや土竜もぐらじゃないやつと呼んでも差し支えないほどの大きさ。だいたい10メートルはあるだろうか。幸い周りに小型ロックリザードはいないようではあるがこの巨体を前にすれば邪魔な羽虫がいないぐらいにしか感じられない。


 「とりあえず悩んでもしょうがない。」


 【瞬歩】で間合いを詰めて挨拶がわりに右足を叩いてみる。多少纏っている岩が削れた程度でダメージはなさそうだ。それでも攻撃されたことぐらいはわかるようで、邪魔な虫でも払うかのように足を振り上げてきたのでバックステップで下がって避ける。


 ボスが振り下ろした足が地面を揺らす。そのせいで一瞬足を取られてしまい、続けざまに振り回された尻尾の直撃を受け壁に叩きつけられる。


 「あぶねぇ、装備変えといてよかったぜ」


 さすがはチート装備。今の攻撃でもHPは1割ほどしか削れていない。レベル差を考えればダメージなんてないに等しい。すぐさまレオーネからヒールが飛んできてHPが全快になる。これで【フルチャージ】の条件を満たしている。


 「戻る時間も考えて早めに決着つけますか。【逆境】【限界突破】【覚醒】【獄炎】」


 続けざまにスキルを発動する。HPを対価にスキルを発動するがすぐにレオーネから回復が飛んでくる。俺がスキル発動している間はヴィクティムがボスの相手をしてくれてる。


 【獄炎】は発動すると自分の周りに一定量の煉獄の炎が現れる。この獄炎、純粋に魔術のように放ってもいいし、武器に纏わせることもできる。効果は属性ダメージ+火傷と腐食の2つの異常状態付与。火傷は相手のSTRを一時的に下げるのとスリップダメージ。腐食は相手のMIDを一時的に下げるのと3秒ごとに相手の残りHPの0.5%のスリップダメージ。ちなみに火傷は普通の異常状態回復で治るけど、腐食は特殊な魔法じゃないと解除できないことがレオーネに聞いてわかった。なんでもアーク自身がこの【獄炎】の使い手らしい。


 俺が準備している間にいつの間にかボスの岩の鎧がほぼ剥がれている。ヴィクティムの仕業なんだろうけど、これ俺いらなくないですかね?むしろ俺がサポートに回った方が早く討伐できるのでは?


 しかしそんな俺の考えは一瞬で打ち砕かれる。俺がスキル発動を終えるのをちらりと横目でみるや否やすぐに後ろに跳びのきレオーネの護衛に戻った。


 「はいはい、俺にやれってことね。まぁ、いいけど。それじゃ悪いけど……死んでくれ」


 跳ね上がったステータスで一瞬でボスに接近すると手始めにヴィクティムが最後に攻撃していた左足を叩く。今度は鎧なしに加えて【獄炎】付き。流石のボスも経験したことがないであろうその身を直接焼かれる痛みに悲鳴をあげる。


 そこから【魔力操作】を使ってマジックシールドを発動。普通の大きさなんていらない。必要なのは一瞬の足場となる大きさだけ。


 岩鎧リザードに攻撃の的を絞らせないように縦横無尽に飛び回る。大物相手にするなら自由に飛び回れるスキルか魔術が欲しいところ。


 五十発も叩き込む頃には全身が腐食でドロドロにとけ、かつ火傷でクズグズになっているボス。さらにおまけでもう十発ほど打ち込めば完全に虫の息になっていた。


 「それじゃあ、自分の運が悪かったと思ってくれ」


 あまり苦しませるのもかわいそうなので元のロックリザードの弱点だった頭頂部に2本まとめて叩き込めばボスは残りのHPを全て失い、ポリゴンとなって消えていった。


 <お知らせします。ウノのフィールドボス『岩鎧リザード』が初めてソロ攻略されました。>


 <称号【リザードスレイヤー】を獲得しました>


 <ソロ初攻略の報酬として【岩窟鎧】を獲得しました>


 <ロックリザードの岩皮×456を獲得しました>

 <ロックリザードの肉×334を獲得しました>

 <岩鎧リザードの岩鎧皮×2を獲得しました>

 <岩鎧リザードの魔石×1を獲得しました>


 <職業アイテム:召喚結晶×5を獲得しました>


 <スキル【立体機動】を取得しました>


 <【気配察知】【危機察知】【魔力察知】【立体機動】を取得したことにより、スキル【空間把握】を取得しました>


 <スキル【舞武】を取得しました>


 <スキル【踊武】を取得しました>


 <【舞武】と【踊武】が統合され、スキル【戦場に立つ獣王の舞】を取得しました>

 

 <称号【舞い踊り武を示すもの】を獲得しました>

 

 <一定時間暗闇で活動していたため、【夜目】が【暗視】へ進化しました>


 <杖を用いてスキルを使わずに適正レベルより上位の魔物を1000体を連続して倒したことにより称号【杖鬼】を獲得しました>


 <称号【杖鬼】の報酬として『杖鬼のメダリオン』を獲得しました>


 <【杖術】のレベルが20に到達しました。上位派生スキルが取得可能になりました>


 <格上のボスを5体以上ソロ討伐したことにより称号【ジャイアントキリング】を獲得しました>


 <条件を満たしたため、【逆境】が【超克】へ進化しました>


 <称号【超克者】を獲得しました>


 <【体術】のレベルが20に到達しました。【体術】が【体技】へ進化しました>


 <【平衡感覚】のレベルが20に到達しました。【平衡感覚】が【曲芸】へ進化しました>


 「……長えよ。」


 うんざりするほど長いアナウンスがようやく終わった。毎回俺に流れるアナウンスって長い気がする。面倒だけどざっとでいいから確認しておこう。後回しにすると絶対に忘れるからな。


 ログを表示して確認する。予想通りスレイヤー系の称号が手に入った。それからアホみたいな量の素材。そしてボス討伐で毎回見かける召喚結晶。


 【立体機動】はそのまま空中での姿勢制御が楽になるっぽいな。そりゃあれだけ飛び回ってたらこのスキルが出てくるか。


 そしてこいつを取得したことで【空間把握】を取得と。こいつ単品での効果はFPS視点のこのゲームでTPS視点に切り替えることができる。けど一定範囲かつ高さ制限もあるからこれ単品だといまいちだけど組み合わせの効果がえぐい。このスキルを持ってると魔術系スキルが把握できる空間内どこを起点にしても発動できる。【魔力操作】と併用して使えばそれはもう自由自在に魔術を操ることが出来ると言っても過言ではないだろう。


 それで次が【戦場に立つ獣王の舞】か。なになに、敵の攻撃を一定の動作で躱すごとにSTR・VIT・INT・MID・AGIが1%上昇か。初回特典で最大値が200%になってるな。内容からして【空間把握】や【見切り】との相性が抜群だな。PS頼みなところがあるけどまぁ、なんとかなるでしょう。


 それよりスキルの名前だよな。獣王の舞だもん。この世界の住人にも当然獣人はいる。獣王だけに伝えられる秘伝の技とかだったら面倒だな。どこかで獣人のツテを手に入れて聞いてみたいな。


 称号の【舞い踊り武を示すもの】これは獣人NPCへの好感度上昇:大の効果があった。ログから見るに獣王の舞を獲得した後だし、もしかしたら獣王の舞ってマイナスではなくて獣人からするとすげぇ!ってなるスキルなのか?


 暗視は暗闇でも明かりがいらないっていうだけ。暗殺し放題かな?


 で、やっぱりというか狙って取った【杖鬼】これで3つ目か。あと残るは槍だけだな。そうそう、魔鬼のメダリオンの鑑定を忘れてたから一緒にやっておこう。


 魔鬼のメダリオンの効果はMP・INTの10%上昇。杖鬼のメダリオンの効果はMID・DEXの10%上昇だった。さすがは高難易度の報酬だけあってやっぱり破格だ。


 【ジャイアントキリング】は格上への与ダメージが2倍になる称号。正直これもやばい。俺の周りは基本的に全員格上なので常時2倍みたいなもんだ。


 本来なら【ジャイアントキリング】のボーナスとして【逆境】がもらえるみたいだけど俺はスキル選択の時点で貰ってたからそのせいで統合進化したっぽいな。それが【超克】か【逆境】の純粋な強化で相手よりレベルが低い、またはHPが2割を切ると発動。全ステータスが2.5倍になると超強化。しかもこれも当然初回なのでさらに強化され、HPが3割切っても発動する。全ステータスへのバフがひどいな。


 そして称号の【超克者】は適正レベルとの差によって与えるダメージが大きくなるという効果がある。最大で倍以上差がある時で2倍。最小でレベル差5の時に1.1倍になる。


 【体技】と【曲芸】はあんまり実感がわかないが、それ以前のスキルと比べて動きの補正が良くなるらしい。


 そしてレベルはついに20の大台を突破。アーク戦からステータスを見てなかったけど現在のレベルは23になった。


 属性魔術のレベルが15を突破しボール、ランス、ウォールに続いて範囲魔法を覚えた。ファイヤートルネード、タイダルウェーブ、サイクロン、サンドスパイラルとそれぞれ呼び名が違っていた。ほぼ名前の通りだが、サンドスパイラルは広範囲に蟻地獄みたいなのを発生させて相手の足止めをする結構強力な技だった。


 無属性魔術はレベル10になり、マジックシールド、身体強化に加えて新しくレベル5で魔力弾、レベル10で魔力剣を覚えた。


 あとは光魔法と闇魔法がレベル10になり、発光という魔物を引きつける魔法とシャドウという相手から隠れる相反する魔法を覚えた。


 そして最後に召喚術がレベル15になりついに3体召喚できるようになった。ルシファー召喚まであとレベル5だ。それ以外のスキルも順調にレベルが上昇している。ランザじゃないけど順調に育っているようだ。


 一通り確認を終えた俺はランザにメッセージを飛ばし坑道を遡る。1時間ほどで入り口にたどり着くとすでに気の早い鉱山夫たちが仕事に取り掛かろうとしていた。


 「ご苦労だったな桃。」


 「そりゃあのトカゲたちのボスまで倒したからな。ほらその証拠の魔石。」


 「むぅ、やはりボスまでいたか。これは報酬を弾まねばならぬな。」


 「期待してるぜー。悪いけど俺はここでもう寝るわ。二、三日起きないかもしれないからできたら運んで置いてくれると助かる。」


 「なに、街の恩人だ。それくらいはやっておく。」


 「そっか、じゃあよろしく頼むわ」


 現実時間で日付を少し超えたあたり。住民への好感度とランザとの信頼関係を信じて俺はその場でログアウトした。


 それじゃおやすみ。

えー、この話で色々と詰め込みすぎたので明日あたりにステータスを乗せただけの回を更新しようと思ってます。

なのであとがきには裏設定をば

 

 桃のスキルの成長がとんでもなく早いのはいくつか理由があります

 ・格上相手にするとスキルが成長しやすい

 ・召喚騎士という職業の補正で成長にマイナス補正がかからない

 ・最初の設定で選択した【武術の心得】【魔術の心得】

  (ちなみにこのスキルのお値段は実質的に2万5000円:1つ50ポイントなので)

 ・称号【ノルンの期待】

これらの作用でアホみたいに成長が早いんですね。

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