第17話 聖女レオーネ
前回のあらすじ
ツンデレktkr
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英霊強すぎて草
2020・2・16 投擲スキルの追加を忘れてました。ごめんなさい・・・
翌朝、今日も元気にログイン。今日の予定はドスの街を散策しつつ、新しい英霊を召喚すること。できればヒーラーがいい。本来の俺の【召喚術】のレベルだと召喚できるのは2体までで、戦闘に出せるのは1体までになっている。
しかし、6英雄の英霊は召喚したわけじゃなくもらった(?)英霊なので召喚数にカウントされてはいない。なので俺が召喚したのはルシファーだけということになる。
ドスの街へ向かう道中のお供はヴォートにした。彼はエルフなので植物に関する知識が豊富で道中や森に生えている薬草類の採取をお願いしてみた。Cランクになるのに採取依頼の達成が必要だったからな。
こんなところでも英雄様はハイスペックを披露してくれたようで。インベントリって1つのアイテムにつき×99入るんだけど、薬草だけで3スタック埋まった。乱獲してないよな?って聞いたけどにこやかに笑ったので心配ないはずだ。さすがは森の民エルフ。
薬草以外にも解毒草や月詠草というなんかレア度の高そうな薬草を取ってきてくれた。ドスの街の前で一旦召喚を解除。冒険者ギルドで薬草類の納品をする。
「まぁ!こんなにたくさん!しかも採取の方法も完璧です。それに滅多に見つからない月詠草まで!確か依頼に出ていたので処理しておきますね。」
とギルドの受付のお姉さんの高評価もいただき、結構な金額とそれからCランクへの昇格課題の2つ目、採取系依頼の回数の条件を達成することができた。これで残すはボス系の魔物のソロ討伐だけだ。
ギルドを出て街を散策する。目当ては神殿。祀られてる6英雄とは別の英霊の話が聞きたい。第二の目的はそれ関連のことが書いてありそうな本屋なり図書館なりを探すこと。そして最後がランザから紹介状を書いてもらった職人を訪ねることだ。
ふらふらと街を彷徨い、お仕事熱心な衛兵さんを捕まえて場所を聞く。幸いその衛兵さんは俺が行きたい場所を全てしっていた。ラッキー。
一番近い場所は木工職人さんの工房だった。その工房の名前は『秋鶴』。なんともオシャンな名前である。いや、オシャレというより日本酒みたいな名前だな。
ランザ同様に門前払いを喰らいそうだったけど紹介状を見せることで話を聞いてもらえることになった。
「へぇ、ランザの奴が認めた小僧ね。なら俺も話は聞いてやろう。」
秋鶴の店主の名前はゲイル。強面スキンヘッドのおっさんだ!山賊かな?と思うほどの凶悪フェイスだぞ!
早速調査が始まる。調査というか俺の要望とスキルレベルの確認だな。
「まさかの6属性持ちとはな。それなのにどれもそれなりに鍛えられてると。なるほどランザが認めるだけはある。が、しかしだ。俺には俺なりのルールがあってな、俺は魔術のスキルレベルが10以下の奴には売らないことにしてるんだ。」
「そうか。それなら仕方ないな。鍛えて出直すとするよ」
「待て待て、早まるなって。実は俺には息子がいるんだよ。その息子も俺と同じ木工職人を目指してる。腕はまだまだ未熟だが、今の桃ぐらいならちょうどいい武器を作れるはずだ。」
そういって紹介されたのは本当にゲイルから生まれたのか首を傾げたくなるような線の細い可愛い系の顔をした将来有望そうな少年のルビー君。彼の作品を見せてもらうとちょうど黒鉄シリーズと同じぐらいの性能の魔樫というファンタジー素材で作られた杖だったのでその場で購入を決意。
ついでにフレンドカードを交換して今後、いい木材や杖の素材となりそうな魔石や宝石なんかが手に入れば融通する約束を交わす。
<ルビーとフレンドカードを交換しました>
ちなみにこんな性能
魔樫の杖 レア度3
魔法攻撃力 25
耐久値 150/150
『秋鶴』を後にした俺は続いて古本屋に向かう。この世界ではやはりというべきか本は目玉が飛び出るぐらいに高価だ。当然古本でもそれなりの値段がするため、人はほとんど入っていない。
そんな店の店主は当然というべきか偏屈という言葉がぴったりの婆さんだった。っていうか俺が会う年寄りって全員偏屈とか頑固しかいなくね?と思ったのは内緒だ。
でもこういう年寄りは昔ながらの伝承とか知ってるのでは?と思い、【生活の魔術】という面白そうな本を買うついでにお話を聞いてみることにする。ちなみに値段はなんと1冊で4万Gもした。
<スキル【生活魔術】を取得しました>
おっと、これスキルブック扱いだったのか。生活魔術の内容は……火種、飲み水、浄化、光の4つか。地味に浄化は嬉しいな。風呂はどこの宿にもなかったから濡れた布で体を拭くだけでどうしても気持ち悪さが残ってたんだ。良い買い物をしたな。
残念ながら古本屋では英雄に関する情報はなし。その後神殿に向かったは良いけど、こちらも収穫は無しだった。というより、ウノの街と同様に6英雄を祀っていた。
さて、どうしましょうか?ここに英霊がいない以上ドスに止まる必要はなくなった。場所的にレベリングすることは可能だけど鬼の称号を取りたいからそれは保留。せっかく杖買ったし魔術のスキル上げでもするかな?
魔術スキルはどうやらレベルが5上がるごとに使える魔術が1つ増えるらしい。今は各種ボールとスキルレベル5で覚えた各種ランスだけ。そして光魔法と闇魔法はそれぞれレベル1でボールと魔術にはないピラーという複数型多段ヒットの技があった。その分結構MP持って行かれるけど。
金銭対策のために【MP回復速度上昇】のスキルを取得。そしてMP回復ポーションを買い込む。剣術と違ってこればかりは致し方あるまい。
冒険者ギルドに行って敵がわんさか出てくる場所を聞く。できれば常に複数体出てきてくれると嬉しいのだが。その方がMPの節約にもなるし。
少し悩んだ受付のお姉さんが教えてくれたのはドスの街から徒歩で1時間ほど行った場所にある『憤怒の酒場』というアンデッドばかりがうじゃうじゃと湧いて出てくるダンジョンだった。
レイの話ではダンジョンと呼ばれるものはトレスの街にある巨大迷宮しか確認されてなかったはずだが受付のお姉さんの話によればダンジョンそのものは結構あちらこちらに存在しているらしく、その中でも特に有名なのがトレスの街にあるものだという。
本来ならCランク以上からの情報開示らしいが、俺は時間の問題ということで特別に情報を教えてもらったのだ。
ここのアンデッドは魔術系スキルのレベリングにもってこいの場所だ。アンデッドは基本的に物理攻撃の効きが悪く、かつ不衛生なために魔術スキルでの討伐が推奨されている。そして平均レベルが20でかつ常に2〜3体で行動しているためにアンデッドに特攻のある光魔法のピラーとの相性が良い。何より、室内型というちょっと変わったダンジョンなためにエリアが狭く、まとめて倒しやすいという利点がある。
その分、その狭さゆえにパーティーでの攻略が難しく、今尚放置されていたそうだ。
情報をもらい、ドスの街を出て山の中をさまようこと1時間、ようやくそのダンジョンらしき場所を発見した。
アンデッド系のダンジョンにふさわしく、ダンジョンがある周りは廃墟になっていた。いかにもって場所だが、俺の察知系スキルにはなんの反応も無し。そのダンジョンに入るためには竜のマークがある酒場の扉を開かねばならぬそうで。
廃墟の中心地にその酒場らしき場所を見つけたので歩いていくと、一瞬だけだがウィンドウが現れた場所があった。
「なんだ?」
その場で立ち止まってそのまま後ろ向きに歩いて行くと廃墟の中では唯一その姿を残している、中心に何か鋭いもので切られたような跡がある石柱の前でウィンドウが現れた。
<召喚結晶を5つ消費して聖女レオーネを英霊召喚しますか?YES・NO>
「……は?」
3回ほどウィンドウに書かれた文字を読み返しても結果は同じ。聖女レオーネを英霊召喚しますか?と書かれている。
「いやいや、待て待て。なんでこのぶっ壊れた石柱が英霊召喚の対象なんだよ。普通こういうのって彫刻とか本人に所縁のあるものとかじゃないの?」
考えてみたが当然結論は出ない。
「いや、もしかしたらこの場所って元神殿とかなのか?」
そう考えればここで聖女様の英霊を召喚できることに納得ができる。山の中にあった場所だし魔物の襲撃とかで滅んだのかな?
思いがけず英霊召喚できる場所を発見して少々テンションが上がっていたが冷静になって考えても聖女様を召喚するのはありだ。聖女っていうぐらいだから回復系の魔術は持ってるだろう。回復手段をポーションに頼るしかない俺にとっては一番必要な存在と言える。
「よし、ここで会ったのも何かの縁だ。早速召喚しますかね。」
インベントリから召喚結晶を取り出して石柱の前に置く。ウィンドウの選択肢のYESの部分をタップし、周囲に誰もいないので叫ぼうじゃないか。
「英霊召喚!!!」
ルシファーを召喚した時のように召喚結晶から光が飛び出し魔法陣が出てくる。今度の魔法陣の色は白だ。
『私は全ての人を救います』
凛とした強い意志の篭った声が辺りに響いた。召喚結晶から出た光が魔法陣に降り注ぎ、目を開けてられないほどの輝きを魔法陣が発する。思わず目をガードする。そして光が収まった頃を見計らって目を開ける。
廃墟という場所に一切似合わない清浄な空気が辺りを満たす。ノルンとは違って腰付近まで伸びる綺麗な銀髪。前髪が右目を隠しているが見える左目は美しく澄んだ青色をしている。神官服っていうよりどこかの国の王女様と言った方が良さそうなドレスに身を包んでいる。
『あなたが私を呼んだのね?私はレオーネ。あなたの名前を聞かせてくれるかしら?』
「俺は召喚騎士の桃だ。これからよろしく頼む。レオーネ」
<英霊に【聖女レオーネ】が追加されました>
『それでここは一体どこな……!?』
レオーネが辺りを見渡した。まぁ、英霊というぐらいだし死んだ存在なんだろう。死んでここに埋葬されたかは不明だが、現世に呼び出されてみれば廃墟ってそりゃここどこってなるわな。でもレオーネの反応が何かおかしいな。
『そう、やっぱりこの街は滅んでしまったのね。』
すでにこの時点で俺は置いてきぼり。近くにあった何かの残骸を悲しそうな表情で撫でている。街っていうぐらいだから俺の予想は当たったようだ。
『……!?』
そしてレオーネが街の中心に目を向け、これから攻略をしようとしてるダンジョン、憤怒の酒場を見つけると急にボロボロと泣き出した。
『あぁ、アーク。貴方は死してなお、ここで私を守ってくれていたんですね。私との約束を果たすために。』
うん、どうやら聖女様の過去には色々あったようだ。そんでもって相手の名前から察するに男だろ?けっ、このリア充め。
「レオーネ、混乱してるところ悪いんだけど、ちょっといいか?」
泣いてる女の子相手にどうかと思ったけどいつまでもここで待ってるわけにもいかない。あの酒場がレオーネと関係があるならなおさら攻略しなきゃならない。
『あ!ご、ごめんなさい。取り乱してしまいました。』
「いや、別にそれはいい。色々思うところがあるんだろう。話はそのレオーネが見ていた酒場のことだ。あの酒場、今はダンジョンと化している。」
『え!?そんな……。いえ、彼の力ならありえる話ね』
「その彼が俺にはわからんが、俺はあのダンジョンを攻略するためにここに来た。レオーネ。協力してもらえるか?」
『はい!もちろんです!それに僅かですけどあの人の魔力を感じます。私が行かねばなりません。どうか一緒に連れて行ってください。』
ぺこりと頭を下げられたがこれは無理と言っても聞かなそうな表情をしている。全く、英霊ってのはどいつもこいつも癖が強いねぇ。まぁ、聖女って名前がついてるぐらいだし対アンデッドには特攻っぽい聖属性とか光属性の魔術ぐらい覚えてるでしょ。
「もちろん。そのためにレオーネを呼んだんだ。さぁ、一緒に行こう」
『はい!』
そろそろ量が多くなってきたので次回から追加分とレベルアップ分だけにしようかなと考えてみたり
桃 Lv,12
Dランク
職業 召喚騎士
HP 170
MP 340
STR 26
VIT 23
INT 26
MID 23
DEX 23
AGI 22
LUK 26
NPCF 【カイン】【サーシャ】【エリック】【ランザ】【◎ルビー】
英霊 【ルシファー】【フェルド】【クリスタ】【ヴォート】【アルバセロ】
【ルーセント】【ヴィクティム】【◎聖女レオーネ】
称号
□一般
【来訪者の召喚騎士】【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】【絆を紡ぐもの】【光の先駆者】【闇の先駆者】【英雄神の試練に挑みし者】
□スレイヤー系
【ウルフスレイヤー】【ゴブリンスレイヤー】
□鬼
【剣鬼】
□祝福
【最強の召喚騎士の祝福】【ノルンの祝福】【ルシファーの祝福】
□神々からの称号
【ノルンの期待】
スキル(18SP)
□武術系
【剣術Lv25】【スラッシュ】
【槍術Lv7】【杖術Lv7】【鎧Lv3】【武術の心得】【体術Lv20】
【☆全反撃(物理)Lv3】
□魔術系
【火魔術Lv5】【水魔術Lv5】【風魔術Lv5】【土魔術Lv5】
【☆光魔法Lv1】【☆闇魔法Lv1】【☆無属性魔術Lv1】【☆生活魔術】
【召喚術Lv5】【☆魔力操作Lv1】【魔術の心得】
□察知系
【気配察知Lv25】【危機察知Lv5】【魔力察知Lv5】
□ステータスアップ系
【☆逆境】【☆限界突破】【☆覚醒】
□耐性系
【恐怖耐性Lv5】
□回復系
【◎MP回復速度上昇Lv1】
□その他
【看破Lv5】【夜目】【☆瞬歩】【☆フルチャージ】【☆英雄の守護】
【☆弱点特攻】【☆二刀の心得】【☆鬼神の連撃】【☆見切りLv6】
【回避Lv7】【隠密Lv4】【平衡感覚Lv3】【瞑想Lv3】【☆六天幻衝】【投擲Lv7】
◎は今話で追加されたもの
☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの