第十四話『夜の森の最恐』
どうも!
久しぶりに水曜日の間に投稿出来ました。
今回は夜の森でのお話。
是非最後まで読んでいってください!!
※誤字があった為、改稿しました。
「ハッハッハッハッ!!!!!
ようやく我の出番だ!!どうなっても知らんからな!!
波動付与『夜の波動』!!!」
波動竜のその宣言とともに、森全体が暗くなり、夜になった。
「な、何しやがったてめぇらぁ!!まだ俺様の森を荒らすってのか!!!
ふざけてんじゃねぇぞ!!!」
その光景を見たイビノスは怒りを露にしながら、夜の暗闇に消えた俺達に向かって叫んだ。
悪いとは思ってるよ……、すまん……。
だがお前は、魔王の敵になった。
この事実は変わらない。だからお前には、消えてもらう。
「イトス!自分と鷺に『飛行魔法』を掛けてくれ!!
波動竜は桃太郎を頼む!!蒼依には俺が掛ける!!!」
イトス達の所へ戻った俺は、すぐに指示を出した。
「了解じゃ!」
「うむ!」
それぞれが返事をし、イトスは鷺に『飛行魔法』、波動竜は桃太郎に『飛行の波動』を掛けた。
俺も同じ様に、蒼依と自分に『飛行魔法』を掛ける。
よし……ここまでは順調だ。あとは………。
〈マオ!ナビィさんに念話だ!!すぐにこっちに来るように……〉
「その必要はありません、御主人様。もう来ていますから」
俺がマオにそう言いかけたその時、
いつの間にか後ろに居たナビィさんが現れた。
「うぉっ!?ビックリした……。けど、ナイスタイミングだよ、ナビィさん!!」
俺は少し驚きながらも、ナビィさんに笑い掛ける。
「当然です。御主人様とは出来が違いますから」
そしてナビィさんも、素敵な笑顔を浮かべながら、そう言って返す。
あのぉ……、その御主人様が目の前に居るんですけど………?
はぁ、相変わらずだな………。
「じゃあ後は頼む……全員にフライは掛けた。時間は1分ぐらいでな………」
「了解しました、御主人様」
ナビィは了承すると、貼り付けられた様な綺麗な笑顔が消え去り、人形の様な無表情になった。
久しぶりにこの人数に魔法を掛けるからな……。
戻っちゃうのも仕方ないか………。
俺がそう考えていると、ナビィの唱える魔法の準備が整った様だ。
そして宣言する。
「術式、展開。『存在消滅魔法』」
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イビノスは暗闇で木々を倒しながら、魔王達を探す。
俺様の縄張りで魔獣を勝手に殺し、しかもその肉を持って行きやがった!
許せる訳がない。あの魔獣達には家族が居たんだ!!
子供を守るために動いた親の魔獣。それを殺した行為を、あいつらは遊びと言いやがった!
そんな事をしておいて、共存だと?
ぶざけるのも大概にしろ!!!!
「くそっ!ちくしょおっ!あいつらぁぁ!!!どこに行きやがった!!!くそがぁぉぁ!!!」
イビノスは怒りのままに突き進む。
そこで、ふと気がつく……。
「夜……」
あいつが誰かは知らねぇが、確かにそう言っていた…………まさか!!!
その考えに至り、イビノスは冷や汗をかく。
そこまで……、そこまでやるってのか………。
俺が、ただ敵になっただけで………?
北の森の魔獣を、全て殺すってのか………。
だが、あの魔王ならやる………。
そう確信し、イビノスは怒りを忘れて、走り出す。
その後、背中にある赤い羽を大きく広げ、森を飛び進む。
・・
・
「くそっ!間に合わねぇ………」
森を進む中、見つけた魔獣を全て東の森に転移させたが、まだまだ足りない。
このままじゃ、森の魔獣達が……。
どうにかして間に合わせねぇと………。
そう考えていた時、翼が消えた。
イビノスは勢い良く地面に転がり、土を食った。
もう、始まった………。
「させねぇ…………」
イビノスはそう小さく呟き、土だらけのまま立ち上がる。
「っ!?」
次の瞬間、右目の視界と右耳の聴覚が失われる。
認識出来ないそれは、標的を俺様に絞った様だ。
「これで、良い………」
魔力を練り続けろ。死んでも練り続けろ。
魔力が消えれば、次は森の魔獣達が危ねぇ。
だから、練り続けろ………。
対抗する手段は、これだけだ。
俺様にはもう、これくらいしか、出来ねぇ……。
「おぉぉぉぁぁぁぁ!!!!!」
爆発的に練られた魔力が、イビノスを中心に巻き上がる。
その間にも、左足が消えた。
消える度に、通常の痛覚の何十倍もの痛みに襲われるが、この程度、神獣であるなら、耐えられる。
「く………そ…………」
残っていた視界と聴覚が消えた。
もう見えねぇし、聞こえねぇ……。
「……………」
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……………。
………。
………………………………蜉ゥ縺代※。
そう心の中で呟き。イビノスはそれに包まれ、この世界から消えた。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
視点が変われば、善悪の感覚は変わるもの。
今回はそれが良く分かるお話でした。
イビノスも、悪い神獣という訳ではないのです。ただ、敵になってしまっだけ………。
次回は土曜日の19時以降に投稿します。
お楽しみに!!