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1000回目の魔王様~どう考えても俺より強いんですが、~  作者: 落ち武者
第二章~改めまして魔王です?~
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第十七話『不可能を可能にする者』

どうも!

毎度遅れてすみません…、土曜日の投稿です。


今回も戦闘回です。

『竜撃』は通用するのか?しないのか?


是非最後まで読んでいってください!!


 さっきの『竜咆』で、雷竜が怯んだ。


 これで仕留める!


 俺は地面を踏み込み、技を繰り出す。


 俺がナビィさんに初めて教わった技であり、特殊体術(魔式戦闘術)の基礎となる技。



―――――魔式戦闘術『竜撃』!!



 この技は殴った対象の内側を、魔力を使って爆発させる。

()()()()()()()と言われる竜の鱗。それを破壊せずに攻撃するのを目的に作られた技だ。


 これだけ近づいて攻撃するチャンス、もう簡単には訪れない。雷竜が慢心している今なら、この技は当たる。


 だが、いくら慢心していようと相手は竜だ。

そう簡単には攻撃を喰らってはくれない。


「なっ!!??」


 俺の技が当たる寸前になって、雷竜が目視する限界の速度で体を捻り、俺の技を避けようとしたのだ。


 逃がすかぁっ!!


 俺は前に突っ込む様に踏み込み直し、技をぶつけた。

そこへ、俺の出せる全ての魔力を放ち、爆発させた。


 これで……少しは………。

たとえ今の攻撃で倒せなくとも、ある程度のダメージにはなった筈………。


 そんな俺の考えは甘かったと、思い知らされる。


「GURRRaaa!!!!」


 雷竜が、雷鳴とともに怒りの咆哮を上げた。


『竜撃』を喰らっても仕留めきれていない理由も分かっている。無理やり踏み込み直したせいで、技の威力が落ちたからだ……。


 まずい……、すぐにここを離れなきゃ………。

俺は体制を整え、この場を離れようとした。


しかし………、



 それは()()だった。



 突如、とてつもない爆音と閃光が俺を包み、体が動かなくなった。


「かぁ……ぁ………あ…………」


 口から煙が出る。声も上手く出せない。

雷竜の雷に打たれたか……、動けない………くそ…………。


 こんな隙を見逃す程、竜の怒りは甘くない。

雷竜は、動けなくした俺に咆哮を放った。


 刹那の時の中で、俺は思考巡らせる。


これを喰らえば、殺されるなんて話じゃない。

確実に死ぬ。

でも、まだ体が動かない……魔力も足りない………。


 駄目だ。そんな事は許されない。

俺が死ねば、せっかく生き延びてくれた家族が、殺される……そんな事は、絶対に駄目だ。


動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け


 あ、死ぬ。


 ここで、俺の世界攻略が終わ―――


「声が出せんのなら念話を使わんか!!死んでからでは遅いのだぞ!!!分かっておるのか!四季!!」


 そんな言葉を聞き、自分が死んでいない事を認識する。


 あれ……、生きてる……?

波動竜が、俺を助けたのか……。


「うる…せぇな………意識を…保ってただけ……、まだ良いだろうが………あと、何でお姫様抱っこ………」


 少し恥ずかしいんだが……。


「ん?気遣って欲しかったのだう?こっちの方が貴様が楽だと思ってな、気に入ったか?」


 聞いてたのかよ……、俺の心の声……。

 まぁ、今はいいか………。


「ありがとよ……、助かった……」


「ふん!どういたしましてだ!!盟友。

それで、あと何分稼げばもう一度いける?」


 波動竜が、俺をお姫様抱っこし、続けざまに落とされる雷を避けながら言った。


「あぁ…あと3~4分は必要だ。声は出る様になったが、まだ体が上手く動かせない」


 ここまで動かせないのも久しぶりだ。

ナビィさんの作った、呪詛入りの料理を食べた時以来だな………。


「よかろう!その程度であれば、なんとかしよう!貴様は休んでおれ!!」


 そう言いながら波動竜は、落ちてくる雷を、肉体能力のみで避けている。


「もうお前だけで倒せるんじゃないか?」


 俺のように魔力を使っているなら分かるが、波動竜の場合、純粋な肉体能力だけで雷を避けてるからな?

 雷竜も普通に倒せるんじゃね?


「無茶を言うな!我は"時殺しの咆哮"を無効化するので手一杯なのだ。

あと我が出来る事と言えば、貴様を担いで、雷を避ける程度だ!!

だいたい何故『竜撃』を使ったのだ!もっと強い技があったであろう?」


「お前こそ無茶言ってるじゃねぇか。『特殊体術(魔式戦闘術)』は基本カウンターなんだよ。相手の攻撃も利用して放つ技がほとんどなんだよ!

寧ろ連続で技を使いながら、あの威力を出せたのが凄いんだよ!!」


 もちろん自分から仕掛ける技もあるが、そういう技は連続で使えない。

それに…、魔力も足りないし、今は使えない。


「ならばどうする?今更逃げる事なぞ出来んぞ?」


「まぁ、それなんだけどさ……。

今ならなんとかなるかもしれない。可能性はほぼゼロだけど…」


 マオが眠っている今なら、なんとかなる。


「そうか!では任せる!!」


「即答かよ!?まぁ良い、任された」


 信じてくれてるって事だもんな……。

やってやるさ。


 ・・

 ・


「さて、もう良いか!」


 宣言通り3~4分の間、俺を雷から守った波動竜が言った。


「あぁ、十分動く様になった。そのまま俺を投げてくれ!!」


「うむ!見えぬ速度で投げてやろう!!」


 そう言った波動竜は、俺を『雷竜』に目掛けて全力で投げた。



 さぁ……今この時は、魔王を辞めよう。



「『魔王の魔法回路』()()!!」



 今この時は…………










 『()()』だ。











 輝く()()の光が雷竜を包み込み、その肉体を真っ二つに切り裂いた。


ここまで読んでくれて方、ありがとうございます。


魔王です?って感じになってきました!

四季が使った武器が意味する事とは?


次回第十八話は、明日の19時に投稿します。

お楽しみに!!


※今回から、魔式戦闘術の表記を変えてます。

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