第二十一話『黒き神の激怒』
どうも!
ギリギリ日曜日です。
今回は、鷺と神様のお話…。
是非最後まで読んでいってください!!
「ここ、何処だろう…、今度は真っ暗な世界……」
真っ白な世界の次は、その反対とも言える真っ黒な世界。
ここからどうやって出るかも分からず、とりあえず前に歩き続けている。
どれだけ歩いたかは分からないけど、いきなり視界が歪み、私はそれに耐えられず、膝を折って座りこむ。
そんな時、明らかに人間の声とは思えない声を響かせながら、誰かが私に声を掛けた。
「それ以上進むのは止めときな。いくら耐性あるとはいえ、人間にこの空間は毒だ」
「誰!?」
声のした方向を見るが、そこには何の気配も感じられない。
なのに………その方向からゆっくりと歩いて、黒髪に青い瞳の男の子が現れた。
「珍しいな、こんな所に人間が………いや、俺が引き込んじまったのか………」
男の子はそう言いながら、ゆっくりと近づいてくる。
「近づかないで、貴方は誰?
教えてくれないなら、自分で視る」
私がそう言うと、その男の子は歩くのを止め、ニヤリと笑う。
「おぉと、それも止めときな。ここじゃあ視えるものが多すぎる。いくら特殊能力で強化されていようと、情報を処理出来なくて死ぬぞ」
「死、ぬ……」
「そうだ。"黒"は全ての集合体。素人が情報を読み取ろうとすれば、簡単に死ぬ。命拾いしたな、人間」
男の子は黒い何かを手に遊ばせながら、私にそう答える。
「待って!それなら、貴方は誰なの…?」
こんな場所で普通に立っていられるなんて、絶対に人間じゃない。
「質問の多い奴だな……まぁ良い、体を借りた礼だ、教えてやる。
俺の名は、『黒き闇の神』。この世界で二柱目の、創世神だ」
「創世神……」
多分その中に、あの女神様も入ってる。
私と蒼依を殺した、『白き約束の女神』。絶対に許さない。
って、え?私の体を借りた?
「あぁ、分かったら帰れ、俺が送ってやる。早く帰んねぇと、お前の肉体が死んじまうぞ」
神様はそう言うと、約束の女神様が持っていた真っ白な本とは真逆の、『黒い本』を出現させた。
「…帰してくれるの?」
「はぁ?帰りたくねぇのか?」
「いや、そうじゃなくて……、約束とかしなくて良いの?」
神様なら、絶対にそう言うと思ってたけど、みんなが同じって訳じゃ無いんだ……。
「は?約束?そんなのするわけ………!?待てお前、神と約束したのか!?」
黒き闇の神様は、怒気をはらんだ声を上げ、私の胸ぐらを掴み、睨み付けた。
「え、どうして急に怒ってるの?」
「てめぇ、それがどれだけ危険な事か、説明は受けたんだよな!!」
「特に、受けてないけど……」
受けていない……。
少なくとも私は、約束する事が危険だなんて事、一言も聞いていない。
「あの女神!!また、やりやがったな!!!」
それを聞いた神様は、魔力を荒ぶらせながら、大きく怒声を上げた。
「え………」
「………悪い、少し取り乱した。兎に角、お前をすぐに帰す。
そんで、約束の内容は絶対に魔王に話すな!出来なきゃお前の大切な人間が死ぬ!!あの女神は平気でそんな事をする神だ。分かったな!!」
「は、はい…」
私の大切な人間………蒼依が、死んじゃうかもしれない………。
その事実に私は息を飲む。
それじゃあ、女神様は、それを分かってて約束を持ちかけたって事……?
でも何で、この神様はこんなに怒ってくれてるんだろう?
「そりゃ、俺が『黒き闇の神』だからだな。詳しくは魔王に聞け。さて、話しは終いだ」
え、今、心を読まれた……?
そんな事を思っているのも束の間、私の意識は一瞬で刈り取られ、黒い世界を後にした。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
あれ?おかしいな……。蒼依が出てこない………。
前回蒼依と鷺のメイン回みたいな予告したのに、こんな感じになってました!すいません。
次回は来週の土曜日の19時以降に投稿します。
お楽しみに!!
※諸事情により、日曜日に投稿します。
詳しくは、最新の活動報告を読んでください……。