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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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天空の城

お久しぶりです!久しぶりなので連続更新です!1話目

 【アリノスの迷宮】を無事(?)攻略した日からゲーム内で2日後、俺は5つ目のダンジョンとなる光属性のダンジョン【天空の城】へと来ていた。


 このダンジョンは洞窟タイプや【暴風領域】のようなフィールド型ダンジョンとは異なり、建物内を上へと進んでいくこの世界でも珍しいタイプのダンジョンのようだ。


 レオンの説明を聞いたのもだいぶ前なのでいささか記憶から消えかけているところもあるのでもう一度【天空の城】についての情報をまとめよう。


 そもそも【天空の城】というダンジョンは空に浮いている訳ではなく遥か神話の時代、それこそフェルド達が生きていた時代よりも遥かに昔の時代に、天使や女神といった総称すると”神”のような存在がまだこの世界にいた時に拠点としていた場所が気の遠くなるような長い年月を経てダンジョン化したものらしい。


 現在はとある山の山頂にそびえ立っているが、ダンジョンの探索で見つかった当時のことを伝える文献では遥か天空に向かって誇示する城や文字通り空に浮かぶ城、はたまた人間には到達し得ない雲の上までそびえ立つ超巨大な山の山頂に建てられた比喩として天空の城なんてことが書かれていらしい。


 その文献からとって【天空の城】と名付けられたようである。この【天空の城】は元々の建造物がダンジョン化するほどの強い魔力の発生源や神に関する記述からも強力な英霊がいるのでは?と調査が続けられているらしいが未だ発見に至っていないそうだ。


 そんなわけで空をかっ飛んでやってきました【天空の城】。場所は召喚院のあるブレイバー帝国の僻地も僻地。辺境という言葉そのまま体現したかのような何もなさでさらに強力無比な魔物が跋扈する正に魔の領域。

 

 正式名称はあるとは思うが、この山から一番近い街に住む人々はこの山のことは死の山や帰らずの山なんて呼んでいた。ひねりがないな。まぁ、空から見る限りオーガの群れとかが普通にいたので最低でも冒険者ランクでいうならAは必要だろうし、仮にSランクでもあっさり命を落とすだろうな。


 そんな山の中には今は興味がないため空を飛んでスルーする。今回のお供は光属性の代名詞とも言える聖女レオーネとその騎士、憤怒の魔神アークである。ダンジョンについたらルーセントと勇者ファースト、それからヴィクティムとジャック、さらにルシファー、エルドラ、アバドンの3人も召喚しよう。どうせ光と闇は一筋縄じゃいかないんだろうし、過剰戦力でもいいだろ。


 俺は【飛翔魔法】2人はそれぞれ光と闇の魔力で作った翼を大きくはためかせ、少し地面の砂を巻き上げながら着地する。


 「上から見たときも思ったが、ちょっと見たことないタイプの城だな。どこから引っ張ってきたんだ?」


 俺自身そこまで城に詳しいわけではないが、地球上に存在する城と比べてもなんとなく似てない気がする。素人目だから俺が知らないだけかもしれないがそれでも違和感がある。


 「ま、関係ないか。さて、いくぞー、レオーネ、アーク」


 ・・・?いつもならなんらかの返事があるはずなのにレオーネとアークから返事がない。


 「レオーネ?アーク?」


 不思議に思って振り返ってみると2人ともが揃って城を見上げていた。


 「なんだ?そんなに珍しいか?」


 思わず聞いてみる。この2人がこんな反応をするなんて今までになかったことだ。そういえばこの2人・・・いや、七つの大罪も含めてだけど彼らに関する情報は全くと言っていいほど入手できなかった。何か関係があるのか?


 『あれから悠久の時が流れているとは思っていましたが、まさか残っているなんて・・・』


 『そうだな。』


 俺の言葉が聞こえているのかいないのか少し微妙ではあったが、レオーネとアークの会話から察するにこの城は彼らとなんらかの関わりがあるようだ。その後2人はハッと我に返って慌てて俺の方に駆け寄ってきた。どうやら俺の声は聞こえてなかったようだ。


 思わぬ出来事があったがいつまでもここで時間を食うわけにもいかないので早速攻略を開始する。


 【天空の城】の攻略は城門を開け放ち庭園に出る。すでにダンジョンの中ではあるがこの庭はセーフティーエリアだと召喚院で聞いた。


 その庭の中央。少し大きめの広場があり、小さな噴水が設置されている。なかなか風光明媚な空間だ。とてもダンジョンの中とは思えない。その広場の四方を守護するかのように4体の石像が置かれている。


 ・・・もしかして。


 俺は徐に一番近くにあった石像へと近づいた。

 <条件を満たしました。召喚結晶×5を使用して聖闘士リシュリーを召喚しますか?>


 突如あのウィンドウが目の前に出現。やはりというべきか英霊が召喚できるようだ。そもそもここは神の拠点とされ、前々から英霊の存在が噂されていた。それでも召喚できなかったということは何か条件が必要なのだろう。


 ここに来るまではそんな条件なんて考えもしなかったが、さっき判明したようにここはレオーネたち縁の場所のようだし、もしかしたらと思ったら案の定条件を満たしたようだ。


 それから残った石像にも近づいて確認してみる。当然というべきか残った3つの石像もきちんと反応してくれた。


 全員が聖闘士でそれぞれリシュリー、エスト、ルーダ、ロストというそうだ。


 『あいつらか・・・』

 

 名前を聞いた時、ニコニコとしていたレオーネとは対照的にアークはかなりうんざりした表情を浮かべていた。どうやら知り合いのようだ。心置きなく召喚しようじゃないか。


 そんなわけで召喚結晶を捧げて一気に召喚。いつもと同じように英霊を召喚するときの演出が始まり、石像が光を放つ。


 いつもはこのまま召喚完了となるが今回は少し様子が違うようだ。石像が放った光は俺ではなくレオーネの周囲へと集い、4つの光が全て揃ったところで光が弾けた。


 『悠久の時より我ら四大聖闘士、再びレオーネ様の元へ集いました』


 『えぇ、みんな久しぶりね。また共に歩めることを嬉しく思いますわ。』


 『もったいなきお言葉!』


 何やら時代劇めいたセリフのやりとりをしている。あの様子をみる限り元主従関係なんだろうけど召喚したのは俺なんだからいいかげんこっちにも挨拶してほしいんだが?


 『そうそう、私の主である桃様を紹介するわね。貴方たちをこの世界に召喚したのも桃様だからくれぐれも失礼のないようにね?』


 『あ、主、でございますか。まさか、聖女であられるレオーネ様が誰かの下に付くなどとは・・・』


 『何か言ったかしら?リシュリー?』


 『いえ!なんでもございません!』


 『そ、ならいいわ』


 ふむ、普段はおしとやかで聖女という言葉がぴったりな慈愛に満ちたレオーネしか知らなかったが、今のレオーネは支配者として、強者として上に立つものの威厳とオーラを全身から滲ませている。さすがは英霊とまでなった聖女。ただただ優しいだけではないようだ。


 レオーネの圧に屈した聖闘士さんたちと改めて初めましてと挨拶をする。ついでにそれぞれがどんなことが得意なのか軽く聞き取り調査をする。


 すると全員が光魔法と神聖魔法が使える。さらにここからが分かれるところでリシュリーは火、エストは水、ルーダは風、ロストは土の属性に秀でているようである。曰く、レオーネを頂点とする組織の中でもレオーネ直轄の戦闘部隊が聖闘士と呼ばれるそうだ。その中でも特に光魔法と神聖魔法に優れ、かつ4つの属性の中でどれか1つに秀でており、さらに人格者が四大聖闘士の称号を得ることができるそうだ。


 これはアークに聞いた話ではあるが、この4人の戦闘力は七つの大罪のメンバーとほぼ互角らしい。つまり現時点では第五階級以上の力はあるようだ。なんとも頼もしいな。


 そんなこんなで新しい仲間を加えた俺たちは改めて【天空の城】の攻略を開始した。

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