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召喚騎士様は我が道を行く  作者: ガーネット
10/143

第10話 ゴブ??ゴブ!?ゴブ!!

前回のあらすじ

 称号を確認します

 新しいスキルを取ります

 狩ります

 現実世界ではそんなに遅い時間ではないのに平原でプレイヤーの姿を見かけることはほとんどなかった。なので獲物に不足することはなく【気配察知】で見つけるたびにそちらの方に向かい、片っ端から狩っていった。


 あとで知ることになるが、ウノの街の平原では夜はゴブリンしか出てこないため、プレイヤーに不人気だったのだ。


 そんなこととはつゆ知らず、ゴブリンを狩り続ける。やはり予想通り2〜4体というごく少数の群を狩り続けているとその次には粗末ではあるが剣や槍を持ったゴブリンソルジャーや戦闘の中で1,2回しか使えないが魔法を放ってくるゴブリンマジシャンが5〜7体の群れを率いて出てくるようになった。


 これでますます対人戦の練習がしやすくなった。俺の基本的な戦術は後の先を取るカウンター。これには理由があって、他の職業はその職業に応じてレベルアップした時にステータスが割り振られる。


 例えば剣士だったらSTRに多めに振られて、MIDは振られにくい。魔術師だったらその逆といった形だ。しかし今のところ、俺はレベルアップしたら全てのステータスにプラス1される。つまり特化してない。


 この成長の仕方を考えると普通の剣士のように武技と攻撃力で叩き斬るとか魔術の高火力で殲滅するといった戦い方は選べない。しかしカウンターなら話は別。相手の動きを見極めて相手の力を利用して倒すなら高いステータスは不要となる。


 まぁ、魔術対策は後々考える必要はあるけど。今戦ってるゴブリンマジシャンが放つ魔術程度なら見てからも避けられるし複雑なフェイントとかしてこないからどうとでもなる。


 たまーにある群れと戦うのに集中しすぎて別の群れが近付いていることに気がつかなかったことがあった。それでも攻撃される直前に【気配察知】が強く発動して攻撃を食らう前に回避なりカウンターを仕掛けるなりができた。驚くなかれ、なんとここまで無傷。


 まぁ、やばいと思ったらステータスアップ系のスキルを使ってごり押しで逃げただけなんだけどね。ただ意地でも攻撃では使わない。


 「それにしても初期装備とは違って性能のいい装備使うとかなり楽だな。手ごたえがまるで違う」


 俺が今持っている剣はランザから貰った黒鉄の片手剣。途中で使い心地を確かめようと思って切り替えてみた。チート武器ではないがさすがに初期装備と比べると破格の性能だ。


初心者用片手剣 レア度1

攻撃力:10

破壊不可


黒鉄の片手剣 レア度3

攻撃力:25

耐久値150/150


 数値でみると純粋に攻撃力が2.5倍になっている。初心者用装備にはない耐久値が心配だったけど変な使い方をせずしっかり手入れすればかなり持ちそうだ。


 そんなことを考えていたが、【気配察知】に反応があって足を止める。確認はしてないがずっと使いっぱなしにしているのでスキルレベルが上がっているのだろう。察知できる範囲が30メートルほどに延びている。


 俺から25メートルほど離れた場所に突如として現れたこれまでにない大きな気配とそれを取り巻く大量の気配。これは……この前森でブラックウルフを倒した時と状況が酷似してる。


 間違いない。大きな気配はここにいるゴブリン達のボスだ。そして取り巻きは……だいたい50か。追加がなければいいけど。


 ゾワっと背筋を冷たいものが駆け抜ける。どうやらゴブリン集団に気がつかれたようだ。ひときわでかいゴブリンの雄叫びを合図に取り巻きの雑魚ゴブリン達が一斉に襲いかかってきた。


 「結構厳しそうだな!でもだからこそ面白い!」


 ここで初めて初心者用の剣と黒鉄の剣を両手に持つ。流石にこの数だ。どう考えても片手じゃ手が足りない。ここは不壊というボーナス付きの初心者用の剣を盾のように使えばどうにか凌げるはずだ。


 幸い、俺はガキの頃両利きに憧れてた時期があって左右どちらでも物を扱うことができる。本来の利き腕は右なので基本的には右で生活しているけど。過去の痛い歴史が何処で活きるかわからないものだな。


 装備を終えたところで取り巻きたちの攻撃の第一陣が俺を襲う。最初に俺に到達したのはゴブリンマジシャンの放つ火魔術とゴブリンアーチャーの放つ弓だ。


 それらを前進することで躱して接敵してきたステゴロゴブリンの攻撃を最小限の動きで躱してカウンターを叩き込む。喉を一突き。クリティカルのエフェクトが出てポリゴンと化す。


 そこからは乱戦の始まりだ。次から次へと襲いかかってくる近接攻撃をメインとするゴブリンの攻撃を躱す、避ける、回避する。そして体勢が崩れたところにカウンターを叩き込む。


 ただそれだけをひたすらに繰り返す。


 集中しろ


 どんな些細な動きも逃すな


 一体切り捨てるころにはすぐに後ろの奴が飛び掛かってくる。それをわずかに体を開きすれ違いざまに首を飛ばす。


 まだだ、もっと早く。


 もっと鋭く


 背後からこっそり忍び寄ろうしても無駄。【気配察知】で全てわかる。振り返ると同時に左手に持った初心者用の剣でガードする。タイミングはもう考えなくても掴んでる。弾かれたゴブリンの眉間を黒鉄の剣で貫く。ゴブリンが消える。 


 しばらくゴブリン達と舞い踊る。舞台演出はゴブリン達から飛び散る鮮血。飛び入り参加も大歓迎だが舞台観覧のお代はその命とドロップアイテムだ。


 命を賭けたゴブリン達との舞台もいよいよ終幕。どれほど時間が経ったのかは不明だが、すでにうっすらと明るくなりつつある。もう夜明けがすぐそこに来てるのだろう。


 取り巻きのゴブリン達を全て倒したあと、ようやくボスらしきゴブリンがその重い腰をあげた。【鑑定】を発動。


 ゴブリンジェネラル Lv15

 スキル 【斧術Lv5】【身体強化Lv5】

 

 終幕を飾る演者の名前は将軍様だった。これまで見たことのない斧持ちのゴブリン。他のゴブリンより体格が良く、肌の色も黒い。その表情は取り巻きを倒されたことで怒りに燃えていた。ならばそんなところで見てないで加勢すれば良かったのにと思う。


 関係ないことを考えていても体は動く。他のゴブリンと比べて桁違いの速さで突撃してきたがランザやエリックを見た俺からすれば十分に対処できる範囲内。焦ることなく構えて、斧が振り下ろされる瞬間に一歩前に出て斧が威力を発揮する前にガードして弾く。


 大きく弾かれた将軍だったがその勢いを利用して逆に左足で蹴りを放ってくる。これまでのゴブリンにはなかった行動。学習したのか?追撃を諦めてバックステップで躱す。地味に【体術】スキルがいい働きをしている。戦うごとに動きのキレが増している。


 俺が下がったことで体勢を立て直した将軍が再度突撃してくる。今度は躱しにくい横薙ぎの攻撃だ。やはり学習しているようだ。


 だが、学習するのはゴブリンだけでない。追加も含めて無数のゴブリンと戦った俺だって当然成長はする。これまでは弾くだけだった攻撃をそっと剣を添えることで受け流す。いわば柔の剣だ。


 弾かれる、または躱されることを予想していたであろう将軍は受け流されることへの対応は出来ておらず、目を見開き大きく体勢を崩してしまう。俺が使う受け流しは単なる守りの方ではない。受け流した勢いをそのまま攻撃に転換できるようになんども調整を繰り返した。


 受け流した左の剣は下から、そして使ってなかった右の剣は横薙ぎに、体勢の崩れた将軍を十字に切り裂く。ちょうどよく右の剣が首筋を切り裂いた。クリティカルのエフェクトが出て将軍がポリゴンとなって消える。


 「あー疲れた。」


 将軍が完全に消えるまで剣を構えていたが、終わったことで疲労感が一気に押し寄せてきた。力を失った俺はその場に倒れこむ。それと同時にアナウンスが鳴り響いた。


 <お知らせします。ウノの街のフィールドボス『ゴブリンジェネラル』が初めてソロ討伐されました>

 <称号【ゴブリンスレイヤー】を獲得しました>


 <ゴブリンジェネラルの皮×3を獲得しました>

 <ゴブリンジェネラルの牙×3を獲得しました>

 <ゴブリンジェネラルの斧を獲得しました>

 <ゴブリンジェネラルの魔石を獲得しました>

 

 <職業アイテム:召喚結晶×5を獲得しました>


 <深夜帯に3時間以上戦闘行動をしたため、スキル【夜目】を取得しました>


 <【剣術】のレベルが20に到達しました。上位派生スキルが取得可能になりました>


 <【鑑定】のレベルが20に到達しました。【鑑定】が【看破】へと進化しました>


 <【気配察知】のレベルが20に到達しました。スキル【危機察知】を取得しました>


 <所定の行動で魔物を1000体倒したことにより、スキル【カウンター】を取得しました>


 <所定時間内に1000体倒したことにより、スキル【鬼神の連撃】を取得しました>


 <無傷でレベル10を達成したことにより、スキル【見切り】を取得しました>

 

 <無傷で適正レベルより上位の魔物を1000体倒したことにより、スキル【フルチャージ】を取得しました>


 <無傷で適正レベルより上位の魔物を1500体倒したことにより、スキル【英雄の守護】を取得しました>


 <急所を突いて1000体を倒したことにより、スキル【弱点特攻】を取得しました>


 <ジャストガードを500回成功したことにより、スキル【PARRY】を取得しました>


 <条件を満たしたことによりスキル【カウンター】とスキル【PARRY】が統合され、特殊派生スキル【全反撃(物理)】を取得しました>


 <条件を満たしたため、スキル【二刀の心得】を獲得しました>


 <剣を用いてスキルを使わずに適正レベルより上位の魔物を1000体連続して倒したことにより称号【剣鬼】を取得しました>


 <称号【剣鬼】の報酬として『剣鬼のメダリオン』を獲得しました>


 うるせぇよ!そして長すぎじゃボケ!


 ようやく長かったアナウンスが終わった。覚えているのは【夜目】のスキルを手に入れたところぐらいまで。それ以降はもう覚える気すらなかった。


 言葉だけ聞くと特殊条件とかなんとか言ってたからトンデモナイ結果だというのはわかった。特に最後とかやばそうな匂いがプンプンするんだけど……。集中しすぎて歯止めが効かなかったな。んー、確認は全て後回しだな。細かいことは任せたぜ!明日の俺!


 現実時間ではそろそろ日付を越えようとしている。朝が来た街を抜け「堀宮亭」に戻って少し早めの朝食を食って部屋に戻って寝る。さ、ログアウトして寝よう。



 翌日、眠たい目をこすりながらなんとか1限に向かう。寝不足と昨日のアナウンスの影響もあって授業の内容なんざ一ミリも頭に入ってこなかった。まぁ、寝不足じゃなくても頭に入ってこないのは一緒なんだがな。


 この講義のテストはレイとは別のお友達にノート貰うのでどうでもいい。


 それより、正直扱いきれん内容なんだよなぁ。なんだよ剣鬼って。初期の初期で得ていい称号じゃねぇだろ?


この系統の称号ってゲームの最後の方で極めた人たちが極悪級のダンジョンとかで手に入れるタイプの称号だろ?こんな初心者が持ってていい称号じゃないと思う。


まぁ、称号獲得の条件はわかったから後日槍と杖で取るけどな!


 いや、確かにスキル無しで適正より上の魔物を1000体キルは普通に難しいと思う。特に上位のプレイヤーほど強力なスキルを使いたがる傾向があるから、きっと今はスラッシュのレベル上げでもしてるんだろう。もし剣鬼の称号を取得するイベントがあるなら大変だろうな。まぁ、せいぜい頑張ってほしい。


 そんなことを考えて行くうちに気が付けば講義が終わり昼食の時間になっていた。ママンの弁当は非常にうまかったので出来れば大学に入っても作ってほしかったがあっさりと断られた。なので俺の昼飯はひとり寂しく大学の食堂の定食だ。安くてそこそこの量がある学生の味方なのだが如何せん味がいまいちである。


 「やあ、今日はいつになく眠そうじゃないか。どうせ君のことだから1限あるの忘れてのめり込んでやっていたんだろ?」


 「否定はしねえよ。ちょっと平原でゴブリンと時間忘れて戯れてたわ。」

 

隣にやって来ていきなり皮肉を飛ばしてくれるのはおなじみのレイだ。しかし毎度のことながらこの広い食堂の中で毎回場所を変える俺を特に連絡もしてないのによくピンポイントで見つけやがる。


 「君の居場所なんてすぐにわかるさ。腐れ縁だからね」


 「心の声を読むんじゃねぇよ。そんなことより今どのへんだ?ワールドアナウンスにお前の名前出てたけど」


 「あぁ、今はドスの街のフィールドボスを探しつつ狩りに精を出しているよ。初討伐の称号とそれに付随して得られる効果はおいしいからね。まだまだプレイヤーの姿もないし狩場独占で絶賛レベリングさ。そういう君はどうなんだい?」


 「俺は地道にウノの街で狩りさ。今の所平原にいる魔物とウルフ系の魔物なら脊髄反射で狩れるな。某狩りゲー上位の雷使ってくる奴のノーダメクリアに比べたら余裕余裕。」


 「うわぁ…出たよ、脳筋発言。いいかい?あの狩りゲーで奴を裸で突撃してクリアできるのはトッププレイヤーならほぼできるよ?けどそれって罠でもなんでも使い切ってギリギリ、尚且つ遠距離でようやくじゃないか!

君ぐらいだよ?モーションの遅い大剣で行ってノーダメでクリアできるのは」


 「そうか?」


 「そうだとも!はぁ、全く。常識外れの幼馴染を持つと苦労するよ」


 「ほっとけ、俺はまだまだウノの街でやることあるから先に進んどけ。すぐに追いついてやるよ。」


 「ふーん、期待しないで待っとくよ。じゃあ講義の時間があるからお先に失礼するよ」


 「おう、またな」


 レイと別れて俺も講義に向かう。これが終わればそこから9時までバイトでそこから帰宅してって流れか。まぁ、明日は午後からだから少しは夜更かししても平気かな?ひとまずは午後の講義乗り切るとしますか。


 さて、午後十時。バイトが終わり速攻で帰宅して夕飯やら何やらを光の速さで終わらせて後は寝るだけだ。明日からゴールデンウイークなので時間を気にせず遊べるぞ。


 ゲーム内で目覚めるとすでに13時を少し回ったところ。今日は昨日の怒涛のアナウンスの内容確認して、冒険者ギルドに行って常設依頼になってたゴブリンの討伐報告をして何かいい依頼があったら受けよう。


 よし、方針は決まった。まずは腹ごしらえだな。


桃 Lv,7

Fランク

職業 召喚騎士

 HP  120

 MP  240

 STR 21

 VIT 18

 INT 21

 MID 18

 DEX 18

 AGI 17

 LUK 21


NPCF 【カイン】【サーシャ】【エリック】【ランザ】


称号

□一般

 【来訪者の召喚騎士】【到達者】【最速の頂点】【EX職の解放者】【困難に立ち向かう者】【絆を紡ぐもの】【ウルフスレイヤー】


□祝福

 【最強の召喚騎士の祝福】【ノルンの祝福】


□神々からの称号

 【ノルンの期待】


スキル(11SP)

□武術系

 【剣術Lv7】【スラッシュ】

 【槍術Lv2】【杖術Lv2】【鎧Lv1】【体術Lv1】【武術の心得】

 

□魔術系

 【火魔術Lv1】【水魔術Lv1】【風魔術Lv1】【土魔術Lv1】

 【召喚術Lv5】【魔術の心得】


□その他

 【鑑定Lv8】【気配察知Lv1】

 【☆限界突破】【☆瞬歩】【☆逆境】【☆覚醒】


◎は今話で追加されたもの

☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの


※ゴブジェネ討伐前

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回獲得したやつが反映されてないけど次とかで反映されるのかな
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