第二話『1週間後の来訪者 2 』
どうも!
遅れて本当にすいませんm(_ _)m
水曜日の分の投稿です。
今回は文章多めです。
異世界にどうなって来たのかわかります。
是非最後まで読んでいってください!!
家の玄関を出て、気持ちの良い朝日を浴びながら、体を伸ばす。
僕の名前は茨城 蒼依。何処にでも居る、普通の高校生だ。
「おはよう鷺。ごめん!昨日漫画読んでたら夜更かししちゃって…」
僕は家の前に膨れっ面で立っている女の子に、謝りながら挨拶をした。
「おはよう。もう!だから読むのは次の日にしなって言ったのに!」
この子は知草 鷺。僕の幼なじみだ。家が隣同士で、良く一緒に登下校している。
「うぅ……でも一度読むと止まらなくって……」
「でもじゃないの!私が蒼依のお母さんに言わなかったら、起こしてもらえないんだからね!次からは私の忠告を守ってよね!」
「分かった、次からは鷺の忠告をしっかり守るよ」
「よろしい!じゃあ行こっか!」
そう鷺に言われ、僕達は歩きだした。
・・
・
歩きだしてすぐ、近くを歩く僕らと同じく登校途中の小学生が鷺に元気な挨拶をした。
「あ!鷺お姉ちゃんだ。おはよー!」
「うん!元気な挨拶良いね!おはよー!」
鷺もそんな挨拶に元気よく挨拶を返す。
こんな風に、どんな人にも優しい鷺は、学校どころか、町ではちょっとした有名人だ。
おまけに、僕より頭も良いし、運動も出来る。
対して僕はほぼ空気。なのだが、最近少しだけ、学校の女子生徒にモテているのかもしれない。ただの勘違いかもしれないけど……。
「あ、そうだ蒼依!私明日から部活の朝練で……その………」
と、そんな事を考えていると、横を歩いている鷺が、思い出した様に言った。
「そっか、もう大会近いもんな。分かった、いつも通り、明日から俺も早く登校するよ」
「うん。あがりと!しっかり起きてよ!!」
「分かってるよ、流石に2日連続で寝坊はしないって」
「そんな事言って、寝坊したら許さないからね!」
そう言って、鷺の歩く速度が速くなった。
「ちょっと?歩くの速くなってない?」
急にどうしたの?
何か怒らせちゃったのかな?
「速くなってない!蒼依が遅くなったの!」
僕の問いに、鷺は少し食いぎみに答え、横断歩道のある交差点まで先に行ってしまった。
そうなのかな?
僕は別に、遅くなってないと思うんだけど…。
って、もう交差点!?早く追いつかないと!
そう思った僕は、急いで鷺を追いかけて走った。
「ねぇ鷺、…………ん?」
なんとか鷺に走って追いついた僕は、そう話し掛けようとした。
その時、何故か少し、先から来るトラックに違和感を感じ、目に留まった。
ん?何だろう、あのトラック…………!!
人が乗ってない!?
無人のトラックが向かう先には、もうすぐ青になる横断歩道があり、そこで青になるのを待っているのは、さっき鷺に挨拶した小学生とその友達だ。
鷺はまだ気づいてない。もし気づいていたら、もう動きだしている筈だから。
早く動きださないと、小学生達が危ない。
そんな事は分かっている。でも助けようとすれば、僕が逃げる時間が足りない……。
それが分かって、動けない自分が情けない……。
何かを言い掛けて止まった僕が気になり、後ろに居る僕に振り替えって聞き返す。
「どうしたの、蒼依?何であの子達を見て…………!!」
そして、鷺も気づいた。
でも僕とは違い、鷺は小学生達を守る為に、迷わず飛び出した。
少し乱暴になってしまってはいるが、鷺は見事に、小学生達をその場から移動させた。
しかし、鷺もその場から離れようとした時、不運にも足をつまずき、転んでしまった。
無人のトラックはすぐそこまで迫っている。
このままだと、確実に轢かれる。
嫌だ。
「っ!!」
そう思った瞬間、あんなにも重かった足が簡単に前に出た。
嫌なんだ。死んでほしくない。
たとえ僕の命が犠牲になっても、鷺には生きてほしい。
足を捻って上手く歩けない鷺の手を取り、肩を貸す。
あらゆる行動が間に合わない。
その時点で、瞬時にそう判断出来るほど、無人のトラックは目の前に迫っていた。
あぁ……神様……。
1度だよ、たった1度だけで良い、僕の命を犠牲にしても良いから、僕に鷺を守らせてよっ!!
鷺はいろんな人を助けてきたんだよ!!ここで死なさないでよ!!!
そんな事を願っても、都合良く、僕に力は宿らない。
理不尽なトラックは、僕と鷺に当たると、僕と鷺の骨と肉を壊し、僕達を吹き飛ばした。
その日僕達は、無人のトラック轢かれて死んだ。
筈だった…………。
・・・
・・
・
目が覚めると僕は、見知らぬ森の中に居た。
「ここは………森?」
それに何で、僕は生きてるんだ……?
確実に死んだ筈……?
トラックに当たった瞬間、自分の骨が折れる音を聞いたし、何より苦しかった……。
でも、生きてる。
「そうだ!鷺!」
僕は慌てて辺りを見回し、少し離れた所に眠る鷺を見つけた。
「はぁ……良かった……」
少しして、鷺も目を覚ました。
僕だけじゃなくて良かった。
鷺も死なないでくれた。
俺は安心し、鷺に抱きつく。
「ううん……、あ、蒼依!?何で抱きつい……、あれ?私、生きてる……?」
「うん。良く分からないけど、そうみたい。とりあえず、鷺が生きてて良かった……」
「私もだよ、蒼依が生きてて良かった……。ありがとう。でももう、あんな事しないでよ。私を助ける為に、命を犠牲にしないで………」
悲しそうに、鷺は笑いながら、僕に抱きつき返す。
「それはこっちのセリフだよ。無茶しないでよ……」
もうあんな思いは御免だ。
だってあの時、僕が先に動いていれば、こんな事にはならなかったのに………。
本当にごめん………。
「!?蒼依、今すぐここを離れて!
良い?この先にずっと真っすぐ行けば多分助けてくれる人が居る。その人に助けを求めて」
「え、何で急に……?」
ここが危険なんだよね?
その言い方だと、鷺が一緒に来ないみたいな…。
「いいから、約束したでしょ。次からは私の忠告を守るって。あの時、私の所に来てくれてありがとう。今度は私の番、蒼依は逃げて」
「嫌だ。そんな……あれ……?」
おかしい……、視界が歪んで………。
「ごめんね、そう言ってくれるって分かってた。だから、起きたらこの先へ進んで。その人がきっと、助けてくれる」
「待って…………」
そう言って、僕の意識は眠りに落ちた。
再び目を覚まし、辺りを見回しても、鷺は居なかった…。
何処に言ってしまったのかも、その痕跡を、僕に見つける事は出来なかった。
「この先に進めば、誰かが助けてくれる……。待っててよ鷺、絶対助けるから」
僕は鷺の言葉を信じ、助けてくれるかもしれない誰かに会うまで、走り続けた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
どれくらい走ったのか、自分には分からない。
だけど、太陽がもう少しで真上に登る頃、僕の目の前に、長い白髪に赤い瞳1人の女の人が、いきなり現れた。
「ははは……こりゃ生き残るわ………」
その人は僕を見ると、少し笑いながら言った。
そうだ、僕は生き残ったんだ。だから、鷺を助けたいんだ。
「そんなに魔力を放って、一体何をしに来たたんだ?人間?」
「え、魔力……?そ、そんな事より助けてください!!鷺が大変なんだ!!」
これだけ不思議な人、鷺の言っていたのは、多分この人だ。
「……さぎ?誰………?」
女の人は困惑した顔で言った。
「良かった……、鷺を…、助けて………」
ここまで一切休まず走った所為か、体に力が入らない……。
僕は崩れる様に、地面に倒れた。
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「おい!だから"さぎ"って誰なんだよ!?寝るなー!!
駄目だなこりゃ…魔力使いすぎだ……、体の魔力回路がボロボロじゃないか………」
どんだけ無茶な『身体強化』をすればこうなるんだよ………はぁ……仕方ない。
俺の威圧が効かない程の魔力保有量を持つ人間が、自分の魔力でこんなになるまで……。
約束の女神…またやったな……、身の丈に合わない力を与えるのは、やめてくれって言ったのに………。
〈マオ!こいつを連れて城に一旦戻る。念の為に、東の森にも転移出来る様にしといてくれ!!〉
〈分かった~〉
俺は急に倒れた男を連れ城に転移した。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
何かラブコメの主人公みたいな奴が現れました。
これからどうなって行くのか?
次回は土曜日の19時に投稿します。
お楽しみに!!