第二十五話『腰に隠した包丁』
どうも!
結局昨日に投稿出来なくてすいません…。
今回は田植えの続き!
是非最後まで読んでいってください!!
「よし、終わったな」
俺は苗が綺麗に並んで植えてある田んぼを見ながら、清々しい気分でそう言った。
いや~、やっと1枚終わった…。
結局1枚終わらせるのに1時間かかった…。
「そうですね、あと残り……………29枚です」
「ははは、笑えねぇ…」
蒼依が言った現実を再認識しながら、これから苗を植える田んぼを2人で眺めながめると、自然と乾いた笑いがこぼれる。
「準備してる術式が構築出来るまであと少し掛かる…、蒼依は鷺の所に言ってて良いぞ」
そろそろ本当に鉈で斬られそうだしな……。
なんて事を考えていると……、
「私、そんな事しませんよ。魔王様」
突如俺のすぐ横に移動し、現れた鷺が笑いながら言った。
「なっ!?」
俺はその動きに驚き、少しだけ仰け反る。
いや、腰に隠した包丁バレバレだから……。
そんなんじゃ俺は死なないけど、普通に怖いから……!
俺がそんな恐怖をさらされている
「あ、鷺!そっちは終わったの?」
と、笑顔の蒼依が鷺に声を掛ける。
蒼依の言っているそっちとは、鷺が担当する畑の事だろう。確か、桃太郎と波動竜が居た筈だし、速いのも納得だな……。
てか蒼依、お前は鈍感って言えばいいのかな……?
何で音もなく移動した事に、驚いてないの?
「うん、終わったよ。だから蒼依も早く終わらせてよ」
蒼依に話し掛けられ、少し怒気が緩んだ鷺が、笑顔でそう答える。
「あれ?鷺、ひょっとして何か怒ってる?」
ひょっとしなくても、どう見ても怒ってるだろ……。お前の目は節穴?
今にも腰に隠した包丁が飛んできそうだよ……。
あー、あれか……恋は盲目ってやつ。
そういえば俺もそんな時期が………、いや待て、俺の場合は気づいたら結婚以外の選択肢が無くなってたな………。どちらかと言うと……騙されたような………。
あ、これあれだ。考えちゃいけないやつだ。
やめよう…。
俺がそんな風に、自分の過去に開き直っていると、鷺は視線をそらしながら、蒼依の質問に答えた。
「別に、魔王様と話してる蒼依が、少し楽しそうだな~って思ってだけ。怒ってない」
お~、嫉妬したテンプレみたいなセリフだなぁ。
さて、彼氏はどう返す?
「そっか、勘違いしてごめんね」
「阿保かてめぇ!!」
蒼依の言葉を聞き、俺は反射的にそう言って、その後頭部を1回軽く叩いた。
「痛っ!ちょっと魔王様!何で叩くんですか!?」
「いや悪い、叩いた事は謝るけど…。お前のそれは駄目だろ……、いろいろと……」
お前この先苦労するぞ……。
流石にこれは、鷺が可哀想だろ………。
………いやこれ、どっちもどっちだな。
今のやり取りで殺意向けられちゃ、堪ったもんじゃないぞ…。
睨むのは止めてくれ……。
「てか、鷺は何で俺に嫉妬してるわけ?俺、外側は女だけど、中身は男だぞ?」
・
・
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「「え?」」
2人は、鳩が豆鉄砲を喰らったような驚いた顔で、そんな声を洩らした。
あれ?
そういえば俺、蒼依と鷺に説明してなかったっけ?
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
思ったより田植え回が続いて、私も驚いてます。
あと少しで、次の新キャラが登場すると思います。
次回は明日の19時以降に投稿に投稿します。
お楽しみに!!