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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
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暴風領域へ行こう!

前回のあらすじ

 ・【海底神殿】クリアしました!

 【海底神殿】の最深部でログインしました。おはようこんにちこんばんは!特に理由はないけど挨拶をしてみました!


 と、虚空に一人騒いで見ても悲しいだけなので気持ちを切り替えて最深部を探索してみる。【太陽の墓場】では天井に壁画のようなものが描かれていたので同じような作りであるこのダンジョンにもあるのでは?


 そう思って上を見上げる。しかしそこには予想に反してなにも描かれておらず、無骨な天井が顔を覗かせているだけだった。


 「うーん、ないか〜。ってことは何か他にも条件があるか、あるいはここには何もないか。」


 しかし神殿と名前の付いているダンジョンで最深部に何もないってことは正直考えられないので条件を満たしていないと見るのが妥当か。


 一番簡単な想像だとここの隠しボスは祀られている神、海の神あたりと考えるのが無難。そしてこれまでの傾向だとここに入る時にあった大広間に並べられていた7体の彫刻、あれがここの関係者と見れる。間違いなく英霊召喚ポイントだな。


 しかし攻略前にもちろん調べたが反応はなし。そう考えると何か他のイベントが必要なのだろう。


 「これ以上は検証不可能だな。ここに関する資料が召喚院にも残ってないとなると追跡は現時点では時間の無駄。よし、次のダンジョンに行こう!」


 【海底神殿】の探索を終了して一度ウノの拠点に戻る。そしてエルドラとアバドンの戦いを思い返す。


 「エルドラは自分で優美華麗とか言ってたな。確かに見た目は煌びやかで美しかったけど威力がなぁ。あれどちらかというと優美華麗というよりは一撃殲滅とかの方が似合いそうだな。そしてアバドンはもっと野蛮な戦い方すると思ってたけど部下思いだし、騎士団長みたいな戦い方してたなぁ。」


 個人の言動や見た目とトドメの方法が想像と違っていた点は別にいい。それよりも2人が軍隊として機能する、しかも各隊員がレベル100の隠しボスの龍種相手に有効な攻撃力を持つとわかっただけでもだいぶ収穫だな。まさに1人軍隊が実現できそうだ。


 さてさて次だ次。次の目的地は【暴風領域】ここはいわゆる自然型ダンジョンで階層には別れていないが魔物が生殖では考えられない速度で発生し、さらに奥に行けば行くほど魔物は強くなる。そしてダンジョンコアの存在も確認されている。


 最大の特徴は【暴風領域】に一歩足を踏み入れるとその名の通り凄まじい暴風に襲われるということだ。当然遠距離攻撃は風に流されて使えない。さらに敵は風の影響受けずむしろ追い風として味方につける飛行系の魔物、そしてそもそも風など関係ないゴーレム系の魔物が出てくるそうだ。


 「正直ゴーレムは敵じゃない。問題は飛行系の魔物か。遠距離攻撃が使えない以上はどうしても接近戦になるけど空中戦は苦手なんだよな」


 メンバーを選定する。風属性の神であるヴォートとユグドラ、それから有利属性である土属性の神であるアルバセロとミリムの確定。そうなるとあとは誰にしよう?やっぱり空中戦対策でアークとレオーネかな?それともここ最近出番のないルシファーかな?


 まぁ、空中戦要員は向こうに着いてから決めるか。


 【海底神殿】の攻略が1日で終了したためにさほど物資は消耗していない。しいてあげるなら宴会で使った料理と酒ぐらいか。エルドラとアバドンが眷属まで召喚したから予想以上に消費した。そこだけは補充しないとな。


 【料理】スキルのスキル上げもかねてジャンジャン料理する。たまには生産活動も悪くはない。英霊たちは人並み以上の量を食うのでそれに合わせて生産していたらスキルレベルが上がる上がる。それにダンジョン深層の魔物の食材も【料理術】でドロップするので高難易度食材の調理で経験値が溜まりに溜まるというわけだ。


 手慣れたもので2時間ほどで補充は完了。早速【暴風領域】に向かおうじゃないか。


 そんなわけでやってきたのはお久しぶりの王都シンコ。第1回イベントぶりじゃないか?


 ここにやってきたのは理由がある。その【暴風領域】は王都シンコからさらに北に進んだところに存在する。しかしその暴風領域の手前には【夢幻の森】と呼ばれる森が存在している。王都シンコはこの【夢幻の森】から得られる富を源泉として発展してきたという歴史がある。


 しかしこの【夢幻の森】はダンジョンではないがそれなりに難易度の高いエリアとして知られてる。その名の通りこの森は方向感覚を狂わせる何かがあるらしい。さらに王都の資本の源泉でもあるが故に信用と実力を兼ね備えたAランク以上の冒険者しか立ち入りができないそうだ。


 「まぁどんな森だろうとヴォートがいればどうにでもなるんだよなぁ。それに俺だって【空間把握】や【魔力掌握】持ってるし。最悪迷ったら上空まで逃げればどうにかなるだろ」


 王都のギルドでギルマスを呼び出し召喚院からの依頼・・・試験で【夢幻の森】に立ち入り、さらにその先の【暴風領域】に行くことを伝え許可を得る。そういえば長らく冒険者ギルドを利用していなかったが、俺の銀級召喚騎士という資格はSランク冒険者以上の価値があるそうなので余裕で審査が通った。


 そんなわけでやってきました【夢幻の森】。一応少し進んで見たが特に違和感はない。変な魔力も感じないし、【空間把握】でも自分の居場所をはっきりと掴めている。さらに後ろを振り向けばまだ森の外が見える。


 俺的には一歩でも踏み込んだら一気に気配が変わると思っていたのだが当てが外れたな。外との区別が曖昧なのはダンジョンじゃない。ダンジョンはまさに一歩先から別世界だからな。


 「そうなると夢幻たる由縁は別にあるか。今のところ俺の察知系のスキルに異質な反応はないか。やっぱり専門家に頼りますかね。召喚、ヴォート、ユグドラ」


 『やぁ桃。もう着いたのかい?・・・って森の中だね』


 「あぁ、【暴風領域】の手前にある【夢幻の森】って森だな。ダンジョンではないと思うんだけど、どうもこの森には何かあるらしいんだ。」


 『へぇ”何か”ね。名前からして感覚を狂わせる結界とかかな?ちょっと待ってね、探ってみるから。ユグドラ、頼めるかい?』


 (コクリ)


 ユグドラが頷くと前に見たようにスッとヴォートの持つ槍に吸い込まれた。ヴォートはその槍を地面に突き刺した。


 待つこと5分ほど。それまでじっと目を閉じていたヴォートが徐に顔をあげた。


 『うん、わかったよ。桃のいうとおり確かにここはダンジョンじゃない。けどこの森が【夢幻の森】なんて呼ばれるのにはいくつか理由があるみたいだね。』


 「いくつか?」


 『その通り。原因が1つじゃないしそれが複雑に混ざり合っているから混乱するのかもね〜。まず1つ目がこの森の中層から先はトレントの群生地になっているみたいなんだ。』


 トレントか。【百科事典】先生で調べてみると木型の魔物であることはよくあるトレントと呼ばれる魔物のそれ。しかしこのゲームのトレントはノンアクティブの魔物らしい。つまりこっちが攻撃しない限り攻撃してこない魔物のようだ。


 『確かにトレントは温厚な魔物でこっちから攻撃しない限り攻撃はしてこないけど、彼らだって生きているからね。割と動くんだよ。そのせいで道を見失うこともあるみたいだ。まぁ、これはそんなに影響はないけどね。』


 確かにトレントがウヨウヨ動いてしまっては道がわからなくなるかもしれないけどここまで来るような高ランクの冒険者がそんな些細なことで道を見失うとは思えないしな。


 『2つ目、この森の最深部・・・いやこの言い方は正しくないか?正確にはこの森がある地下の相当深くに古代龍っていう非常に強力な龍種が眠りついている。その龍から漏れ出す圧倒的な魔力が霧となってこの森の深層部には渦巻いているみたいなんだ。あまりに強すぎる魔力は感覚を狂わせるからね。その影響が強いんじゃないかな?』


 へぇ、古代龍ね。裏ボスとかラスボスとかかな?


 『なんか好戦的な顔しているけどやめた方がいいよ?』


 「え?そんな顔してたか?でもなんでだ?」


 『してたしてた。だって古代龍と呼ばれる龍種の最低レベルは1000だよ?それに物理攻撃魔法攻撃耐性が99%以上だ。どうやっても勝てないよ。』


 「なっ!?レベル1000!?それにダメージカット99%以上!?それは流石に、いや絶対に無理だな」


 『そうそう、無理に倒す必要はないの。それに相手は最強種。自分が最強って知っているから無闇に暴れたりしないよ。』


 そういうことなら無理に手を出して眠りを妨げたな!とか言って暴れられても藪蛇だ。素材とか気になるけどスルーだな。レベル1000なんて勝てるわけがない。


 『そして3つ目がこの森の最深部にナニかあるよ。それが何かまでは特定できなかったけど最深部には人避け、幻惑、ランダム転移の魔法が仕掛けられてる。間違いなく最深部は【夢幻の森】の名前にふさわしい仕様になっているね。』


 森の民でもあるヴォートが特定できないほどの何かか。英霊関係かな?どちらにせよ目的地である【暴風領域】にたどり着くにはその最深部も経由しなければならない。前もって情報が得られただけ良しとして注意して進もう。


 『あ、それと言い忘れたけど今の探知でその最深部に潜む何かに嗅ぎ付けられたかもしれないから気をつけて行こうね?』


 「え?」


 『まぁ、僕もいるし負けることはないと思うからサクサク進もうね〜』


 ダンジョン前のフィールドなのに前途多難のようだな・・・はぁ、頑張るか〜

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 王都ギルド長に信頼されたAランク冒険者… 【バレンシアの守護神】【北門の守護者】【北門の英雄】 銀級召喚騎士関係なく、許可下りるはず。
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