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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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第12話 スキルの試し打ち

前回のあらすじ

 ステータスを確認します

 称号がやばいです

 最強の武器が出来るかも?

 ランザの工房を出て向かうは領主の館。エリックが衛兵の訓練に参加させてくれると言っていたのでスキルの確認ついでに行ってみようと思う。時間はまだ15時を回ったところ。日もまだ高いし訓練はやってるはずだ。


 それに新しく取得したスキルだけじゃなくて魔術スキルや他の役に立つスキルとか教えてもらいたい。あとはやっぱり強い人と戦ってみたい。


 一応エリックにチャットを飛ばしておく。すぐに返事が来て早く来いと催促されてしまった。こいつマジで暇なのかな?と思いつつ遠慮なく向かわせてもらう。 


 領主の館の正門に立つ門番さんに料金を支払い、エリックの名前を出して訓練所の場所を教えてもらう。


 訓練所では至る所で木剣がぶつかる鈍い音が響き、少し離れた場所では様々な魔術が炸裂している。俺の目の前には想像を超えた厳しい鍛錬の世界がそこにはあった。


 「よお桃、ようやく来たか。」


 「よお、エリック。ようやく時間が出来たのと新しく手に入れたスキルを試したくてな。それにエリックやランザみたいに強い奴を作り出した訓練にも興味はあったからな。短い時間だが世話になる。」


 「なーに、気にすんな。爺に一発入れたもん同士仲良くやろうぜ。」


 訓練の合間に『誰やねんこいつは』的な視線でちらほらこちらを窺っていた衛兵たちがエリックの言葉を聞いて若干だがざわめいた。やはりランザはエリックだけじゃなくここの衛兵たちにとって特別な存在であるらしい。


 「そんじゃ、まずは何からやりたい?この前軽く爺さんと稽古した感じだと出来ること結構多いだろ?そっちに合わせた人選するぞ」


 「お、そりゃありがたい。それじゃ新しく手に入れたスキルの確認からしたいな。使い勝手が分からんものがあっていきなり実戦で試すのはちょっと厳しいものがいくつかある。」


 「んー、どんなスキルか分からんからひとまず俺が相手するか。準備が出来たら言ってくれ。」


 「はいよ」


 エリックは俺のそばを離れ近くにいた衛兵たちにアドバイスをして回り始めた。時折直接相手をしながらの指導もしている。


 準備運動をしながら眺めていると衛兵たちがスキルをほとんど使っていないことに気が付いた。あのランザの家でエリックが言ってたけどこの世界の住人はスキル依存の戦い方をするわけではないようだ。


 「スキルには強力なものも多いがどうしても使った後に硬直が起きるんだ。戦う中ではその一瞬が命取りになることも多い。そもそもスキルだって特殊なものを除けばその特徴を知られているものが多い。だからここの衛兵たちは代々魔術師は別としてスキルを使わない技術に重きを置いて訓練してるんだ。」


 これはその時のエリックの言葉。これになるほどなと思い、カインからのメールもあって俺はひたすらスキルを使わないで戦ってたわけだ。おかげで【剣鬼】なんていう称号が手に入った。


 もしかしたらこの辺の会話って鬼の称号獲得のキーワードになってるんじゃないか?

 

 準備体操が終わったところでエリックがこちらにやって来てもっと詳しくあの言葉の意味を説明してくれた。


 確かにスキルは放った直後は硬直する。チェインという複数のスキルの連続使用によって威力とその放った直後の隙をなくす技術もあることにはあるがタイミングが非常にシビアでミスったら一発で負けを覚悟しなければならないのであまり普及している技術ではない。ならばスキルは止めに一撃に使おうというのがランザから続く衛兵隊の方針らしい。


 「さて、準備運動はもう大丈夫そうだな。早速始めるか。スキルの確認の前にどれだけ成長したか確かめてやる」


 「望むところだ」


 はい、調子に乗って「望むところだ」なんて言ったものの結果はご覧の通り。幾度となく地面とキスする羽目になった。ステータスに差があるのはわかっていたがここまで実力差があるとは思わなかった。


 エリックは確かにスキルは使っていない。純粋な剣技だけで俺を圧倒して見せたのだ。しかもその豪快そうな見た目とは裏腹にエリックの剣はまるで詰将棋のように淡々とこちらが追い込まれていく状況を作っている。やられっぱなしではあったが大変参考になった。


 くそ、エリックと戦ったせいで初めてこの世界でHPが削れた。これで無傷の記録は終了だな。残念。だがその分得るものが多かったので良しとしよう。


 エリックとの戦闘でいまいち説明だけではわからなかった【見切り】スキルの効果を確認できた。


 簡単に言うと俺から半径1メートルの攻撃が一瞬だけど、まるでスローモーションのように遅く見えるというスキルのようだ。まだスキルレベルが低いのとステータスが低いのが相まってただ遅く見えるだけで、躱すまでできないし、仮に躱せたとしてもすぐにスキルの効果が切れて次の攻撃を食らうので今の所効果は薄い。が、成長すれば化けることは間違いない。


 「ふぅ、こんなもんか。多少は出来るようになったみたいだがまだまだ動きが素人ぽいな。筋は悪くねぇからこのまま精進すればいい線行くんじゃねぇか?」


 「はぁ、はぁ、そりゃどうも」


 「それじゃここからはスキルを解禁するぞ。試したいスキルがあればどんどん使え」


 「では、遠慮なく。」


 あと確認すべきは【全反撃(物理)】というスキルだけだ。説明文では切り札足り得るスキルのはずだがその使い勝手はどうだろうか?

 

エリックは俺がスキルを使いやすいようにさっきの詰将棋みたいな剣術ではなく、俺に合わせたわかりやすい軌道で攻撃してくれている。躱して、流して、弾く。わかりやすいとは言ってもゴブリンより遥かに鋭くて重い攻撃が俺を襲う。


 一瞬タメを作ったエリックがおおきく振りかぶって唐竹割りに攻撃してきた。ここがあのスキルの使い時だろう。そう思った俺は【全反撃】を発動する。


 IWOでは当然現実世界にないスキルが数多存在する。むしろ魔術なんてあってたまるか。なのでスキルを発動した時にある程度その使い方がわかるようになっている。


 元となるスキルが【カウンター】と【PARRY】なのでタイミングが非常に重要なのは間違いない。あんまり早すぎても相手に悟られてしまうので意味がない。エリックの剣が俺に触れるか触れないかのタイミングでスキルを発動する。


 「【全反撃】!」

 

 俺のMPを吸い取ってスキルの効果が現れる。完全に決まったかに見えたエリックの攻撃だが俺のHPは一切削れることはなく逆に攻撃したはずのエリックがかなりの衝撃を受けて吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。


 「な、なんだ今のは!?」

 「攻撃したはずの隊長が逆にダメージを受けた…だと?」

 「今のスキルか!?」


 訓練を止めて俺とエリックの立会いを見ていた衛兵たちが騒ぎ出す。うん、俺も一緒になって騒ぎたい気分だよ。まさかここまで効率のいいスキルだとは思わなかった。スキルの手応え的にもっと発動のタイミングを遅らせることができそうだ。


 感覚でいうとエリックの攻撃が決まったあとでも一拍ぐらいの間ならスキルの効果時間っぽいな。


 「な~るほど。それが試したかったスキルってやつか。確かにこりゃ強力なスキルだな。」


 壁まで吹き飛ばされ、崩れた瓦礫の中からエリックが出てきた。その鎧はまるで剣で攻撃を受けたかのように大きく凹んでいる。若干だが口元から血が流れているのでそれなりにダメージを与えることができたようだ。


 「強力なスキルっていう割には意外とピンピンしてるな。」


 「はは、馬鹿言え。まだこっちに来て数日も経ってないひよっこ相手にそう簡単にやられるかよ。まぁ、あえて言うならまさか久しぶりにダメージを受けるとは、さすがはこの俺ってとこだ。さて、次からは手加減抜きだ。スキルでもなんでも使っていいから時間までに俺に一撃入れてみろ」


 口では結構自惚れたことを言っているがどうやらわずかでも俺からダメージを受けたのが癇に障ったらしい。それはもう近くにいた衛兵さんが震えあがるほどの素晴らしい笑顔で俺に剣を振るうエリック。最初のうちは何とか受けたり躱したりしたものの【全反撃】を使う間もなく地面に何度も転がされる。


 そう、このスキルの弱点は俺が見切れない早さの攻撃と連続攻撃にクールタイムが間に合わないことだ。それを一瞬で悟ったのか、エリックは威力より手数重視で攻めてくるからたまったもんじゃない。


 結局、19時を過ぎてエリックが見回りの時間になるまで一度も攻撃を当てることは出来ず、さらに【全反撃】まで対処された俺はなすすべなく見事にぼろ雑巾と化した。


 もう現実世界でもいい時間なので礼を言って訓練所を出た俺は空腹と疲労で重たい体を引きずりながらなんとか「堀宮亭」までたどり着き、亭主に滞在の延長費と夕飯代を支払い、飲むようにして夕食を食ったあと、そのままベッドに倒れ込むようにログアウトした。



桃 Lv,12

Dランク

職業 召喚騎士

 HP  170

 MP  340

 STR 26

 VIT 23

 INT 26

 MID 23

 DEX 23

 AGI 22

 LUK 26


NPCF 【カイン】【サーシャ】【エリック】【ランザ】


称号

□一般

 【来訪者の召喚騎士】【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】【絆を紡ぐもの】



□スレイヤー系

 【ウルフスレイヤー】【ゴブリンスレイヤー】


□鬼

 【剣鬼】


□祝福

 【最強の召喚騎士の祝福】【ノルンの祝福】


□神々からの称号

 【ノルンの期待】


スキル(20SP)

□武術系

 【剣術Lv20】UP【スラッシュ】

 【槍術Lv2】【杖術Lv2】【鎧Lv1】【武術の心得】【体術Lv10】

 【☆全反撃(物理)】

 

□魔術系

 【火魔術Lv1】【水魔術Lv1】【風魔術Lv1】【土魔術Lv1】

 【召喚術Lv5】【魔術の心得】


□察知系

 【気配察知Lv20】【危機察知Lv1】


□ステータスアップ系

 【☆逆境】【☆限界突破】【☆覚醒】


□その他

 【看破Lv1】【夜目】【☆瞬歩】【☆フルチャージ】【☆英雄の守護】

 【☆弱点特攻】【☆二刀の心得】【☆鬼神の連撃】【☆見切りLv1】


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 魔法が息してません。 [一言] よくあるビギナーズラック、プレイヤースキル等でスキル、称号ゲット系ですが、面白くなることを期待します。 "新しいゲーム◯めました"みたいに。
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