第十三話『最強の御出座し』
どうも???
2日連続投稿です。
今回は、反撃開始!
是非最後まで読んでいってください!!
「お前かぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
俺は波動竜の胸ぐらを掴み、ぐらぐらと揺らしながらそう叫ぶ。
「何なのだ四季!何故そんなに怒っておるのだ!我は悪い事をしておらんぞ!!」
「してるよ!!結構な事してるよ!!
イビノスが怒ってるの、確実にお前の所為じゃねぇか!!!」
全く悪びれていない波動竜がそんな事を言い、俺は大声で言い返す。
久しぶりに俺に大声で怒られ、波動竜は少し泣きそうな顔で、座り込んでしまった。
小さな声で、「我は悪くないのだ……」と言っている。
ひょっとして、ナビィさんが念話を送っても切断されたのも、お前達の所為か!?
「それに桃太郎!!お前が居て何でこんな事になってるんだ!!」
俺は波動竜の気配に隠れている、桃太郎に問いただす。
「………バレてたのか。
まぁ、最初は悪いと思っていたが、食べるなら良いと思って……、駄目なら先に言ってほしかった………」
バレるだろ…、俺は一応魔王なんだから……。
しかも……食うなら殺しても良いって、凄い弱肉強食って感じ………。
「はぁ………はいはい…、俺が悪かったよ……。
次からは俺かナビィさんに聞いてから殺してくれ………」
やってしまったものは仕方ない。
と言っても、イビノスはもう話を聞いてくれなそうだし………。
などと考えていると、後ろで蒼依と鷺を診てくれていたイトスから、声が掛かった。
「お前さん、そんなに大きな声を出して大丈夫なのじゃろうな……」
「多分な…、まぁもうバレても良いから、そこまで気にしなくても良い。
後はイビノスが来るのを待つだけだ」
そう言って、俺はニヤリと笑う。
「何じゃと…?怒りが治まるまで、イビノスから逃げるのではないのか?」
それを聞いたイトスが、困惑した様子で聞き返す。
「あぁ、もう逃げない。
準備もいろいろ整った。こっからは、反撃開始だ!」
・・・
・・
・
「で、今逃げてる訳だが、何か言うことはないか?四季」
蒼依を背負いながら走る桃太郎が、同じく走る俺の後ろから、そう言った。
「いやぁ……、整ってはいるんだがな………」
罠の準備は出来ている。
が、イビノスが全く攻めてこない…。
これじゃあ、罠をかけられない……。
「じゃが罠にかからんのなら、ワシらの体力が尽きるぞ……」
そう言ったイビノス含め、みんなが疲労困憊で、今にも倒れそうな顔をしている。
まぁ、例外も居るんですけど……。
「我はどっちでも良い!四季とピクニックだ!!ハッハッハッハッ!!!!!」
ピクニックと聞いて、すぐに立ち直った波動竜が、楽しそうに俺の後をついてくる。
「はいはい、もうそれで良いから。イビノス見つけたら言ってくれ…」
急に現れる魔獣も、暴れ出る魔力だけで殺し、全て城に送っている様だ。
流石、竜だな……。
まぁ、そんな体力も魔力も異次元な波動竜の事は放っておいて……。
「爺さん!!『飛行魔法』って使えるか?」
俺は走りながらも、爺さんにそう聞いた。
「ふっ、何万年も神獣をやっとったからの…。その程度なら出来るじゃろう」
「分かった。すぐ唱えられる様に、鷺と自分の分の術式を準備しといてくれ!」
それで、本当に準備完了だ。
「良いじゃろう。何をするかは知らんが、ワシにはもう策はない。それが失敗したら、終わりじゃと思え!」
「安心しろ、それどころじゃなくなる。
それと波動竜!お前にはやってほしい事がある。
―――――――――――、出来るか?」
「分かったぞ四季!!我に任せておけ!!!」
あぁ……、不安だ………。
だがもう…、頼るしかない…………。
・・・
・・
・
「見つけたぜ魔王。
もう逃がさねぇ、確実に殺してやる!!!」
数万匹の魔獣に囲まれた俺達に、怒り狂ったイビノスが言い放つ。
「そうだな、ようやく見つかったな。
それで、殺される前に質問なんだが、イビノス、お前って夜は寝るか?」
俺はそんなイビノスに、笑って質問する。
せめて、チャンスは与えないとな……。
「何の話だ!!
当然だろう、俺様は夜の森を動きまわる阿房じゃねぇんだ。寝るに決まってるだろ!!
分かったら死ね!!!」
イビノスは、何もせず立っている俺に向かって、殺意を放ちながら突っ込んで来る。
はぁ……、ここまでチャンスを与えて、答えはそれか………。
怒った理由はどうあれ、お前が俺の敵になったのは変わらない事実だ。
俺は、お前を助けない。
そう心で決心し、顔を上げる。
「はぁ……せっかく、お前が殺される前に質問してやったのに……」
「は?」
俺の言葉が気になり、イビノスの動きが止まる。
あーあ……そのまま殴ってれば、傷はつかなくても、俺を飛ばす事は出来たのに………。
そんな事を一瞬思いながらも、俺は告げる。
絶好の罠のタイミングを…………。
「今だ!波動竜!!」
「ハッハッハッハッ!!!!!
ようやく我の出番だ!!どうなっても知らんからな!!
波動付与『夜』!!!」
波動竜の権能により、森が一斉に暗くなり、北の森を突如として夜が包んだ。
さぁ、竜すらも恐れる、最強の御出座しだ。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
ようやく、3ヶ月前に考えた話に到達しました!
全然進まなくてビックリです……。
そして"夜の森"、一体なにが現れるのか…?
次回は、水曜日の19時以降に投稿します。
お楽しみに!!




