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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第20話 Cランク昇格試験

前回のあらすじ

 アークと戦います

 聖女様強えええ

 御都合主義炸裂!!

 翌朝(午前11時)連日の夜更かしが響き、目が覚めたらこの時間だった。おはようございます。


 この世間はゴールデンウィーク真っ只中。リア充どもは旅行に行ったりして忙しいんだろうなと反吐を吐きつつ俺は今日も飽きずにIWOにログインする。


 「いてて。やっぱり地面で寝ると体の調子が悪いな。」


 昨日のログアウト場所は「憤怒の酒場」があった廃墟。当然地面は固い土と岩。テントに寝袋でも痛いものは痛いのだ。


 こっちの時刻は午後5時を過ぎたところか。昨日のリザルトも気になるけど今は移動しよう。


 「英霊召喚【クリスタ】【ヴォート】」


 召喚術のスキル上げのために過剰戦力ではあるがドスの街に戻るのに英霊を召喚しておく。ヴォートにはいつも通り採取を頼んでクリスタは俺の護衛かな。このレベルだと護衛はいらないけど。


 これと言って特に大きな問題に当たることなくドスの街にたどり着いた。途中で出てきたNPCの盗賊相手にクリスタがあたり一面を一瞬で凍らせて首をスパッとする衝撃映像が見れただけだ。この盗賊の首はヴォートがいつも通り大量に持ってきた薬草類と一緒にお土産にしよう。


 「ようこそ冒険者ギルドへ。ってこの前の。」


 大量のお土産を持ってギルドに行くとたまたまこの前「憤怒の酒場」を教えてくれた受付のお姉さんがまた俺の担当に当たった。


 「この前はどうも。おかげでいい練習になったよ。」


 「そ、それはよかったです……それで本日のご用件は?」


 自分で勧めておいてなぜか若干引き気味の受付のお姉さんの様子に首を傾げながらもヴォートが取ってきた薬草とクリスタがチョッパした盗賊の首をカウンターに並べる。


 「ひえぇ。これは……」


 「あ、驚かせるつもりはなかったんだけど。ここに来る山の中で絡まれたからついでに倒してきたよ。問答無用で攻撃してきたし、見た所盗賊か山賊っぽかったから。賞金首だったらいいなーって思ってとりあえずボスの首だけ出してみたけど。」


 「しょ、少々お待ちください。」


 受付のお姉さんが首を掴んで奥へと引っ込んで行く。結構アグレッシブというかビビってた割には大胆な行動だな。


 待つこと数分。


 「お待たせしました。確認ができました。この首の主の名前はこの辺りを拠点にしていると思われていた盗賊団【山猫】のボスであると確認できました。賞金首として指名手配されているほか、討伐依頼が領主より出ております。薬草の納品と合わせて達成扱いになります。」


 <お知らせします。ドスの街のフィールドボス『盗賊団山猫』が初めてソロ討伐されました>

 

 <ボスソロ討伐初回撃破報酬『盗賊のスカーフ』を獲得しました>

 <称号【クリミナルスレイヤー】を獲得しました>

 

 おや、このタイミングのアナウンスですか。ってかクリスタが10秒もしないで殲滅した盗賊がフィールドボスとか……。


 盗賊のスカーフは頭装備で身につけていると隠密効果がある装備だった。別にいらないな。自前のスキルでどうにでもなるわ。


 そのあと、受付のお姉さんに盗賊を倒した場所を聞かれ教える。どうやらその付近にアジトがあるらしく、当然そこにはお宝もある。こういった盗賊討伐によるお宝の権利は討伐した冒険者かアジトを見つけた人にある。要するに早い者勝ちな訳だが今回俺は放棄した。


 金は依頼達成と賞金。それからヴォートの採取した薬草類で結構稼いだのでわざわざ時間をかけて捜索する必要性を感じない。それにボスになる程大きな盗賊団だったのなら被害者もそれなりにいるだろう。そっちの補填に当てて欲しい旨を伝える。


 「本当によろしいのですか?山猫ほどの規模になりますと数百万Gはくだらないと思いますが。」


 「あぁ、別に構わんよ。」


 「……わかりました。そのように上に伝えておきます。それから今回の山猫討伐をもちましてCランク昇格への条件を全て満たしました。これ以降試験を受ける権利が発生します。それに合格されますと晴れてCランクとなります。今からでも受けることは可能ですがいかがなさいますか?」


 「試験の内容は?」


 「桃様ですと、来訪者の方ですので試験官との1対1の模擬戦となります。」


 「1対1の模擬戦か。テイマーとかサモナーの人はどうやって戦うんだ?従魔とか召喚して戦うのか?」


 「はい、それも含めて個人の力ですから。ただしその場合は1対1ではなくパーティーでの模擬戦となります。」


 「なるほどな。変なこと聞いてすまなかった。早速だが試験を受けよう」


 「かしこまりました。では準備いたしますので少々お待ちください」


 隣の酒場で空腹度の回復をして待っているとさっきの受付のお姉さんに呼ばれ、そのままギルドの裏手にある訓練場に誘導される。


 「貴殿が試験を受ける桃殿か。【盗賊団山猫】の討伐、一住人として感謝する。拙者が今回桃殿の昇格試験を担当するAランク冒険者キザンと申す。よろしく頼む」


 「こちらこそよろしく。」


 俺の相手は刀を持った偉丈夫。Aランクって言うぐらいだしそれなりに強そうだ。それに刀か。やっぱり憧れるしこの試験が終わったらどこで手に入れたか聞いてみよ。


 「この模擬戦では相手が死ぬようなことはないので、思う存分全力で戦ってください。それでは試験開始です。」


 受付のお姉さんの合図で試合が始まる。死ぬことはないって決闘システムみたいなものかな?まぁいいや。全力でって言われたし全力で行きますか。


 「先手は桃殿に譲ろう。好きに仕掛けてくるといい。」


 「そうか、ならお言葉に甘えて!」


 まずは手始めにキザンの能力を見ようか。【範囲魔法】を適用したファイアーボールを無詠唱で放つ。


 「なに!?」


 驚いたような声をあげているが難なく刀で真っ二つにされてしまった。


 「まさかその若さで無詠唱を体得しているとは。いやはや、これは少し甘く見過ぎたようであるな。では次はこちらから参る!」


 キザンの姿がかき消えて俺の目の前に現れる。おそらく俺と同じ【瞬歩】かあるいは刀を持っているし【縮地】のどちらかの高速移動系のスキルだろう。


 間髪入れずに振るわれる横薙ぎの攻撃を【見切り】と【体術】で仰け反るように躱し、カウンターでファイアーウォールを発動。しかし一撃を躱した瞬間に距離を取られていてダメージを与えることはできなかった。


 「これすらも避けるか。おそらく今の攻防で試験は合格であろうが。当然続けるであろう?桃殿」


 えー、今ので合格かよ。まぁ、続けていいのなら続けさせてもらうけどね!


 「もちろん。こんなので終わりじゃ興醒めだ。」


 「ははは!いい目をしている。次はこれだ。さて、どう躱す?」


 キザンは刀を横に構えて猛スピードで突っ込んできた。新撰組が使ったとされる平突きの構えによく似ている。こいつの製作者はそっち系のヲタクか?


 突き技は強力だけど弱点がないわけじゃない。例えばこんな感じの中距離砲に弱い。


 「突き技なら避ける必要はないね。ライトニングピラー」


 「なに!?」


 今度は正真正銘、キザンの不意を突き魔法が直撃する。が、吹き飛ばされることなくその場にダメージを受けながらも止まって見せた。


 「やるじゃないか。さすがはAランク。」


 「はぁ、はぁ、流石にCランクにもなってない若造に相手にいいようにやられるわけにも行かないのでな。少々大人気ないが本気を出させてもらうぞ!」


 キザンの体を真っ赤なオーラが包み込んだ。闘気とかの類のスキルだろうか?どうせ効果はバフだろうな。またはスーパーアーマー系。


 「じゃあ、俺も」


 相手がステータスを底上げしてくるのであればこっちもそれに応えよう。【逆境】【限界突破】【覚醒】を全て使用する。


 「ゆくぞ!」


 先までとは比べ物にならない速さでキザンが襲いかかってくる。しかし俺もステータスが上がってる。怒涛の連撃を一つ一つ丁寧に捌いていく。これくらいできないとランザには瞬殺される。


 あのジジイ、キザンと同じことを大剣でやるんだもん。あれはチートだよ、チート。それに連撃ならクリスタの方がもっといやらしい。英霊と訓練してた俺にこの程度では通用しない。


 上段からの袈裟斬りに初心者用の剣を合わせて【全反撃】を発動。


 「ぐわ!」


 渾身の一撃を跳ね返され、大きく仰け反るキザンにダークピラーで追い打ちをかける。横に吹き飛ばされたキザンは訓練場の壁に強く叩きつけられ意識を失った。


 「ふぅ。これで俺の勝ちだ。」


 「お疲れ様でした。結果は見事合格でございます。新しいギルドカードを発行いたしますのでもう少々お待ちください。」


 受付のお姉さんは室内に戻っていってしまった。ほぼそれと同時に起き上がったキザンがこちらにやってきた。


 「いやー完敗でしたな。拙者もまだまだであった。」


 「でも強かったよ。最後、俺のスキルがなければどうなってたかわからない」


 「それでも桃殿は全力ではなかろう。もちろん拙者も隠し球はあるがそれを使っても勝てたかどうか。このような強者に出会えるとは世界はまだまだ広い。国を出てきて正解であった。」


 「そうそう、聞きたかったんだけど、その刀ってどこで手に入れたんだ?少なくてもこの辺じゃ見ないんだが」


 「これは拙者の生まれ故郷である神楽と言う国で作られている武器なのだ。この国からではちと遠いがな。」


 「ふーん、神楽ね。いつか行ってみたいものだ。」


 「ならば拙者と行くか?今すぐにではないが、この愛刀の手入れもあって一度帰郷しようと思っていたのだ。」

 

 「それはありがたい。ぜひ同行させてくれ。」


 「あいわかった。ではフレンドカードを交換しよう」


 <キザンとフレンドカードを交換しました>


 フレンドカードを交換したのち、受付に戻りカードをもらう。


 「桃様、Cランクになりましたので神殿の一部機能をご利用いただけるようになりました。一定の寄付をすることで一度訪れた街への転移が可能になります。」


 よし、転移機能解放!これで移動がスムーズになるぞ!


 そのあとはBランクへの昇格条件を聞き、ギルドを後にする。暗くなってきたし宿に行こうかなと思ってた時、ランザからメールが届いた。


 ランザ:ちょっとばかし頼みたいことがある。急で悪いがウノまで戻ってこれるか?


 ランザからのメールに了解と返信して早速神殿を訪れ2万Gを寄付しウノへと転移した。


NPCF 【キザン】


称号

□スレイヤー系

 【クリミナルスレイヤー】

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