第二十九話『新昔話・桃太郎 4』
どうも!
かなりギリギリ金曜日です。
今回も桃太郎の過去話、犬・猿・キジとの平和な日常風景です。
是非最後まで読んでいってください!!
「はぁ……、またか………」
荒らされた墓を見ながら、俺は呟いた。
今さら、誰の墓か言わなくてもいいだろう。
鬼を全て退治して半年が経った。
俺は村へ帰り、こうして毎日、墓参りをしている。
「桃太郎、お前が望むなら、俺が犯人食い殺してやる」
俺の横にいた犬が、牙を剥き出しにして言った。
鬼を退治し、既にきびだんごの洗脳効果は失われた筈なのだが、犬・猿・キジは何故かまだ、俺を主として従ってくれている。
「やめろ。そんな事しなくていい」
俺はそう言って、犬を止める。
墓を荒らされたと言っても、供えた花が撒き散らされたり、泥で墓石を汚されているだけだ。
毎日新しい花を供えて掃除をすれば、問題ない。
「ですが主、貴方は鬼を退治したんだ。この様な低俗な嫌がらせを受ける理由がない」
俺が掃除を始めると、猿は納得いかなそうに言った。
「理由ならある、俺達は鬼より強い。人間からすれば、俺達を恐れて嫌がらせする理由なんて、それだけで十分なんだよ」
「それは……あまりにも………」
猿は桃太郎に聞こえないように、小さく呟く。
そして思う。
いくら『森の王』・『森の賢者』・『空の王』と進化した我々の主と言えど、まだ産まれて11年の子供なのだと。
皆を安心させる笑顔しか浮かべなくなった主に、もう一度心の底から笑ってほしいのだと…。
しばらく掃除をしていると、キジが花束を口に咥えてやって来た。
「主様~、花束作ってきました~!
今日はピンクの薔薇を持ってきました!」
「そうか。じゃあその花を供えて、今日の墓参りは終わりにしよう」
「は~い!」
キジは元気に返事をして花を供えた。
その後みんなで団子を食べた。
・・
・
「どうだ猿、月へは行けそうか?」
帰る途中、犬の上に座りながら、俺は猿に問いかけた。
お爺様の誓い。
月へ行って、かぐや姉さんに刀を渡す。
俺はなんとしても、この誓いを果たす。
「えぇ、少し時間は掛かりましたが、間違いなく行けるでしょう。いつにしますか?」
俺の問いに対して、猿は満足気に答えた。
「……じゃあ、1週間後にしよう。
それまでに皆で何処かへ遊び行こうよ」
「それは良いな桃太郎!
俺が乗せてってやるよ!!」
「犬ばっかりずるい!
私が主様を背中に乗せるの!!」
「ぐぬぅ……、力が足りない自分が情けない………」
「ははは!ありがとう。
じゃあ行きは犬で、帰りはキジにしよう」
久しぶりに遠くに行くし、皆で楽しもう!
・・・・
・・・
・・
・
その後、犬・猿・キジが死体になって、俺の前に現れたのは、笑い話だ………。
俺が1週間も期間を設けた所為で、仲間が……友が死んだのたから……、これはきっと、笑い話だ………。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
過去話は明日と明後日で終わります。
次回は明日の19時に投稿します。
お楽しみに!!




