第十一話『白い世界で女神は笑う』
どうも!
私は寝てないので、まだ水曜日です。
今回は、女神ちゃんが出てきます。
『世界スキル』がどんなものなのか?
是非最後まで読んでいってください!!
「まったく…、ワシに丸投げしおって……」
イトスはそう吐き捨てながら、気絶した四季と、蒼依と鷺の異世界人を担ぎ、虎の姿で森を駆ける。
このままじゃいかんのぉ……ワシの体力もそろそろ限界じゃ……。
四季の坊主、いや、今は娘か?まぁどっちでも良いんじゃが………。
「大方、『世界スキル』にでも手を出したのじゃろうな……」
『世界スキル』とは、その名の通り世界が与えられる力。
神の権能を人でも扱える様にした『特殊スキル』とは違い、その世界において、神と同等の力を得る。
四季は『契約者』の代表格とも言える『魔王』じゃからの…、何もお咎めなしとはいかんじゃろうて………。
今頃、契約した神と会ってるところかの……。
しかしこのままではいかん。
イビノスが既に、この森に辿り着いておる……、追い付かれるのも時間の問題じゃ………。
「兎に角頼んだぞ、四季……」
まぁこんな事を言ったところで、誰も聞いて無いんじゃがの………。
こう独り言を喋っとらんと、今度はワシが気を失いそうじゃが……。神獣の意地じゃ、後10分は持ち堪えよう………。
それまでに起きなければ…、お前さんの負けじゃ………。
そうしてイトスは森を駆け続ける。
四季の残した、微かな希望を繋ぐために……。
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「ちょっと強引過ぎじゃないか?女神ちゃん……」
意識が落ち、白い世界で目覚めてすぐ、俺は女神ちゃんに声を掛けた。
「君の行動に対しての正当な処罰さ…、君は『管理者』である前に『契約者』だ。どんな理由があれ、『世界スキル』を手にする事は許されない。
君にはしばらく此処に居てもらうよ」
いつにも増して不機嫌な女神ちゃんは、俺を睨みながらそう答えた。
「それは困る………すぐに戻らないと、蒼依と鷺が危ない。
それにこれは、魔王としてじゃなくて、あくまで俺個人としての行動だ。流石にそれは、正当じゃないんじゃないか?女神ちゃん」
俺は笑いながら、子供に接するような声色で話を続ける。
もし俺が魔王として行動していたなら、俺の話を聞かなかった時点で、どうにかして北の森の神獣は殺してるさ……。
それをしなかったのは、この行動が俺個人として、四季としての行動だったからだ。
いくら女神ちゃんとは言え、これは過干渉だよ。
「それなら君は、『世界スキル』を破棄しろ。
これはボクの出来る最大限の譲歩だ。もし破棄しないなら、事が終わるまで、君は此処に居てもらう」
女神ちゃんは、いつもの様に笑っていない。
ただ真顔で淡々と告げている。
………………。
はぁ………、此処に引き込まれた時点で、俺の負けか……。
「……分かった、その条件を呑む。でも良いのか?そんな事して……?」
俺が聞いているのは、世界の機嫌についてだ。
『世界スキル』を与えられるって事は、多少は世界に好かれているって事だ。少なくとも、今の女神ちゃんよりはな……。
「あぁ、確かに君は世界に好かれているが、その事なら問題ない。ボクは『約束の女神』だよ?」
だろうな…全部計算通り。
本当に…、恐ろしい女神だ………。
「そうかよ……ほら、破棄した。これで良いんだろ?
さっさと戻してくれ」
そう言いながら、俺は『管理者』を停止した。
「…………はぁ、まぁ良いだろう。戻って好きにすると良い。問題はない」
女神ちゃんは、ジト目で俺を視たあと、ため息を吐いて、言った。
「おう、それじゃあな、女神ちゃん。
上手くやれよ」
そんな女神ちゃんに、俺はそう言って別れを告げる。
それを聞いた女神ちゃんは一瞬だけ驚き、不気味笑う。
そして同時に、俺は眠る様に意識を失った。
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「当然だ。上手くやるさ、これはカンニングだけど、良い答えが視れた。
ボクは満足だよ」
四季の意識を戻し、女神は椅子に腰かける。
破棄ではなく停止、か……。
「良かった。とりあえず自由に使われる心配は無い。それに………ふふふ、楽しみだ。
いくらボクでも、『世界スキル』は掌握出来ないからね」
女神は不気味に笑う。
これで、四季が『世界スキル』を多様する事はないだろう。
計画通りだ。
あとは、使わせる状況を、ボクが間接的に作り出せばいい。
「さてさて、次は誰を使おうかな?」
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
なんだか女神ちゃん、いろいろ企んでいそうですが…、どうなるのでしょうか?
そして四季はイビノスをどうにか出来るのか?
次回は土曜日の19時以降に投稿します。
お楽しみに!!




