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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第21話 ランザの依頼

前回のあらすじ

 ドスの街へ戻る

 Cランク昇格試験を受けられる

 刀の情報を手に入れる

 移転して出てきた場所はウノの街の神殿。時刻は19時を少し過ぎたところ。ランザからはすぐに来てほしいとのことだったのでそのままの足でランザの元へ向かう。


 「久しぶりだな、桃。順調に育っているようで何よりだ。」


 顔を合わせるなりこの言い分。俺は野菜か何かか?


 「中に入れ。話はそれからだ」


 という訳で場所が変わってランザ宅のリビング。俺の目の前には初心者用の剣が置かれていた。


 「いくつか話があるんだが、まず一つ目はそれだ。この前桃が言ってたのを早速形にしてみた結果だ。上限の+99まで武器錬成をした。」


 初心者用片手剣+99 レア度3

 攻撃力:110

 破壊不可・獲得経験値上昇(小)

 

 「なるほど。これは想像以上の結果だな」


 「あぁ、通常の武器錬成と比べて成功率が半分だとしてもこの性能は破格だ。だいたいこれを作るのにかかった費用が40万Gだ。実はエリックを経由して領主にも一枚噛ませてるから持ち出しは実際はもっと低い。これ以上強くならないとはいえ、壊れない武器としては破格の攻撃力にさらに経験値獲得に上昇の補正が+99にした時に付いた。総合的に見てとんでもない代物だな。」


 「それで?結局のところ扱いはどうなるんだ?」


 「対費用効果的には抜群だが如何せん手間が掛かりすぎる。今の所武器錬成ができて秘密を外部に漏らす心配がないのが俺しかいない。俺だって他に仕事があるしこればかりに時間を割くわけにもいかないってことで武器自体の回収は進めるが+99にするのは事実上凍結だな。」


 「うーん、それは残念だ。結構ロマンがあると思ったが、事情が事情だしな。致し方あるまい。」


 「ま、そういうわけだ。今後は俺の時間があるときに気まぐれに+値を上げていくか、領主が奴隷でも買ってやらせるしかあるまいよ。これは領主から桃への報酬だと。槍と杖も作っといたからあとで持ってゆけ」


 「本当か!感謝するよ」


 「それじゃ本題だ。桃にちょいとばかし依頼を受けて貰いてえんだ。」


 「依頼?わざわざ俺にか?」


 「あぁ、ちょっと今回の依頼は厄介でな。ウノの街の北には良質な鉄鉱石が取れる鉱山があるんだよ。いつもはウノの冒険者たちが周辺の魔物を討伐してるんだが、来訪者がやって来るのに合わせて少し街を離れててな。その影響で厄介な魔物が鉱山に住み着いちまったんだよ。」


 「それは今いる冒険者じゃ無理なのか?」


 「来訪者の冒険者には無理だな。平均レベルがちと高い。それに何より硬いんだよその魔物は。それに鉱山内に生息してるから大きな魔術も使えない。いつもは打撃武器持ちのCランクの奴が率先して狩ってくれてたんだがな。」


 「その魔物は?」


 「ロックリザードっていうトカゲの魔物だ。こいつは全身を硬い岩の鎧で覆ってて、複数人が足止めして、弱点となる部位に打撃武器で攻撃してようやく倒せる相手だ。まあ、なれちまえばどうってことないんだがな。」


 「つまり、打撃武器。俺の場合でいえば杖を使えて、なおかつ弱点への攻撃ができそうな人物ってことで俺に白羽の矢が立ったってわけか?」


 「そういうことだ。これは俺だけじゃなくてこの街の鍛治師全員の問題だ。できれば受けてほしい。もちろん報酬はきちんと用意する」


 ランザめ、先に+99の初心者装備を渡しておいて断りにくくしやがったな?でもまぁ困っている人がいるのであれば受けるべきだろうな。


 「わかったよ。その依頼、受けようじゃないか。」


 「おお!助かる。あとでギルドを通じて指名依頼にしておく。それと今日は夕飯を食ってここに泊まれ。お前とは一度一緒に酒を飲んで見たかったんだよ。お前の世界のこともっと教えてくれ」


 結局その日の夜は途中で乱入してきたエリックとともに、真夜中まで酒を飲み続けた。途中で日本人の魂とも言える武器である刀のことを少し話した。この世界では神楽で作られていて近々行くつもりだと言ったらランザも付いてくるようなことを言っていた。


 ちなみにこの世界で酒を飲みすぎると泥酔というデバフが掛かる。効果は現実の泥酔と一緒。めまいや吐き気、頭痛、ふらつきなど結構厳しかった。


 この時、なぜか【毒耐性】のスキルを獲得したのでアルコールは毒扱いのようである。


 深夜2時。すっかり酔いつぶれた2人がリビングで死体となっているのを横目に新しく獲得した称号とスキルの確認をする。この後は一旦ログアウトして昼飯やらなにやらで少し外す。その後今日の夜9時ごろから依頼スタートにしたい。


 ランザには万が一俺が起きなかった場合、担いでもなんでもいいからその鉱山に連れて行ってくれと言ってある。これで移動時間のロスを削減できるはずだ。


 そんなわけで与えられた部屋に戻ってログアウト。ステータスの確認をしようと思ったけど俺の体の方が空腹みたいでさっきから機体のアラートがうるさい。


 遅めの昼飯を食ってバイトに行く。きっちりと5時間ほど資本主義の狗と成り果てて帰宅する。適当に夕飯を食ったら早速ログインだ。時間はだいたい21時をすぎたところ。できれば日付を超える前に終わらせたいところだな。


 ログインしてゲーム内の時刻を見ると午前11時ぐらい。ちょうどいい時間に目が覚めたようだ。場所はテントの中みたいだな。


 パキパキと固まった関節を鳴らしつつ外に出る。すでにそこは鉱山の入り口前のベースキャンプになっており、ランザを始めとした鍛治師数名と鉱山夫数名が話し合いをしていた。


 「おう、桃ようやく起きたか。」


 「たった今目が覚めたところだ。早速だけど始めようか。とりあえずまずは1匹戦ってみてそれで決めるとするよ」


 「そうか、せいぜい死なないように頑張ってこい」


 周りの人たちは胡乱げな目で俺を見ていたがランザの紹介という事もあって口を挟むことはしてこなかった。


 鉱山夫の一人から坑道の地図をもらい坑道に侵入開始。坑道の中は薄暗く、【夜目】のスキルもちの俺でも視界が危うい。ここは安全第一で【生活魔術】のライトを使っておこう。


 それから召喚術のレベル上げのために英霊を召喚する。残念ながらこういった坑道の索敵が得意な英霊はいないので適当にフェルドとアルバセロを召喚しておく。


 2人は俺の護衛とロックリザード以外の魔物の殲滅をお願いしておいた。これで俺がロックリザードに集中できる。


 坑道内をしばらく進むとようやく第一ロックリザード発見。しかも都合よく1匹でくつろいでいる。ランザに聞いた話ではロックリザードの弱点は頭部にあるコブ。そこに攻撃を当てれば倒すことはできなくても確実に怯ませることはできるそうだ。


 とりあえず戦って見よう。【隠密】で気配を消してロックリザードに近寄る。気が抜けているのか気づかれることはなく、そのまま弱点に黒鉄の杖を振り下ろす。憤怒の酒場を経てレベルが16になった俺のステータスと諸々のスキルが相まって一撃で倒すことに成功。


 短い断末魔を残してポリゴンとなって消えていった。


 「これなら全然余裕だな。2人とももう少し進もう。この先にちょうどいい空間がある。」


 地図で見ると休憩所のように少し広めのスペースがあったのでそこを拠点に狩ろうと思う。うまくいけば結構すぐに終わるはずだ。時間にして1時間もかからずにね。


 人が入らなかったせいか休憩所に居着いてたコウモリみたいな魔物を3人で瞬殺して一旦足を止める。


 「2人ともちょっとお願いがあるんだけど・・・」


 こういうことに英霊を使うのはどうかと思ったが、幸い召喚しているのは戦闘狂の気がある2人。俺の提案にニヤッと笑うと猛スピードで休憩所を飛び出していった。


 さて、2人が戻ってくるまでの間に準備しときますかね。


 2人が坑道の奥へと消えている間に装備の変更をする。ここまできてようやく気が付いたが、靴以外の装備がほぼ初心者装備かほぼそれと変わらない布の服の類だった。憤怒の酒場を攻略した時にヴィクティムから貰った神器が防具だった。


 「そういえば性能も見てなかったや。ついでに武器も見ておくか。ほい看破」


 神器 ローブオブカーディナルシンス レア度不明

 EXP 0/1000

 物理防御力 50

 魔法防御力 50

 大罪の宝玉 ー

 スキル 【斬撃耐性:極】【打撃耐性:極】【魔術耐性:極】【環境適応:極】

     【属性強化:極】【属性耐性:大】【異常状態耐性:大】【精神防御:大】【隠蔽:極】

 神が試練を突破したものに与える神器。装備者と共に成長してゆく神器

 


 専用武器 幻創霊器ヴェルガンド レア度不明

 EXP 0/1000

 物理攻撃力 50

 魔法攻撃力 50

 使用可能武器 片手剣 槍 杖

 スキル 【斬撃強化:大】【打撃強化:大】【刺突強化:大】【魔術強化:大】【属性強化:大】

     【所有者固定】【同時攻撃強化:中】【クリティカル率上昇:中】【隠蔽:極】

 実像をもつ武器の幻影を作り出すことの出来る装備。その能力は使用者と共に成長する。

 現在使用可能数:2


 「・・・うーん、この壊れ具合。間違いなくエンドコンテンツ用の装備だよね?もしかするとアークってそもそもがエンドコンテンツだったりする?七つの大罪とかどう考えてもラスボスだしなぁ。」


 検証は俺の専門ではないので序盤で強い武器が手に入ったラッキーぐらいに考えることにした。そうじゃないと俺の精神が持たない。


 ついでに称号も確認しておこう


 【憤怒を超えし者】

  隠しレイドボス【憤怒の魔神アーク】を攻略したものに贈られる称号

  効果:他の七つの大罪への与ダメージ増加

     

 【憤怒の救済者】

  【憤怒の魔神アーク】にダメージを与えることなく正気を取り戻させたものに贈られる称号

  効果:スキル【獄炎】を取得

     英霊:【アーク】に特殊スキル付与(召喚騎士限定)


 【酒場の主】

   ダンジョン【憤怒の酒場】を初めてクリアした者に贈られる称号

   効果:良い酒との出会いがよくなる

      ドワーフへの好感度上昇:大

      

 【ヴィクティムの祝福】

   効果:闇属性攻撃の与ダメージ1.5倍

      闇魔法のスキル成長補正:中

      レベルアップ時にVITに成長補正:小


 【ヴィクティムの救済】

   効果:【死霊魔術】を取得する

      アンデッドからの好感度上昇:大

 

 概ね問題ないな。祝福系はかなりいい称号みたいだしもっと積極的に集めて見ようかね。


 そうこうしている間になにやら地面が小刻みに揺れ始めた。フェルドたちが戻ってきたようだ。


 さて、いっちょ派手にやりますか!


裏設定=運営の想定

 ・アークを筆頭に七つの大罪を冠する存在は完全な裏ボス

 ・EX職まで進んだプレイヤーのレイドを想定。参加プレイヤーの平均レベルに合わせて強さが変化する

  予定だった。

 ・EX職は3次職より派生

 ・王城の禁書庫で初めてその存在が出てくる予定。

 ・桃が知れたのは受付嬢がダンジョンの存在は知っててもアークの存在を知らなかったこと

  桃の住民への好感度が高いことの2つが要因

 ・本来のアークは耐性ゴリゴリ、獄炎スキルの広範囲攻撃、自己回復とかなり鬼

 ・さらにイベントでレオーネの子孫を護衛してアークの元まで連れて行って、アークからその子を

  守って戦う必要あり。もちろん能力はレオーネの劣化なので無傷でのクリアは無理

 

 などなど、倒させる気無いキャラでした。桃が低レベルかつレオーネというアーク特攻キャラを手にれたからこそ勝てた相手です。

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